第50話〜第55話
新王、即位。
今回特に感じたのが、それぞれのキャラクターの精神的な成長。
まずはなんと言っても、イザナ殿下、改め、イザナ陛下ですよね。御即位、そして御婚約おめでとうございます。この人とっくに王様のつもりでしたけど、そう言えばまだ王子様だったんですね。戴冠式の後はより一層貫禄が増しました。この方が王様なら、きっと、クラリネス王国は安泰ですね。今回彼の台詞で印象に残ったのがハキさんに目付きのことを指摘されての「穏やかに見えないのなら好都合だな」という台詞です。いつも余裕綽々といった様子の彼もやはり若くして王様になることに不安を感じているのかな、と感じさせられました。そしてそんなイザナ陛下の不安をあらわにさせてしまうハキさん。今後この二人のやりとりが俄然楽しみです。
お次にラジ王子。あのバカ王子が、きちんと自分の立場を理解して、その上で白雪と接している姿に感動しました。「私がきみの故郷の王子として きみを見返すつもりだという事も忘れるのではないぞ」忘れませんとも!ラジ王子史上一番の名台詞だと思います。
最後にゼン王子。彼は今回、実に表情豊かだと感じました。もちろん彼は元々表情は豊かな方ですが、戴冠式での兄王に対する笑顔や、国民への笑顔を見て、なんというか、垢抜けた印象を受けました。王子として、イザナ陛下の補佐をする立場として、余裕が感じられます。これからますますかっこよくなるのでしょうね。
しかし、ここでまさかの、白雪、リリアスに異動。離れ離れになる二人の関係が今後どう変わっていくのかとても楽しみです。
今回、戴冠式のシーンが、全く台詞がなく、頭の中で自然に荘厳なBGMが流れ始めました。これぞマンガの魅せ方だなあ。と。
またそれぞれの衣装も細かく鮮やかで、一ページ一ページ、めくるのが楽しかったです。
12巻は、赤髪の白雪姫既刊の中で1番のお気に入りの巻となりました。