あらすじ
雲の向こうは、信じられないほど感動に満ちている。パイロットが最も心動かされる上空からの眺めは? 雲の中へ飛び込むのってどんな感じ? 航空図に残された秘密のメッセージとは? 旅客機は離陸の前に“瞑想”する!? 日々ボーイングを飛ばして世界をめぐる現役パイロットが、愛してやまない大空と、その果てしないロマンについて語り尽くす。ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー、エコノミスト誌の年間ベスト・ブック。
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Posted by ブクログ
飛行機好きには、とても面白かった。
アルファベット5文字のウェイポイント、無人のフライトでファーストクラスで昼寝た話や、乗客にいつもご飯をお裾分けするご近所さんが乗っていた話やなどなど
パイロット、副パイロット、その日にはじめましてで二度と会うことがないかもしれないのに12時間フライトを共にするって不思議な感じ。
1度会ってそれっきり。しかも空の上で過ごす。んsんて、パイロットならではのエピソードだなと思った。
無線でのやり取りも面白かった。
夜間飛行で機内からオーロラが見えた話も素敵だった。
飛行機好きには最高の本だった。
パイロット目線の素敵な世界を垣間見れた。✈︎♡
Posted by ブクログ
飛行機に乗りたくなる! 猛烈に。
曇っていたり雨だったり嵐だったりしても、その遥か上空には光が溢れている…と思うと、確かになんだか安心するよ、いい気分になるよ。
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[空の旅、夢の旅]空を飛ぶことの魅力を、旅を共にする人々との思い出や飛行にまつわる自然現象にいたるまで、現役パイロットがあらゆる観点から語り尽くした作品です。著者は、空の旅を心から愛することが本書から伝わってくるマーク・ヴァンホーナッカー。訳者は、航空自衛隊の管制官としての経験を持つ岡本由香子。原題は、『Skyfaring』。
空を飛んだことがある人はもちろんのこと、空を飛んだことのない人をも幻想的な世界に誘ってくれるであろう詩的な一冊でした。また、意外と知らない空や飛行機に関する知識も楽しみながら増やすこともできるかと。空旅のお供にぜひオススメしたい作品です。
〜大勢の人が地上を離れて紺青の海を越え、別の地点へ移動できる現代になっても、私たちは思っているほど飛ぶことに慣れていない。〜
表紙もイイですよね☆5つ
Posted by ブクログ
空の旅では何度か大変な目に遭っている。
1度は羽田空港から伊丹空港へのフライト。客室のモニターには横殴り
の雨で滑走路さえも見えない画像が映し出されていた。無事着陸した
時には私も含め、乗客のほとんどかが自然と拍手をしていた。
2度めは羽田空港から真冬の新千歳空港。最終便で新千歳に到着した
後は電車で苫小牧まで移動する予定だったのだが、積雪の影響で
しばらく新千歳上空で待機したのちに羽田に引き返した。
そして、羽田に戻ったら「再度、別の機体で新千歳に飛びます。ただ、
着陸が出来ないようなら三沢に居ります」のアナウンス。三沢に降ろさ
れても困るんだよ~。どうか新千歳に降りてくれと思っていたら、願い
が通じたのか。真夜中に新千歳に着陸した。ただし、当日中の移動は
断念したが。
ロシアの国内線ではアエロフロートのボロい機体に唖然。手荷物棚の扉が
きちんと閉まらなくてガムテープで留めているし、一度などは着陸直前
に窓から外を見ていたら翼の一部が後方へ飛んで行って目が点になった。
さすが恐ロシア。何事もなかったようにサンクトペテルブルクに到着し
ていたが、あの機体、その後どうなったのだろう。ちゃんと点検して
るよね?
