友井羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公が元ストーカーで、調査対象がその元ストーカー相手のため、ストーカー規制法が適用されて調査対象に近づけないという逆境シチュエーションがとても興味深く思いました。
能力は優れているのに、それを発揮できない強烈な「縛り」があるというやきもきした状況で、主人公はどうするのか?と考えると、後の展開がとても気になりました。
けれど、作者が以前上梓した「ボランティアバスで行こう」があまりに素晴らしすぎたためか、期待を上回る読後感を感じられませんでした。どうしても一筋縄で終わらないだろうと予想してしまうのですが、そうなるとその予想を超える展開が難しくなるわけで…
それでも及第点以上の面白さはあった -
Posted by ブクログ
何者かに飼い犬のリクを殺された少年光一、実父に疑いを持った光一は父親と法廷で対決する決意をするが……
民事裁判の知識の説明の流暢さ、ライトノベル的な少年の語り口調などとても読みやすくスルスルと読んでいけました。キャラは光一を助ける司法浪人の敦や、義理の母である真希などが印象的。優しさの描き方が巧いのかなあ、と思います。
裁判の過程で命とお金の価値を考える光一の姿は、読んでいるこちら側としてもいろいろと考えさせられました。お金で解決というのは合理的なんだけど、でもどこか矛盾しているんですよね。
作品全体としては少し小ぢんまりとまとまっている感じでオチも予想の範囲内に収まってしまったのですが