岡本由香子のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
読むだけで、目が新しくなる。
観察、分析、伝達、応用、の4部にわけて、観察するとは何か、を抽象的な理論と具体的な事例を交えて解説する。
観察力が高いと、ホテルの石鹸が廃棄されていることに気づける。その気づきが発展途上国の衛生面を向上させることにつながる。観察力が低いと、客観的事実ではなく主観的な意見に基づいて行動してしまい、最悪の場合罪のない人を傷つけてしまうケースに発展することもある。
見えないものが見えるようになるだけでなく、見た事実を伝える時の言葉選び、観察力を日常にどう応用していけば良いか、も本書で構成されているのが個人的に好きな部分。
アートにはあまり興味がなかったがこの本は楽し -
Posted by ブクログ
アートは観察力を磨くのに最適である、待ちゆく人を観察して予測しても、答え合わせはたいてい出来ない。一方、アートなら、どのような意図を持っているか、情報などを予測して、答え合わせまで出来る。観察の最適な練習素材である。
アートは人によって見え方が違う。アーティストが特定の感情や風刺を込めなくても、鑑賞者がそれを感じ取ることがある。この時自分と異なる見方を受け入れることが出来れば、知覚の差を埋めることが出来る。知覚フィルターの存在を知っているだけでも齟齬や誤解を避けられるし、他人が自分と同じように見ないことに腹をたてずにすむ。事実、他人は自分と同じようにものを見ない。同じように見るはずがない。あな -
Posted by ブクログ
アートを観ることを通して観察力や注意力を向上させるという本。実際にFBIその他の研修もやっていて効果があるのが窺えるし、自分自身も見てるようで見ていないことが多々あるのを実感。
まずは観察。人が気づかないことに気づけるか。フィルターを意識し、憶測はせずに見たものを見たままに認識する。
次に分析。現場へ行き、五感を活用し、他者の意見に耳を傾ける。
そして伝達。見たものをそのまま描写するのは実は難しい。意識的に客観的な表現に徹し、思ったことではなく見たことを言葉にする。聞き手のことを考える。
また美術館に行った時に見方も変わってくるかなと思う。 -
-
Posted by ブクログ
飛行機好きには、とても面白かった。
アルファベット5文字のウェイポイント、無人のフライトでファーストクラスで昼寝た話や、乗客にいつもご飯をお裾分けするご近所さんが乗っていた話やなどなど
パイロット、副パイロット、その日にはじめましてで二度と会うことがないかもしれないのに12時間フライトを共にするって不思議な感じ。
1度会ってそれっきり。しかも空の上で過ごす。んsんて、パイロットならではのエピソードだなと思った。
無線でのやり取りも面白かった。
夜間飛行で機内からオーロラが見えた話も素敵だった。
飛行機好きには最高の本だった。
パイロット目線の素敵な世界を垣間見れた。✈︎♡ -
-
-
Posted by ブクログ
星4.6
刑事系探偵小説における観察力について考えている時に、当時発売されたばかりの『独学大全』に言及があったのをみつけて手に取った。
日々の観察の前提を変えさせられる内容だった。まず (1) 目の前に鎮座してあるはずのものを正確に漏れなく言語化することの、"思った以上の"難しさを知ることができた。次に、(2) 見えているものを"正確に、客観的に(主観的な価値判断になりうるまのを廃して"言語化することの難しさを思い知らされた。そして、(3) 見えるものに対して道徳的に「見てはいけないかもしれない」「考えてはいけないかもしれない」要素が含まれていたとし -
Posted by ブクログ
世界の見方が一気に広がる。
「見える」じゃなくて「見る」を徹底する。主観を排除し、客観的に。自分が日常的に色々なことを見落としてることを突きつけられる。
木を見て森を見ないこともあれば、森を見て木を見ないこともある。
それらを集約的に我々に伝え、啓蒙してくれる存在がアートだ。幸いにも美術史家の業績によって、我々はアートであれこれ考えたことの、ある種の答え合わせが可能。
アートを眺めながら、日々「見る」姿勢で過ごしてみる。道端に生えた一本の花もしっかり「見る」ことできっと日常がより一層色鮮やかになる。
日進月歩ではあるだろうが、きっと大きな閃きへと繋がるはず!
