安達誠司のレビュー一覧
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大統領選後に緊急出版という趣で書いたものと思われ、日本語がこなれていないところもあるが、そこは気にしないでさくさく読み進めたい。
「~だったと思うので」とか「何かのドキュメンタリーで~」といったあたりは、編集者が確認してあげれば良いのにな、と思ったりしたが。
ほぼ二年前の本になるが、概ね筆者の予想していたとおりに事態は推移している。
トランプの経済政策は、レーガンのそれと同一視すると状況を見誤るだろうこと、経済政策と安全保障政策が一体化していること、主敵は中国であること。
想定外だったのは、2018年末の今に至っても、FRBは引き締め路線を続けていること、というより続けられるほどに経済環境も -
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中国のバブルは いつからはじまり、いつ頃に崩壊したのか?
バブルとは そもそも なにか?
アメリカのバブル
日本のバブル
アメリカのITバブル
そして、現在 中国のバブル。
バトンは 次は 誰に受け継がれるのか?
『資源国の不動産』オーストラリア、カナダ、ノルウェー。
バブルとは、『常識的な水準を超えた上昇』のこと。
では 『常識的な水準』とは?
PER。
上場株式の時価総額を名目GDPでわる。→バフェット指標
BRICS とは、誰がいったのか?
Brazil, Russia, India, China, and South Africa
投資銀行 ゴールドマンサックスのエコノミスト
ジ -
購入済み
社会人の教養を磨ける良書である
アベノミクスの効用を非常に分かり易く書かれている。左派系マスコミや野党議員の感情的な反対論をデータとロジックで見事撥ね付けている。勉強になった一冊であった。
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ユーロ危機の本質はEMS時代に埋め込まれていた
EMSでは参加国の為替相場ごとに中心相場を決め、為替介入を行い変動幅を2.25%以内に押さえていた。
しかし固定相場を維持するためには各国の経済状態に合わせた独自の金融政策を実施できず、1979-1992の間に中心レートの変更や離脱が発生している。
ユーロ危機の本質はユーロ導入にもかかわらず、不均衡がいっこうに是正されなかったこと。
ユーロ導入により、1)貿易収支と財政収支の収斂は起きなかった、2)経済格差は改善されなかった、しかし、3)長期金利は低下し収斂した。ユーロ導入の理念である1)、2)の格差改善がなされると考え、経済発展の遅れている -
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本書は2012年に顕著となった「ユーロ危機」を歴史的史実と経済学的なロジックによって明解に分析したものである。
そもそもなぜユーロ危機が発生したのか。それを説明するにはEU成立以前の歴史を踏まえる必要があると筆者は主張する。まずはEUの土台となった欧州経済共同体(EEC)である。EECにはEMSという加盟国間の為替レート変動を一定に抑えることで、これらの国同士の取引における為替変動によるロスを最小限に抑えるために作られた制度があった。言うまでもないが、この発想は現在のユーロ貨幣と欧州中央銀行という「一つの中央銀行、一つの貨幣」という考えの土台になっているものである。
このように、為替変動の -
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「第1章 為替とは何か?」「第2章 円高・円安とは何か?」はきわめて常識的な知識の確認。まったく経済の知識がない人でもわかりやすく読めるかと思う。また第3章はちまたに垂れ流されている俗説を痛烈に批判。「第4章 為替レートはどのように動くのか?」「第5章 為替レートは何が動かすのか?」は為替レートの変動について、修正ソロスチャート、予想インフレ率などのグラフを用いて説得的に持論を展開。そして、最後の「第6章 円高の正体、そしてデフレの“真の”正体」において、日銀のさらなる金融緩和の必要性が示される。
安達氏の切れ味鋭い論法はいつもながらだが、誰もが理解できる平易な文章で読みやすい。万人にオスス -
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日本経済の現状分析を目的としており主張に華やかさはない。
セルサイドのエコノミスト・レポートを読んでいるような感じだが、実際著者はエコノミストです。
それにしては長いかなーと思いつつ、経済学のアカデミックの世界での潮流なども知れるお得な一冊。
2019年8~9月あたりの足下での分析なので、金融庁の2000万円問題など、数ヶ月経っただけの現在(2019年11月)でも、誰も話題にもしておらず古くなっているものもあるが、そういったものも含めて、季刊のエコノミスト・レポートのように読みこなせば良さそう。
昔、ソロスファンドの下請けをしていた、とか、『国家は破綻する』の検証結果への疑義は、マサチュー