岡本由香子のレビュー一覧
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ブリティッシュ・エアウェイズの現役パイロット、マーク・ヴァンホーナッカー氏によるエッセイ集。
子供の頃「パイロットになりたい」と答えた少年はたくさんいると思うが、おそらく彼はその夢をかなえた数少ない人物だろう。エッセイのテーマは自身の仕事内容や、飛行中に空から見える景色の事などなど、現役パイロットならではの目線でありながら、とても詩的に美しく描かれている。
数あるエピソードの中でも興味深かったのが、フライトの際ほとんどのクルーが初対面同士、という事が珍しくないという話だ。約20名の見知らぬ同僚が一丸となって、大勢の乗客の大切な命を預かり、快適な空の旅のために働いているという事実には、チョット驚いてしまった。
ヴァンホーナッカー氏が出会った機長の中で、規定の乗務記録以外に個人的な日誌を書いている方がいる。二度と同乗できないかもしれない、同僚たちとの思い出を書き留めておくためだ。
どうやら空旅での一期一会は、ロビーを行き交う旅人だけのものではないらしい。 -
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米マサチューセッツ州生まれの、ブリティッシュ・エアウェイズでボーイング747を操縦する現役のパイロットが、空を飛ぶことの魅力を語り尽した作品。
原書『Skyfaring:A Journey with a Pilot』は2015年6月に出版され、A New York Times Notable Book of 2015、An Economist Bestseller and Best Book of 2015、A Wall Street Journal Best Book of 2015、BBC Radio Book of the Week、A Bloomberg Best Book of 2015などの高評価を受け、サン=テグジュペリの『夜間飛行』以来の名作と記す書評もある。
著者は、当初エアバスで短中距離フライトに携わった後、2007年からボーイング747で中長距離フライトを担当し、ロンドンを拠点に、欧州・中東・北アフリカの各都市、東京、ニューヨーク、シンガポール、ハワイ、ケープタウン、シドニー、デリー、リオデジャネイロ、香港、サンフランシスコ、バンコクなど世界各地に飛んでおり、本書でもそうした地名が随所に登場して旅情をそそられるが、本書の魅力はむしろ別のところにある。
それは、本書の、1.Lift(持ちあげる、あがる、高まる)、2.Place(場所、空間、住所)、3.Wayfinding(進む方向を決めること)、4.Machine(機械、装置、仕組み)、5.Air(空気、大気、無)、6.Water(水、海、川)、7.Encounters(出会い、遭遇)、8.Night(夜、闇)、9.Return(帰る、戻る、復帰する)という章立てに示されるように、パイロットとして航空機を操る楽しさ、地球上を短時間で移動することの驚き、航空機のメカニックの神秘、地上と異なったルールの支配する空の王国の面白さなどが、縦横無尽に語られているところである。そして、それが、ときに詩的なロマンティックな表現で、また、ときに科学的なロジカルな説明で描かれているところに、更に引き込まれるのである。
著者が航空機に魅せられたのは、13歳のときに自宅近くの国際空港で、中東から来た旅客機を見たときで、そのときの気持ちを、「昨日、私が寝ているとき、あのアラビアの旅客機はヨーロッパのどこかの空港で給油をしていたかもしれない。さらにその前はアラビア半島にいたのだ。・・・あの扉の向こうに、旅客機が見てきた一日が詰まっているのだろうか。地球儀に記された遠い場所の名残が、たとえばジッダとか、ダーラン、それにリヤドの景色が、閉じ込められているのかもしれない」と書いているが、このぞくぞくする感覚こそ、世界を股に掛ける仕事、それを自らの手で行い得るパイロットの魅力の原点であるように思う。
次に海外へ行く機会には、間違いなく本書を思い出して、前回のフライトとは違った思いを抱いて飛行機に乗り込むことだろう。
(2016年3月了) -
Posted by ブクログ
65歳の定年まであと1年。仕事に、金銭面に、考えなくてはいけない段階。
そこで出会ったこの本。期待したのだが、たいしたことなかった、。。
下記目次に書いてある通り。
貯蓄、住宅、年金、支出、医療費、遺言状、、
もうすでにいろいろ学んでいるんだよね。
むしろ、ものの考え方について教えてくれる本かと思ったが、きわめて実践的。
そのくせ日本の仕組みとは違う点も多々あり、、、まとめだけ読んでも大丈夫
私は親の相続もとっくに済ませていて、、、どこに何があるか、何か月もかかった
これはほんと、わかっているほうがいい。
というか、自分の娘たちにしっかり書き残さねば、とは思うものの、、、
なかなか難しいものだ。まあ、大した財産はないわけだけど。
こまごまあるはあるからな。
そもそもWEBがらみをどうしたものか。。。これは本にはなかったけど。
しかし、長生きのために節約倹約してやりたいことを我慢するのはおかしい、
というのは納得。
やりたいことをやらんで何の人生か。
稼げばいいのだ。人の役に立って!
