【感想・ネタバレ】観察力を磨く 名画読解のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月11日

アートは観察力を磨くのに最適である、待ちゆく人を観察して予測しても、答え合わせはたいてい出来ない。一方、アートなら、どのような意図を持っているか、情報などを予測して、答え合わせまで出来る。観察の最適な練習素材である。
アートは人によって見え方が違う。アーティストが特定の感情や風刺を込めなくても、鑑賞...続きを読む者がそれを感じ取ることがある。この時自分と異なる見方を受け入れることが出来れば、知覚の差を埋めることが出来る。知覚フィルターの存在を知っているだけでも齟齬や誤解を避けられるし、他人が自分と同じように見ないことに腹をたてずにすむ。事実、他人は自分と同じようにものを見ない。同じように見るはずがない。あなたの見方は、あなただけのものである。
ものを見た時の感じ方は経験に影響される。経験は知覚フィルターの基礎である。
事実を追求する時は、主観的な意見と客観的な意見を区別することが大切だ。
よくある知覚フィルターとして
見たいものを見るというものがある、確証バイアスなどが細かな印象を変える。
見ろと言われたものを見ることなどがある
ものを見る前に情報を与えられると、事実をそのまま理解しづらくなる。物事を正確に理解するには、できるだけ多くの情報を集め、できるだけ多くの視点で見ることが大事だ。得た情報を整理し、優先順位をつけ、意味を解読する。タイトルや箇条書きなどはあとでいい。
まず自分の目で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る
で良い。基本は自分の目で見ることが大切である。2度見ること!
変化に気づけない
変化盲とも言われた、たとえば毎日木は変化しているが少しずくのため気付かないなど、少しずつの変化には気づきづらい。
自分が色眼鏡をしていると気づくことで色眼鏡が外せる。
情報の山から裏付けの取れた事実だけを抜き出すには、実際の経験、観察に基づいて確かめた事項である事実を集めなければならない。ものを見る際はポイントとなる情報があり、誰が関係していて、何が起きていて、それはいつ、どこでおきたのかを把握すると全体像がつかみやすい。
状況を正確に理解するためにはできるだけ多くの客観的事実を集めなければならない。
些細な情報を見逃すのは、こうあるべきという期待が強すぎるから。
細部の情報を見つけられるようになったら、細々としたことにこだわるあまり、全体像を見失わないように注意する。
説明の際は「絵を描く」ように説明する。その際にカンバスが真っ白だということに気をつけるべき。他の人には自分が書いた線や色しか見えない。
物理的視点を変えるのも観察において重要。
五感を使って観察・分析することも大切、吸収できる情報が増える、たとえ絵であっても、五感というフィルターを通すことで情報を吸収するための取っ掛かりになる。
他者の視点に変えてみるというのも観察・分析するうえで重要、人の視点を使うことで読み取れる情報が借りた人の視点×分だけ増える。具体的手法として有名人の視点を借りるというのも有用、有名人の視点を使うことで自分にないしてんで観察・分析出来る。
自分の世界について誰かに説明する時は、当たり前と思っていることも省かないように。情報をもれなく伝えるために次の質問をすべし
・省いた情報はないか?
・私にとって当たり前のことはなんだろう?
・違う世界からきた人が、私の世界について知らないことはなんだろう?
観察して情報を集めるのも大切だが、その情報の優先順位をつけるのもまた大切。集めた情報の中から重要度の高いものを抽出するために有用な三面アプローチというものがある。「私は何をしっているか?」「私は何を知らないか?」「私は何を知らなければいけないか?」というものである。最小限の手間と時間で答えを得るためには、1番多くの解が得られそうな疑問に集中すべきである。
情報に優先順位をつける時は、緊急度と重要度に気をつける。
優先順位はその人の人となりを雄弁に語る。情報の優先順位は自分という人間を反映している。観察結果を伝える際は、特定の情報がどうして優先度が高いと思うのか、説明できるようにしておくと良い。
メッセージを確実に届けるために、3つのRという考え方がある。
リピート 口頭で繰り返してもらう、もしくは、聞き手に対して、難しい点、簡単な点を聞き理解を深めさせる。
リネーム 名前を変えて伝えたいことを伝わるようにする。
リフレイム 認識を変える、視点を変えるメッセージを入れる。
不快な内容を伝える際は、思ったことではなく、見たものを伝える。
突きつけられた事実があまりに惨たらしかったり、信じられなかったりすると、人は情報を遮断する。心理学ではこれを「意図的盲目」と呼ぶ。
感情にのまれて論理的に考えられない時は、観察で使ったポイント(誰が、何を、どこで、いつ)を使って状況を整理。
不快感や嫌悪感を感じたら、主観的なそれらの感情を吐き出すことも重要、そうすれば冷静に客観的な分析を始める事ができる。
白熱した議論で、苦境に立たされたときにも3つのRが役に立つ。
リピート
自分の発言を復唱して伝わったかどうか確かめるのにも使える。議論が白熱した時には、相手の発言を繰り返すことで白熱した議論をおさめる。互いの考えを繰り返すことで、互いに対する理解を深め、相手がどのように世界を見ているかについて理解を深めれる。
リネーム
責任のなすりつけ合いから逃れる方法として、名前をつけ直すという手がある。全部ひっくるめて名前をつける。そうすることで解決策、再発防止策などこれからのことを考えられる。
リフレイム
懸念事項は、角が立たないように質問として投げかけると良い。一方が問いかけ、もう一方が答えるので必然的に会話が成立する。質問にすれば、相手に選択肢と逃げ場が提供できる、自分自身も誤った情報や憶測に基づいて結論を急がずにすむ。
感情に支配されそうになった時は、冷静に主観情報と客観情報を分けて考えてみる。
バイアスを上手に利用する3つのルールとして、