大空を飛んで、いろんな場所へ私たちを運んでくれる旅客機。その現役
パイトロットが綴ったエッセイが本書だ。現役パイロットの作品でも
航空業界の内幕話ではない、
著者が何故、パイロットになることになったのかの経緯から始まり、
操縦席から見た空や陸、海の風景、飛ぶことの楽しさ、滞在地でど
のような時間を過ごしているかなどが、詩的で美しい文章で記され
ている。
私は飛行機に乗る際はなるべく窓側の席を希望するが、客室の窓小さい
窓から見る風景と、操縦席で真正面から見る風景では全然違うのだろうな。
特に著者のような長距離便のパイロットだと、飛行経路によって1回の
フライトで昼と夜だけではなく、いろんな気象状況を体験するのだろう。
ドラマや映画の中で旅客機の中で急病人が出て、客室乗務員が「お客様の
なかにお医者様はいらっしゃいませんか?」なんて場面がある。著者の
経験では実際にこのような状況があっても医師がまったくいないことは
なかったそうだ。
また、万が一、機内で出産があった場合に備えて、専用の書類が常備され
ているとか。たまたまお医者様が乗っていないフライトに乗り合わせて
しまったら、それは外れってことか。
私は一度だけ、機内からオーロラを見たことがある。あの時はぞっと
そのままオーロラの見える場所を飛んでいて欲しいと思ったわ。
ああ…飛行機に乗りたい。それも長時間のフライトになる国際線に。
そうして、空の上から地中海に点在する島々を眺めたい。きっと
宝石箱のように感じるんだろうな。
Posted by ブクログ
空を飛ぶことを感性豊かに表現しており、飛行機好きにはたまらない。
翻訳された日本語もかなり美しいのだが、原語もきっと美しい表現なのだろう。
『夜の始まりはとても暗い青で、日の入りの方角と反対側の水平線付近に広がっている。ある天文学者の母親は、それを「夜の毛布」と読んだ。私たちの目の前で、夜の毛布が世界を覆っていく。崇高なダークブルーの帯は、沈みゆくタイヨウからの離れれば離れるほど幅が太くなる。(271ページ)』
と、こんな感じで飛行とそこから見える景色と感覚が表現されている。
Posted by ブクログ
福岡のブックスキューブリックで購入。
夏の旅を意識した選書だなー。
ハワイ島への旅に持参。正直とても読みづらくて、なかなか進まない、通読するのではなくて、あちこちひろい読みするのがよさそうである。
鳥葬の行われる場所はずっと上空まで制空圏になっていることとか、空の地図のこととか、興味深い。
Posted by ブクログ
パイロットが書いた小説。空の上で繰り広げられるドラマが描かれている。パイロットが何を考えて飛んでいるのか、コクピットではどんな会話がされているのか、なぜパイロットになったのか、など。ただ翻訳なので読みにくさがあるのが難点であり、またけっこうな厚さがあるので細切れに読むとかなり時間がかかります。
ただ筆者は東京にも住んだことがあったそうで、日本の話などもあり身近な感じで読めました。
Posted by ブクログ
ブリティッシュ・エアウェイズの現役パイロット、マーク・ヴァンホーナッカー氏によるエッセイ集。
子供の頃「パイロットになりたい」と答えた少年はたくさんいると思うが、おそらく彼はその夢をかなえた数少ない人物だろう。エッセイのテーマは自身の仕事内容や、飛行中に空から見える景色の事などなど、現役パイロットならではの目線でありながら、とても詩的に美しく描かれている。
数あるエピソードの中でも興味深かったのが、フライトの際ほとんどのクルーが初対面同士、という事が珍しくないという話だ。約20名の見知らぬ同僚が一丸となって、大勢の乗客の大切な命を預かり、快適な空の旅のために働いているという事実には、チョット驚いてしまった。
ヴァンホーナッカー氏が出会った機長の中で、規定の乗務記録以外に個人的な日誌を書いている方がいる。二度と同乗できないかもしれない、同僚たちとの思い出を書き留めておくためだ。
どうやら空旅での一期一会は、ロビーを行き交う旅人だけのものではないらしい。
Posted by ブクログ