目次
序文:ジョナサン・クレメンツ
はじめに
レッスン1:マイケル・フィンケ リタイア生活を具体的にイメージする
レッスン2:フリッツ・ギルバート 下準備が大事
レッスン3:ローラ・カーステンセン 他者との関係を育む
レッスン4:メアリー・ベス・フランクリン 社会保障年金を最大限に活用する
レッスン5:デイヴィッド・ブランシェット リタイア生活の支出変化を理解する
レッスン6:ジョナサン・ガイトン 支出計画を立てる
レッスン7:ラミット・セティ 自分にとって意味あることにお金を使う
レッスン8:ウィリアム・バーンスタイン リタイア生活の資産配分(アセット・ロケーション)
レッスン9:ジェイエル・コリンズ シンプルな投資プランを貫く
レッスン10:クリスティン・ベンツ キャッシュ・フローを生むポートフォリオ
レッスン11:マーク・ミラー 賢い住宅選び
レッスン12:マリア・ブルーノ コントロールできることに集中する
レッスン13:ジェイミー・ホプキンズ リタイア生活に必要な柔軟性
レッスン14:キャロライン・マクラナハン 医療費を準備する
レッスン15:ジーン・チャツキー 女性のリタイア事情
レッスン16:キャメロン・ハドルストン 家族で話し合う
レッスン17:ジェニファー・ロゼル エステート・プランを作成する
レッスン18:ジョーダン・グルメット 後悔しない生き方
おわりに -
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ネタバレ絵画の鑑賞方法というよりは、絵画の鑑賞を通して観察力を磨くことを目的としている。
見ているようで見ていないということは、よくあることだ。
それを意識的に絵画を鑑賞し、優先順位をつけて説明することで、観察力を磨き、他人にわかりやすく伝えることができるようになる。
絵画にはさまざまな情報が含まれている。絵そのものだけでなく、額縁も重要だ。また、さまざまな視点を考えてみるのも有効だという。
絵画の情報を、主観をとりのぞいて鑑賞し、誰がいつどこでなにを、などの情報を収集する。絵画から得られた情報だけでなく、欠けているものはなにか、ということについても考察する。
私達は主観をまじえて物事を判断しがちだ。そして、自分のバイアスによってフィルターをかけてしまい、物事が見えなくなることすらある。物事を冷静に判断するための訓練として絵画を見るということは有効だ。 -
Posted by ブクログ
たまには文化的教養も身につけねばということで、最も苦手な部類である絵画に関する著書を読んでみた。その名も「観察力を磨く名画読解」。しかし、読んでみると、人間の認知のメカニズムなどにも触れながら観察力をどう身につけるかについて、解説しており、美術の解説書ではなく、ビジネス書といった方がふさわしい内容であった。今朝オーディオブックで自助論を聴いていたら、細部の重要性を説く一節があったが、本書はまさに細部の観察が、時に生死をわけることもあるほど重要であることを語っている。
「幸いにも、脳は生まれてから死ぬまで、学びによって新しいシナプス接続をつくり、古い接続を強化することができる。つまり学びつづけるかぎりさびないのである。新しいことを学んだり、深く考えさせられる内容の本を読んだり、いわゆる脳トレのたぐいで外的な刺激を与えたりすると、すべての年代で大脳皮質のシナプスが増えることが判明しており、これは非常に高齢な人も例外ではない。」