バイアスを自覚し、悪いバイアスは排除する。

バイアスと事実を混同しない。バイアスは、事実を見つける道具と心得る。
バイアスは事実の裏付けにはならず、経験や感情から生じるバイアスがあると、一方が他方よりも好ましく見える、しかし、それはどちらが正しいとか優れているという根拠にはならない。バイアスは、視野を広げるための基準点と捉えると良い。

結論を第三者に聞いてもらう。
自分のバイアスは身近すぎる上、無意識の領域にあって捉えづらい。第三者に確認してもらう。自分が導いた結論を他者に話して、役立つかどうか確認する。バイアスを上手く利用する。



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Posted by ブクログ 2022年10月07日

アートを観ることを通して観察力や注意力を向上させるという本。実際にFBIその他の研修もやっていて効果があるのが窺えるし、自分自身も見てるようで見ていないことが多々あるのを実感。
まずは観察。人が気づかないことに気づけるか。フィルターを意識し、憶測はせずに見たものを見たままに認識する。
次に分析。現場...続きを読むへ行き、五感を活用し、他者の意見に耳を傾ける。
そして伝達。見たものをそのまま描写するのは実は難しい。意識的に客観的な表現に徹し、思ったことではなく見たことを言葉にする。聞き手のことを考える。
また美術館に行った時に見方も変わってくるかなと思う。

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Posted by ブクログ 2022年02月05日

\観察力が確かに磨かれる一冊/
名画の知識を高めるというより、名画を観察する中でメソッドを学ぶ本。

事実と意見を分ける、というのはなんとなく知っていたけど、観察→分析→伝達と順に学ぶ中で本質的にそれを理解できたように思う。

なぜそれが起きたのかに捉われすぎず、今ある情報に集中して最善を尽くす等、...続きを読む大事な考え方を学ぶことができた。

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Posted by ブクログ 2021年09月03日

学術的ではないけども,観察次第でその後の結果が変わってくるということがよく分かる。面白かったからまたいずれ読む!

