山本さほのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京三軒茶屋の爽快堂書店が舞台の群像劇。5話からなる連作短編集で、遅番担当のアルバイト5人が各話の主人公として描かれている。
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コミカルで軽い、ラノベ風のお仕事小説かと思って読んだのですが、違っていました。
4話目までの主人公である学生バイト4人は、仕事や人生に対する甘さがあるものの、現代っ子らしい苦悩や未熟さにはリアリティがあり、青春小説としての体を成さしめていました。
そして何より、学生バイトたちの前に立ちはだかる庄野という中年バイト男の存在がいい。
テンション低めで意思疎通も難しそうなのだけれど、さり気なく学生バイトたちをフォローし、それを誇る