安達誠司のレビュー一覧
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安達の最も新しい著作である。安達の論には、常に豊富データによって、「レジームの転換」歴史的に何時起きたのかという視覚がある。デフレの克服とデフレの解消という二つの類似はするが、前者は中央政府と中央銀行の自覚的政策であり、解消は中央がその自覚無く、雪崩式に解消されていったという不作為の「政策」による大きな違いがある。デフレの解消には、円安ということによって、達成されるという認識が、安達にはあるのであろう。そして、無自覚な政策が、デフレ解消に向かうのにどのように作用していくかを見極める手立てとして豊富なデータが使われ「説得」することに使われる。その手際は、リフレ政策提唱者としても「異色」である
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エコノミストによる円高論。日銀が量的緩和(28.8兆円)すれば円高は止まりデフレを脱却できると主張しているが、本書を読んだだけでは本当にそのような展開が可能なのかどうかは疑問。量的緩和をしても金融機関は、それを積極的に投資するとも思えないのだが。前半の基本的説明が冗長すぎる。
「(外為市場では)実需は1~2割りにすぎず、残りの8~9割が投機」p28
「神の見えざる手。アダムスミス」p29
「1992年9月 ポンド危機」
「(「デフレの正体」について)デフレは、生産年齢人口の減少によって引き起こされている、という説は誤り(他にも生産年齢人口が減少している国があるが、デフレになっていないデータ -
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安達さんの著作を読むのは今回が初めてで、
これ如何に?!と読み出したら、これかなりの良書。
読み出した現在(2017年2月)から
後知恵で過去事象をふり返っても、
2016年12月で執筆された安達さんの考察と記述は
事実として浮上したことも多々あるし、
現時点でまだ不透明な事象に対しても 「そういうオプションもありか!」とロジカルな選択肢を提示してくれている。
特に注目したのは、
「労働参加率」のくだり!
なるほどーーーーと 膝を打った。
主要KPIとして 「失業率」だけでなく、
労働参加率を掲げていると。
打ちのめされて意欲を喪失し、シーンから消え去ったかつての労働者を
再び 労 -
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円レートと名目GDPの連動表が非常にわかりやすい。いかに日本が円高に弱いかを如実に表すものであり説得力がある。名目GDPに着目している点がポイント。ただ、速水総裁への論駁は良いとしても、藻谷氏へのそれは、引き合いに出している国がグルジア、モルドバ、ブルガリアなど小国ばかり。日本と比較するに相応しい国とは到底思えない。反論の根拠も希薄で曖昧であった。また、日本人の多くが円高好きで円安を忌避しているかのように書いているのも肯定できない。そもそも根本的に立脚点がおかしいのでは、とも感じた。終章では、円高デフレ対策としてマネタリーベースの供給をあげているが、もう少し掘り下げた議論が欲しかった。
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【円の供給量が少ない?】
著者の考えでは、円高の原因は「円の供給量が少ない」ということです。
市場原理からすると数が少ないものは価値が高くなるということは言えますが、数が少なくても人気がなければ価値は高まりません。
円は人気があるということになるのでしょうか。では、なぜ人気があるのでしょう。デフレだから?
人気商品ならそれでいいのではないかと考えますが、お金は商品の間で動く仲介役、相手先の通貨を円に交換するときは、円が安い方がたくさん儲かります。
しかし、供給量を増やす場合、実際どのような方法がとられるのでしょうか。みんなに配り歩く?税金を使わず公共事業をする?利息を高くする?どうするの -
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ネタバレ為替について・・・
良い円高なんて無ぇんだよ!
ってぇ本・・・
1章から3章は為替についての極基本的な知識がある人はすっ飛ばしてもイイですね・・・
4章からがこの本の言いたいことのよう・・・
ソロスチャートってぇ、恥ずかしながら初めて知りました・・・
というかこの本はリフレ派の方の本だよね?
為替は長期的には購買力平価で話が出来る・・・
ので物価上昇率が高い国の通貨は安くなり・・・
低い国の通貨は高くなる・・・
はい・・・
これはまぁイイとして・・・
短中期的には・・・
ソロスチャート・・・
ここから読み取れるのは・・・
各国の中央銀行の金融政策の積極性の違い -
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いわゆる「リフレ」派の人が、
今の円高状況について、為替に詳しくない人にも分かるように説明した、入門書。
そういう意味で、色々バイアスがかかっています。
ここ最近の為替を巡る、議論を取り上げながら、メディアや識者といわれる人が発するトンデモ論を丁寧に反論していくので分かりやすく、すらすらと読めます。
とはいえ、為替の動きの説明としては、大雑把すぎるところもあるので、この点は他の書籍を読む必要があると思います。
個人的に、ヘェーと思ったのは、ソロスチャートに関する説明ですが、ちょっとこじつけ臭いなあーとも思いました。
とはいえ、本書の主張には概ね賛成です。私自身は、円高自体を悪とみていま -
Posted by ブクログ
為替に関することをわかりやすく書いてくれている。円高・円安といった為替変動が何故起こるか?ということはこの本で理解できるだろう。
ちょっと気になったのは本書に出てくるグラフ。棒グラフと折れ線グラフを重ねているグラフで、動きが同じであることを強調するために縮尺(?)を合わせているような。増減率が同じだから間違ったグラフではないけど、読んでいる人に対して自分の説の正しさをより強く印象付けるためにやっているんじゃ?と勘繰ってしまう。
概ね納得できるんだけど、何故か腑に落ちない感じ。
因みに最初に出てくる金額の意味は、本文を読まずとも額面を見たらおおよそ想像できる内容。
著者はリフレ論者なのか