『知覚力を磨く』はこの本のダイジェスト版のように感じます。

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Posted by ブクログ 2021年04月26日

物事の捉え方を学んだ。
人間は何となくで世界を認識しているんだと気付かされた。目の前の人や日常の出来事も、名画を観察するように捉えれば、新たな発見に満ちているかもしれない。

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Posted by ブクログ 2020年11月02日

星4.6

刑事系探偵小説における観察力について考えている時に、当時発売されたばかりの『独学大全』に言及があったのをみつけて手に取った。

日々の観察の前提を変えさせられる内容だった。まず (1) 目の前に鎮座してあるはずのものを正確に漏れなく言語化することの、"思った以上の"難...続きを読むしさを知ることができた。次に、(2) 見えているものを"正確に、客観的に(主観的な価値判断になりうるまのを廃して"言語化することの難しさを思い知らされた。そして、(3) 見えるものに対して道徳的に「見てはいけないかもしれない」「考えてはいけないかもしれない」要素が含まれていたとしても、なお客観的描写の水準で言葉にすることをやめる必要はない、ということを学ばされた。

(3) を特に意識させられたのは、ヒエロニムス・ボスの地獄絵を言語化する時だった。ボスの地獄絵には、口にすれば卑猥で反道徳的な内容も含まれる。それでもボスの絵は確かにそこにある。ならば、言語化できないわけがない。そういう意味で絵画は常にそこに在る。

こうした思考プロセスを辿らせることで、この本は、自分が普段「見てはいけない」「見つめてはいけない」と思っていたものへの盲目状態を緩和してくれた。たとえば自分は、道ゆく人をあまりジロジロと見ないようにしていた。しかし、特に好奇の目線で見ないことを自分自身理解しているならば、別に道ゆく人はそこに「在る」わけで、努めて見ないようにする必要はどこにもない。そう考えられるようになってから、若い女性がバッグに提げるマタニティマークや、片足を引き摺っている壮年の料理人、シャツのヨレたスーツ姿の男性、人の鞄の糸のほつれ、などが、ただそこにあるものとして、眼に飛び込んでくるようになってきた。それらは自分が「見ないようにしてきた」頃から、既にそこにあったのだ。

読書によって自分の技能がすぐに変わるというのは多くの場合都合のよい幻想に終わることが多いけれど、少なくともこのハーマンの本は、数少ない例外に属する本だろう。何か見逃しがちな物事について目星をつける技能に、読み手がこれまで蓋をしてきたというのなら、その蓋が外れる。眼から鱗が取れた後のような世界を、読んだ後すぐに経験できるだろう。

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Posted by ブクログ 2020年06月27日

世界の見方が一気に広がる。

「見える」じゃなくて「見る」を徹底する。主観を排除し、客観的に。自分が日常的に色々なことを見落としてることを突きつけられる。

木を見て森を見ないこともあれば、森を見て木を見ないこともある。

それらを集約的に我々に伝え、啓蒙してくれる存在がアートだ。幸いにも美術史家の...続きを読む業績によって、我々はアートであれこれ考えたことの、ある種の答え合わせが可能。

アートを眺めながら、日々「見る」姿勢で過ごしてみる。道端に生えた一本の花もしっかり「見る」ことできっと日常がより一層色鮮やかになる。

日進月歩ではあるだろうが、きっと大きな閃きへと繋がるはず!

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Posted by ブクログ 2019年10月17日

社会で活躍していくためには違いを見つけることが大切で、それを磨く方法の一つが"客観的な観察力"である。

観察力は、すでに答えが分かっている、美術作品を観察することで鍛えることができる。と冒頭で述べ、様々な分野の芸術作品から、適切に観察する方法を伝えていく。

観察、分析、伝達、...続きを読む応用の4ステップで展開することで、ただ見るだけでなく、伝えるところまで書かれているところがこの本の特筆すべき点だ。

また、途中に、実践編として、作品から読み取る課題がいくつもある。大切なことを噛み砕いて伝えながらも、頭でっかちにならないように、使える知識になるように工夫が施されている。

観察力を鍛える上では、理論だけでなく、実践を伴って、少しずつ鍛錬していかなければならないことが、身に染みて分かる。そして、いかに自分は見ただけで、観察をしていないのかも…。

