安達誠司のレビュー一覧
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『アベノミクス』の生みの親と言われているイエール大学名誉教授浜田宏一氏による現時点では成功?と言われている金融緩和による経済対策の解説。
教育学部出身の私レベルにでも非常に分かり易い内容でして、まあ、この教授も色々叩かれているみたいですが、通貨安(円安)の必要性は理解できますし(実際に円高による名目GDPが減少してる事実)、失業率の低下等、その他色々と数字が良くなっている訳で・・・・それなりに評価していいのではないかと思いますが。
ただ輸出で儲けている企業はGDPの14%と言われている中で本当に円安でいいのかと思っておりましたが、あらら、現実の株高。本当にありがとうございます。飲み代は確保でき -
Posted by ブクログ
著者にとっては「どうだ見たか」と、まさに痛快だろうと思う。
新生日銀の施策とこれまでの結果が、本書での指摘に合致していて、純粋に凄いし説得力があり、自分はまさに「見せつけられた」読者となった。そして何よりも分かりやすい。
物価と通貨価値から長期的な為替レートの変動を見る購買力平価や中央銀行が供給するマネタリーベースの比率から、短期中期的なそれを見るソロスチャートなどに関して、事前に丁寧に解説しくれているため、本書の要である修正ソロスチャートの有効性と、そこから導かれる「為替市場の肝は予想インフレ率であり、レートは二国における将来の物価についての予想の格差の変動によって動く」点がとても理解しやす -
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「20年以上に渡る日本の不況は円高が原因であり、それを解消するためには日銀による金融緩和が必要だ」これが本書のメッセージである。
円高は日本の貿易収支の赤字を引き起こす。円高は輸出産業の海外競争力を減少させ、輸出産業が経済の基幹である日本では、この影響が即ち不況となって現れる。しばしば円高は輸入製品の価格減少を引き起こすために消費者にはプラスであるという「良い円高」が叫ばれるが、筆者によればこれは真ではない。なぜなら、消費者の収入という面を考慮すると、円高不況によってそれが減少するため、結果として需要は低下するからである。加えて、円高不況は税収の低下も引き起こす。総じて、円高は日本経済に悪影 -
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ユーロの歴史とギリシャが債務危機に陥った経緯が語られる。ユーロは欧州内の統合通貨であるがゆえ融通が効かないことがある。例えば、日本の場合不況に陥ったときに国が金融緩和(蓄えている外貨を売って日本円を買う)などの対策を講じることができる。一方、仮にギリシャが不況となった場合、ギリシャは自由に金融緩和政策を行うことはできない。もともとユーロはドイツ・イタリアなどの貿易収支に優れた国とスペインギリシャなどの国の格差を縮めることを目標として導入された。しかしながら結局スペインなどの不動産ブーム等に乗ったのはドイツなどの強国であり自国(スペイン)の成長には繋がらなかった。結果として、格差はますます拡がっ
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今月の衆院選でも争点の一つとなっている金融政策について、円高基調が続く現在の問題点を指摘し、その為の解決策を示しています。とても興味深い内容でした。最近は安倍自民がインフレターゲットを提示して話題となっていますが、結論として政策の方向性としては似ているのかなという印象です。前半部分ではそもそも円高とはどういう状況なのかという基本的な部分の解説から始まり、円高のメリットデメリットを考え、次いで為替レートとはどういうものなのかといったところの解説、そして最後に現在のデフレ問題についてまで経済を語る上で重要な部分が一通り書かれています。特に印象的だったのは、ソロスチャートという中央銀行が供給するマネ
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為替とは何か?
異なる通貨が取引させるときどんなことが起きるのか?
それによって経済は、人々の生活はどう影響を受けるのか?
前半はそんなことを学ぶことができます。
金融の入門書として優れていると思います。
中盤から後半では、より踏み込んで
金融政策によって為替はどう動くのか?
為替の動きによって経済はどう刺激されるのか?
逆に経済の動きから為替の動きをどう予測するのか?
ということを学べます。
クルーグマン教授の著書「さっさと不況を終わらせろ」において、より詳しくより最新の経済を学べますが、知識に自信のない人はこういった入門書を読んでおくと良いかと思います。 -
Posted by ブクログ
為替とGDPの関連性、実行為替レートや外貨準備高など、基本的な金融政策や用語の解説から入り、その価値や有用性について論じてる。
円高はGDP低下と連動してることからどうあがいても悪、インフレ率上昇が景気回復のために必要でありそのためにはマネタリーベースを増大させるべき、という論調。
特に、銀行の準備預金と為替レートが連動してる、という話は面白かった。
この前、円高の有用性に論じてた「間違いだらけの経済政策」を読んだばかりなので、正直どっちがどっちやらわからなくなった。
それでも、量的緩和の効果が今ひとつに感じられるのは、あくまで「日銀の本気が感じられなかった」からで、継続的にマネタリーベー -
Posted by ブクログ
リフレ派の安達 誠司の著作。金融政策のあり方から30年の世界恐慌を見ているので、中学高校の教科書のルーズベルトによるリフレーション政策を「歴史」的に眺め返すにはいい参考になる。
著者によれば、ルーズベルトのTVAやニューディール政策より当時のFRBの金融緩和政策の方が、奏功したとする。そのような観点から眺めた経済本は、中々見かけないので、その点が鮮やかに描き出されることになる。
著者や非金融政策派の門倉 貴史の本では、EUの東欧がスエーデン、アイスランド、などからの融資と引き上げが東欧を経済破壊に向かわせたとしている。
安達 誠司は、EUのの方が、米国より金融危機の影響が大き