米マサチューセッツ州生まれの、ブリティッシュ・エアウェイズでボーイング747を操縦する現役のパイロットが、空を飛ぶことの魅力を語り尽した作品。
原書『Skyfaring:A Journey with a Pilot』は2015年6月に出版され、A New York Times Notable Book of 2015、An Economist Bestseller and Best Book of 2015、A Wall Street Journal Best Book of 2015、BBC Radio Book of the Week、A Bloomberg Best Book of 2015などの高評価を受け、サン=テグジュペリの『夜間飛行』以来の名作と記す書評もある。
著者は、当初エアバスで短中距離フライトに携わった後、2007年からボーイング747で中長距離フライトを担当し、ロンドンを拠点に、欧州・中東・北アフリカの各都市、東京、ニューヨーク、シンガポール、ハワイ、ケープタウン、シドニー、デリー、リオデジャネイロ、香港、サンフランシスコ、バンコクなど世界各地に飛んでおり、本書でもそうした地名が随所に登場して旅情をそそられるが、本書の魅力はむしろ別のところにある。
それは、本書の、1.Lift(持ちあげる、あがる、高まる)、2.Place(場所、空間、住所)、3.Wayfinding(進む方向を決めること)、4.Machine(機械、装置、仕組み)、5.Air(空気、大気、無)、6.Water(水、海、川)、7.Encounters(出会い、遭遇)、8.Night(夜、闇)、9.Return(帰る、戻る、復帰する)という章立てに示されるように、パイロットとして航空機を操る楽しさ、地球上を短時間で移動することの驚き、航空機のメカニックの神秘、地上と異なったルールの支配する空の王国の面白さなどが、縦横無尽に語られているところである。そして、それが、ときに詩的なロマンティックな表現で、また、ときに科学的なロジカルな説明で描かれているところに、更に引き込まれるのである。
著者が航空機に魅せられたのは、13歳のときに自宅近くの国際空港で、中東から来た旅客機を見たときで、そのときの気持ちを、「昨日、私が寝ているとき、あのアラビアの旅客機はヨーロッパのどこかの空港で給油をしていたかもしれない。さらにその前はアラビア半島にいたのだ。・・・あの扉の向こうに、旅客機が見てきた一日が詰まっているのだろうか。地球儀に記された遠い場所の名残が、たとえばジッダとか、ダーラン、それにリヤドの景色が、閉じ込められているのかもしれない」と書いているが、このぞくぞくする感覚こそ、世界を股に掛ける仕事、それを自らの手で行い得るパイロットの魅力の原点であるように思う。
次に海外へ行く機会には、間違いなく本書を思い出して、前回のフライトとは違った思いを抱いて飛行機に乗り込むことだろう。
(2016年3月了)
Posted by ブクログ
飛行機好きとしては、これは読まないといけない!と思って読んだ本。
かなり期待して読んだのに加え、ニューヨーク・タイムズのベストセラーとか、エコノミスト誌の年間ベスト・ブックとか書いてあって自分の中でもハードルが上がってしまったのもあると思うのですが、読み終わった感覚は、悪くないのですが周りに物凄くオススメするほどじゃないかなと。
旅客機のパイロットが書くエッセイとしては、日本人パイロットが書いているより親切な本が何冊もあって、翻訳という壁が1つあることも考えると、この本を楽しむなら原語の方が良いのではないかと思います。
BAの747パイロットの著者による溢れる飛行機愛や、フライトにまつわるステキなエピソードなどが綴られた本で、表現の美しさは群を抜いてるんじゃないかと思います。ただ、それゆえに引用なんかも多く、サン=テグジュペリより向こうの話になるとどうもついていけなかったり。
文章もあまりスーッとは入ってこない感じで、一部翻訳もちょい違うのでは?と思った箇所もあり(サマルカンドは、アレクサンダー大王とチンギス・ハンが陥落「した」都じゃないと思う…)、少々ストレスを感じました。