特に揺さぶられた箇所は、絵に何が足りないかを考えるところ。観察と言われれば、描かれているところばかりを見てしまうので、この視点を知ったときは、思わず目を見開いた。

観察力を磨きたい人にはもちろん、感性で絵を見るのもよいことだが、もう少し別の視点で捉えてみたい、と考えている人にも是非勧めたい。読み終えたあと、美術館で過ごす時間は倍以上になること間違いなし。

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Posted by ブクログ 2019年07月20日

「知覚の技法」セミナー講師による
「観察力を磨く」ための本。
日常生活が毎日変わり映えしないなーと
感じてた時に感動した1冊。
「アートを教材にすれば、複雑な状況はもちろん、
一見すると単純だが実は深い意味を持つ場面も
分析できる。」
「大人になるということは、
複雑な世界の成り立ちに無感動になり、...続きを読む
斬新で、革新的で、緊急度の高いものだけに
目を奪われることでもある。」
観察力を磨くために多くの「気付き」を促し、
分かったつもりだけに
ならないよう趣向が凝らされている。
分析や伝達をテーマにしている本は多いけれど
観察がテーマの本は少ないし、押し付けがましくなく
誘導してくれるような構成に楽しんで読めた。
まさにセミナーを受講したかのよう。
アートはあくまでツールとしての位置付けだが、
この本を読んで「観察力」を意識して美術館に
行ってみたら思いのほか熱中してしまい、
気付けば3時間くらい経過していた。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

・まず自分の見で見る→既存の情報や意見を参考にする→もう一度、自分の目で見る
・自分がいる場所や、分析しようとする場面の状況について、事物の配置を押さえることは重要だ。不測の事態が起きたときなど、それで命拾いするかもしれない
・なんでもない場面に隠れている平凡なものをきちんと見るには、意識して注目し...続きを読むなければならない。意識しないとスルーしてしまう。そうならないために二度見ること。まず全体を見わたす→改めてひとつひとつを見直す→できるなら見る角度を変える
・ひとりひとり見方はことなるので、観察の際は第三者の助けも有効
・観察をするときは、あるべきものがないことを発見することも重要
・自分が知らない情報を省かず、知っている人の助けを借りる
・事実を正確に伝えたいなら、意識して客観的な表現を選ぶ
・重要なことはちゃんと言葉にすべき。「言うまでもなく」という表現は語彙から消す
・真のリーダーは、危機にも、不快な会話にも、淡々と対処する。内容を気に入らなかったとしても、情報を理解して、客観的に伝えることができる
・「申し訳ありません。コミュニケーションの不具合(または誤解)がありました」と謝る。自分ひとりのせいだと認めることにもならないし、現在の状況を残念に思っていることも伝わる
・グレーエリア(不確かな状況。善と悪、無罪と有罪、意図と偶然などが混沌としている状況)では、手に入らない答えを探して右往左往する前に、今ある情報(誰、何、どこ、いつ)に集中することが大事。また、主観的な反応をすると悪いほうへ傾く。あくまで客観的に対処する
・制約があるからこそ能力以上のことができる
・執着によるストレスは仕事の大小に関係ない。大きなものでも些細なものでも、同程度のストレスを生む。返信するメールが多過ぎてストレスを抱えている人は、「メールをありがとうございます。今は忙しいので、数日中にお返事します」というような自動返信機能を設定するだけで、返事しなくてはというストレスから解放される
・大事なのは、「全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと」「複雑さを恐れず、結論を急がないこと」

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Posted by ブクログ 2017年05月20日

美術本かと思ったら、認知の本。主に平面絵画を取り上げているが、そこでのディテールおよび本質をどれだけ観察できるかと現実の観察を結びつけている。
芸術作品はとかく主観で判断してしまうが、それをできるだけ客観でみる。数値や他の人にわかる情報の形にする。
何が描かれているか、何が描かれていないか、何を知る...続きを読むべきかという問いを出す。

