【感想・ネタバレ】恐慌脱出 危機克服は歴史に学べのレビュー

あらすじ

2007年のサブプライム・ローン問題から始まるアメリカ発の金融危機は、1930年代の世界大恐慌との類似性を指摘されることが多いが、じつは、それ以上に今回の危機と共通点の多い経済危機が、約100年前にあった。それは「1907年恐慌」だ。サブプライム・ローン問題から世界経済危機に至る「危機の連鎖」はなぜ起こったのか、これから危機はさらに深刻化してゆくのか、そして、危機を克服するためにオバマ政権は何をすればよいのか。本書では「1907年恐慌」と「1930年代の世界大恐慌」の分析から得られた知見に基づいて、これらの問いに対する答えを明らかにする。

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Posted by ブクログ

 リフレ派の安達 誠司の著作。金融政策のあり方から30年の世界恐慌を見ているので、中学高校の教科書のルーズベルトによるリフレーション政策を「歴史」的に眺め返すにはいい参考になる。
 著者によれば、ルーズベルトのTVAやニューディール政策より当時のFRBの金融緩和政策の方が、奏功したとする。そのような観点から眺めた経済本は、中々見かけないので、その点が鮮やかに描き出されることになる。
 
 著者や非金融政策派の門倉 貴史の本では、EUの東欧がスエーデン、アイスランド、などからの融資と引き上げが東欧を経済破壊に向かわせたとしている。
  
 安達 誠司は、EUのの方が、米国より金融危機の影響が大きいとしているが、その見方も至極正当であるのだろうと思う。いずれにしても、実務家が書いたので、EUの方の有様が現実として描き出されていて、参考になった。

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2009年11月07日

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