-
Posted by ブクログ
社会で活躍していくためには違いを見つけることが大切で、それを磨く方法の一つが"客観的な観察力"である。
観察力は、すでに答えが分かっている、美術作品を観察することで鍛えることができる。と冒頭で述べ、様々な分野の芸術作品から、適切に観察する方法を伝えていく。
観察、分析、伝達、応用の4ステップで展開することで、ただ見るだけでなく、伝えるところまで書かれているところがこの本の特筆すべき点だ。
また、途中に、実践編として、作品から読み取る課題がいくつもある。大切なことを噛み砕いて伝えながらも、頭でっかちにならないように、使える知識になるように工夫が施されている。
観察力を -
Posted by ブクログ
「知覚の技法」セミナー講師による
「観察力を磨く」ための本。
日常生活が毎日変わり映えしないなーと
感じてた時に感動した1冊。
「アートを教材にすれば、複雑な状況はもちろん、
一見すると単純だが実は深い意味を持つ場面も
分析できる。」
「大人になるということは、
複雑な世界の成り立ちに無感動になり、
斬新で、革新的で、緊急度の高いものだけに
目を奪われることでもある。」
観察力を磨くために多くの「気付き」を促し、
分かったつもりだけに
ならないよう趣向が凝らされている。
分析や伝達をテーマにしている本は多いけれど
観察がテーマの本は少ないし、押し付けがましくなく
誘導してくれるような構成に楽し -
Posted by ブクログ
・まず自分の見で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る
・自分がいる場所や、分析しようとする場面の状況について、事物の配置を押さえることは重要だ。不測の事態が起きたときなど、それで命拾いするかもしれない
・なんでもない場面に隠れている平凡なものをきちんと見るには、意識して注目しなければならない。意識しないとスルーしてしまう。そうならないために二度見ること。まず全体を見わたす→改めてひとつひとつを見直す→できるなら見る角度を変える
・ひとりひとり見方はことなるので、観察の際は第三者の助けも有効
・観察をするときは、あるべきものがないことを発見することも重要
・自分が知らない -
-
-
Posted by ブクログ
[空の旅、夢の旅]空を飛ぶことの魅力を、旅を共にする人々との思い出や飛行にまつわる自然現象にいたるまで、現役パイロットがあらゆる観点から語り尽くした作品です。著者は、空の旅を心から愛することが本書から伝わってくるマーク・ヴァンホーナッカー。訳者は、航空自衛隊の管制官としての経験を持つ岡本由香子。原題は、『Skyfaring』。
空を飛んだことがある人はもちろんのこと、空を飛んだことのない人をも幻想的な世界に誘ってくれるであろう詩的な一冊でした。また、意外と知らない空や飛行機に関する知識も楽しみながら増やすこともできるかと。空旅のお供にぜひオススメしたい作品です。
〜大勢の人が地上を離れて -
Posted by ブクログ
絵画を通じて観察力を磨く技法を身につけるための本。
ここで言う観察力とは状況を俯瞰的に、詳細にそして客観的に捉え分析し、適切に言葉で表現することまでも含んでいる。つまり、目で捉えた情報を自己完結させるだけでなく、他者に正確に伝えることまでをも射程に入れている。観察するのみで伝える技法をなおざりにしては、生死をも左右しかねない重大な局面の判断の成否を決めかねないからだ。
このような観察から分析、伝達までの一連の過程で鍵を握るのは、いかに客観的でいられるかであるように思う。絵画を観察するにしても人によって注目するポイントや絵から感じ取る印象が変わるように、人間にはその人の経験や文化慣習、思想な -