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Posted by ブクログ 2017年02月17日

絵画の鑑賞方法を解説した本かと思っていたが違った。絵画や写真などを題材にして、物事を観察することの重要さ、観察したことの分析と、自分が知覚した事を伝えるコミュニケーション手段についてを解説する。仕事の役に立つのはもちろん、子どもに読ませて観察力を強化してあげたい。本書でも「見る」と「観察する」はまっ...続きを読むたく異なることだと主張し、観察することの重要性を説いている。すべてのページで大事なことが書かれており、とても濃厚な一冊となっている。翻訳もこなれていて読みやすい。本書を読み終えたあとは、周りの景色が違って見えるし、他人の行動もより客観的に見ることができる。世の中がつまらないと思っている人も読んだ方がいい。自分の回りがとてもカラフルでエキサイティングだと認識するだろう。いい本に出会った。

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Posted by ブクログ 2022年10月12日

"見る"がテーマの本。
読み進めると、普段どれだけ世界が見えていなかったかを痛感させられます。
無意識下で行われる"見る"という行為。
丁寧に紐解かれることでこの行為の持つ圧倒的なポテンシャルに気付かされる。
読む前と後で世界の見え方が180度変わります。

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Posted by ブクログ 2022年06月18日

【星:4.5】
観察力の磨き方をテーマにした本は巷にもあり、この本に書かれている観察力の内容などは他の本と同じようなものである(現実と自分の感想を分けろ、など)。

ただユニークなのは、その同じような内容を「名画鑑賞」という具体例を通してとてもイメージしやすく説明している点であると思う。

自分が欲...続きを読むしていた内容であったということもありとても興味深く読むことができた。

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Posted by ブクログ 2022年06月01日

広い意味での自己啓発本。認知バイアスと観察を意識化し、ものごとに対処することを学ぶ。名画読解は、あくまで手段。加えて観察するには挿絵は小さい。

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Posted by ブクログ 2021年09月15日

アートについての本やと思ってたら、それよりも考え方の本やし、心理学的でもあるな。
仕事に使えそうな考え方が書いてあったり、外国で起こった出来事とか事件について知れて、それを観察力と絡めてるのがおもしろい。
現実世界での困難には、難解なアートを見た時と同じように対処する。
この視点で自分の仕事に取り組...続きを読むんでみると、それだけで今までと見える世界が違う気がした。仕事でお客さんからのクレームの電話を受けることが多いけれど、その際に、まず事実をじっくり聞き、情報を客観的に理解する。そして相手に伝わりやすいように優先順位を付けて具体的に話す。主観を交えるのではなく、事実だけに注目することが大切と学んだ。

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Posted by ブクログ 2021年07月24日

​絵画を題材に、眼の前に観えることをありのままに捉える重要性を説く。事実と、意見だけでなく、バイアスも切り分けることは難しいながらも、示唆に富む。

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Posted by ブクログ 2021年02月28日

以前読んだ『インプット大全』や今読んでいる『独学大全』で紹介されていたので、興味を持って読みました。美術作品を読み解く練習を積んで観察力を磨けば、ものの見方や世界の見方が大きく変わることを述べています。実践的な技法のなかで特に印象に残ったのは、「なぜ」の答えはなかなか出てこないのでそれは後回しにして...続きを読む、「誰、何、どこ、いつ」といった情報に集中し、それを客観的な視点で観察し、分析し、伝達することが大切だ、ということです。すぐに身につくものではありませんが、意識して日頃から人やものをよく観る癖をつけ、観察力を磨いていきたいと思います。

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Posted by ブクログ 2021年01月16日

気づきが多く、実践的な内容だと感じました。

現実に周囲で起きていること、特に困難な事象に遭遇したとき、
①視覚だけでなく五感をフル活用して
②主観的な感情/感想と客観的事実を区別し
③こうあって欲しいという期待をせず、事実に集中する(期待が強すぎると、些細な事象を見逃してしまう)
④自分自身に、経...続きを読む験に基づくバイアスがあるということを理解して対処することが、重要な事実を見逃さないためには必要であり、そのような観察力を鍛える上で、美術品を観るということは良い訓練になる。