「…仕事で成功したいなら、他人が自分と同じようにものを見て、理解していると思ってはいけない。自分の見方が正しいかどうか疑うことをやめてしまったら、隠れた事実を見逃す危険性がある。」
「私も細部を見るための戦略にCOBRAというコードネームをつけた。…
COBRAの文字はそれぞれ、紛れているもの(Camouflaged)、ひとつ(One)、休憩(Break)、見直し(Realign)、意見を聞く(Ask)を意味している。つまり細部を見る際は、紛れているものを探し、ひとつの仕事に専念し、疲れたら休憩をとって、期待を見直し、他社の意見を聞くことが大事なのである。」
「脳の機能を低下させないためには、ひとつの仕事に専念することだ。こうしたやり方は”モノタスク”とか”シングルタスク”と呼ばれ、ビジネス界でも注目されはじめている。気を散らすものを閉めだして、コンピュータを閉じ、電話が鳴っても無視して、観察だけに専念しよう。」
「発見とは、みんなと同じものを見て、誰も考えなかったことを考えること。」
「あるべきものがないことを説明に加えれば、話を聞いた人が状況を誤解する可能性が低くなる。陰性所見を意識的に織り交ぜることで、情報の正確性が増すのだ。」
「メッセージを確実に届けるためにもうひと工夫、三つのRを実践しよう。リピート、リネーム、リフレイムである。」
「いちばん大事なのは、どんなに腹が立っても感情のままに言い返したり、返事を書いたりしないことだ。自分が感情的になっているのに気づいたら、相手のいないところで怒りたいだけ怒っていやな気持ちを発散し、あとはこだわらないようにする。侮辱されて(立場が上の人から侮辱された場合はとくに)、感情的になるなといわれても難しいだろうが、仕事を前進させ、相手の敬意を勝ちとるためには、ほかに道はない。
相手がいつまでも感情的になっている場合は、あなたのほうから歩み寄らなければならない。主観的な主張は無視して、事実のみに焦点を合わせよう。批判に対して自分を防御するのは構わないが、批判に含まれた感情に惑わされないこと。侮辱されて反論しなかったからといって、人間として劣っていると思われることはない。むしろ逆だ。」
「大事なのは―
●全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと
●複雑さを恐れないこと。結論を急がないこと
●疑問を持つ心を忘れないこと
●客観的事実だけを扱うこと」 -
Posted by ブクログ
飛行機好きとしては、これは読まないといけない!と思って読んだ本。
かなり期待して読んだのに加え、ニューヨーク・タイムズのベストセラーとか、エコノミスト誌の年間ベスト・ブックとか書いてあって自分の中でもハードルが上がってしまったのもあると思うのですが、読み終わった感覚は、悪くないのですが周りに物凄くオススメするほどじゃないかなと。
旅客機のパイロットが書くエッセイとしては、日本人パイロットが書いているより親切な本が何冊もあって、翻訳という壁が1つあることも考えると、この本を楽しむなら原語の方が良いのではないかと思います。
BAの747パイロットの著者による溢れる飛行機愛や、フライトにまつわるステキなエピソードなどが綴られた本で、表現の美しさは群を抜いてるんじゃないかと思います。ただ、それゆえに引用なんかも多く、サン=テグジュペリより向こうの話になるとどうもついていけなかったり。
文章もあまりスーッとは入ってこない感じで、一部翻訳もちょい違うのでは?と思った箇所もあり(サマルカンドは、アレクサンダー大王とチンギス・ハンが陥落「した」都じゃないと思う…)、少々ストレスを感じました。