美術品に対する接し方も変わりそうです。


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Posted by ブクログ 2020年11月17日

アートの読解を通し観察力を磨く、という主旨の一冊で、アートそのものの読解というよりは日常生活における認知バイアスや視野狭窄、フレームをメタ認知するためのツールとしてアートを活用している、と理解した。

後半に行くに従って、アートとの関連性はそこまで高くなく、なぜアートを題材にしているのかという疑問が...続きを読む湧いてきたというのが正直な感想。

一方で、本書の冒頭にある「出くわしたことのない不確実な状況で物事を判断することと初見のアートを観察することに大差はない(大意)」という主張はなるほどと思わされた。であればこそ、アートである必然性もあるのだろう。

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Posted by ブクログ 2019年10月14日

邦題に「名画読解」とありますが、名画の読み解き方ではなく、アートを通して観察力を磨く方法がテーマです。
著者はFBI・CIAや大手企業 にアートを通じて観察力・分析力を高めるセミナーを行っています。本書にも様々な絵や写真がカラーで掲載されており、著者のセミナーを受けるのと同じような体験ができます。絵...続きを読むや写真を暫くの間見ていても全く気づかなかった事物の存在を知らされたり、見る人や立場によって見えるものが異なることを実感できたりと、発見が多く飽きることがありません。さらに見たものを伝達する際に事実だけに絞ることの難しさを、いくつかのワークを通じて教えてくれます。
これを読むと、美術鑑賞がさらに面白くなるとともに、仕事や人生に役立つ観察力の強化も狙えそうで、一粒で二度美味しい本です

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Posted by ブクログ 2019年08月14日

これ読めばホームズになれるってマジ??? 「アートを観察して客観的描写力を身につけましょう」、という内容。FBIや軍隊でも用いられている技法がギュッとこの本1冊に詰まっている。 ハリーポッター並の分厚さだったが、めちゃくちゃ面白くて、夢中になってしまった。 この本を読んでからアートへの認知バイアスが...続きを読む掛かりまくっていて困る。友人からお勧めされて借りた本だが、購入しようと思う。

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Posted by ブクログ 2017年01月02日

今までの絵の見方を変えてしまう。すぐに感情的になってしまう私ですが、一呼吸置いて客観的に見ることができるようになるのではと思わせる本です。

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Posted by ブクログ 2022年12月04日

名画の見方ではなく、先入観によらずものごとをよく見ること、観察のやり方を学ぶために、題材としてアート作品を選んでいるというのが面白いです。

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Posted by ブクログ 2021年07月04日

概ね、普段自分が気をつけていることが書かれていた。自分にとって参考になったのは、客観的に話すこと、見たままを話すこと。会話の中では、真実や正確な情報と自分の考えが混ざってしまうことがある。冷静な話し方というのは、客観的事実と自分の考えは区別しないといけないと思った。

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Posted by ブクログ 2020年09月01日

2020.09.01 とても面白く参考になったが、さらに実践部分(どう読解するか)を多くしたほうが良い気もする。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月11日

絵画の鑑賞方法というよりは、絵画の鑑賞を通して観察力を磨くことを目的としている。
見ているようで見ていないということは、よくあることだ。
それを意識的に絵画を鑑賞し、優先順位をつけて説明することで、観察力を磨き、他人にわかりやすく伝えることができるようになる。
絵画にはさまざまな情報が含まれている。...続きを読む絵そのものだけでなく、額縁も重要だ。また、さまざまな視点を考えてみるのも有効だという。
絵画の情報を、主観をとりのぞいて鑑賞し、誰がいつどこでなにを、などの情報を収集する。絵画から得られた情報だけでなく、欠けているものはなにか、ということについても考察する。
私達は主観をまじえて物事を判断しがちだ。そして、自分のバイアスによってフィルターをかけてしまい、物事が見えなくなることすらある。物事を冷静に判断するための訓練として絵画を見るということは有効だ。

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Posted by ブクログ 2020年01月19日

思ってたのと全然違くて、名画の解説とかではなく、いかに気づき情報を得るのか、それをどう分析して解釈して出力するのかみたいなテクニック論。
割と最初のほうにあった背景のCに気づくかみたいなの、真っ先にそこが変!って思ったので私意外と優秀なのでは??
思ってのと違ったのでだいぶ読み飛ばしちゃったけど、な...続きを読むかなか興味深い。
こういう視点や思考を持てるとほんと日常が変わってくると思う。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

 たまには文化的教養も身につけねばということで、最も苦手な部類である絵画に関する著書を読んでみた。その名も「観察力を磨く名画読解」。しかし、読んでみると、人間の認知のメカニズムなどにも触れながら観察力をどう身につけるかについて、解説しており、美術の解説書ではなく、ビジネス書といった方がふさわしい内容...続きを読むであった。今朝オーディオブックで自助論を聴いていたら、細部の重要性を説く一節があったが、本書はまさに細部の観察が、時に生死をわけることもあるほど重要であることを語っている。

「幸いにも、脳は生まれてから死ぬまで、学びによって新しいシナプス接続をつくり、古い接続を強化することができる。つまり学びつづけるかぎりさびないのである。新しいことを学んだり、深く考えさせられる内容の本を読んだり、いわゆる脳トレのたぐいで外的な刺激を与えたりすると、すべての年代で大脳皮質のシナプスが増えることが判明しており、これは非常に高齢な人も例外ではない。」
「…仕事で成功したいなら、他人が自分と同じようにものを見て、理解していると思ってはいけない。自分の見方が正しいかどうか疑うことをやめてしまったら、隠れた事実を見逃す危険性がある。」
「私も細部を見るための戦略にCOBRAというコードネームをつけた。…
 COBRAの文字はそれぞれ、紛れているもの(Camouflaged)、ひとつ(One)、休憩(Break)、見直し(Realign)、意見を聞く(Ask)を意味している。つまり細部を見る際は、紛れているものを探し、ひとつの仕事に専念し、疲れたら休憩をとって、期待を見直し、他社の意見を聞くことが大事なのである。」
「脳の機能を低下させないためには、ひとつの仕事に専念することだ。こうしたやり方は”モノタスク”とか”シングルタスク”と呼ばれ、ビジネス界でも注目されはじめている。気を散らすものを閉めだして、コンピュータを閉じ、電話が鳴っても無視して、観察だけに専念しよう。」
「発見とは、みんなと同じものを見て、誰も考えなかったことを考えること。」
「あるべきものがないことを説明に加えれば、話を聞いた人が状況を誤解する可能性が低くなる。陰性所見を意識的に織り交ぜることで、情報の正確性が増すのだ。」
「メッセージを確実に届けるためにもうひと工夫、三つのRを実践しよう。リピート、リネーム、リフレイムである。」
「いちばん大事なのは、どんなに腹が立っても感情のままに言い返したり、返事を書いたりしないことだ。自分が感情的になっているのに気づいたら、相手のいないところで怒りたいだけ怒っていやな気持ちを発散し、あとはこだわらないようにする。侮辱されて(立場が上の人から侮辱された場合はとくに)、感情的になるなといわれても難しいだろうが、仕事を前進させ、相手の敬意を勝ちとるためには、ほかに道はない。
 相手がいつまでも感情的になっている場合は、あなたのほうから歩み寄らなければならない。主観的な主張は無視して、事実のみに焦点を合わせよう。批判に対して自分を防御するのは構わないが、批判に含まれた感情に惑わされないこと。侮辱されて反論しなかったからといって、人間として劣っていると思われることはない。むしろ逆だ。」
「大事なのは―
 ●全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと
 ●複雑さを恐れないこと。結論を急がないこと
 ●疑問を持つ心を忘れないこと
 ●客観的事実だけを扱うこと」

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