岡本由香子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絵画を通じて観察力を磨く技法を身につけるための本。
ここで言う観察力とは状況を俯瞰的に、詳細にそして客観的に捉え分析し、適切に言葉で表現することまでも含んでいる。つまり、目で捉えた情報を自己完結させるだけでなく、他者に正確に伝えることまでをも射程に入れている。観察するのみで伝える技法をなおざりにしては、生死をも左右しかねない重大な局面の判断の成否を決めかねないからだ。
このような観察から分析、伝達までの一連の過程で鍵を握るのは、いかに客観的でいられるかであるように思う。絵画を観察するにしても人によって注目するポイントや絵から感じ取る印象が変わるように、人間にはその人の経験や文化慣習、思想などから由来する認知の偏り、バイアスが存在している。自分自身がどのような場面で、どのような思考に囚われやすいか、何に着目しやすいかを知った上で、それらを一度傍に置いて目の前の事実を捉える訓練をする。その練習として、この本を読んだ後に美術館に行くのも面白いだろう。 -
Posted by ブクログ
アートについての本やと思ってたら、それよりも考え方の本やし、心理学的でもあるな。
仕事に使えそうな考え方が書いてあったり、外国で起こった出来事とか事件について知れて、それを観察力と絡めてるのがおもしろい。
現実世界での困難には、難解なアートを見た時と同じように対処する。
この視点で自分の仕事に取り組んでみると、それだけで今までと見える世界が違う気がした。仕事でお客さんからのクレームの電話を受けることが多いけれど、その際に、まず事実をじっくり聞き、情報を客観的に理解する。そして相手に伝わりやすいように優先順位を付けて具体的に話す。主観を交えるのではなく、事実だけに注目することが大切と学んだ。
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Posted by ブクログ
アートの読解を通し観察力を磨く、という主旨の一冊で、アートそのものの読解というよりは日常生活における認知バイアスや視野狭窄、フレームをメタ認知するためのツールとしてアートを活用している、と理解した。
後半に行くに従って、アートとの関連性はそこまで高くなく、なぜアートを題材にしているのかという疑問が湧いてきたというのが正直な感想。
一方で、本書の冒頭にある「出くわしたことのない不確実な状況で物事を判断することと初見のアートを観察することに大差はない(大意)」という主張はなるほどと思わされた。であればこそ、アートである必然性もあるのだろう。 -
Posted by ブクログ
邦題に「名画読解」とありますが、名画の読み解き方ではなく、アートを通して観察力を磨く方法がテーマです。
著者はFBI・CIAや大手企業 にアートを通じて観察力・分析力を高めるセミナーを行っています。本書にも様々な絵や写真がカラーで掲載されており、著者のセミナーを受けるのと同じような体験ができます。絵や写真を暫くの間見ていても全く気づかなかった事物の存在を知らされたり、見る人や立場によって見えるものが異なることを実感できたりと、発見が多く飽きることがありません。さらに見たものを伝達する際に事実だけに絞ることの難しさを、いくつかのワークを通じて教えてくれます。
これを読むと、美術鑑賞がさらに面白くなるとともに、仕事や人生に役立つ観察力の強化も狙えそうで、一粒で二度美味しい本です -
Posted by ブクログ
空の旅では何度か大変な目に遭っている。
1度は羽田空港から伊丹空港へのフライト。客室のモニターには横殴り
の雨で滑走路さえも見えない画像が映し出されていた。無事着陸した
時には私も含め、乗客のほとんどかが自然と拍手をしていた。
2度めは羽田空港から真冬の新千歳空港。最終便で新千歳に到着した
後は電車で苫小牧まで移動する予定だったのだが、積雪の影響で
しばらく新千歳上空で待機したのちに羽田に引き返した。
そして、羽田に戻ったら「再度、別の機体で新千歳に飛びます。ただ、
着陸が出来ないようなら三沢に居ります」のアナウンス。三沢に降ろさ
れても困るんだよ~。どうか新千歳に降りてくれと思っていたら、願い
が通じたのか。真夜中に新千歳に着陸した。ただし、当日中の移動は
断念したが。
ロシアの国内線ではアエロフロートのボロい機体に唖然。手荷物棚の扉が
きちんと閉まらなくてガムテープで留めているし、一度などは着陸直前
に窓から外を見ていたら翼の一部が後方へ飛んで行って目が点になった。
さすが恐ロシア。何事もなかったようにサンクトペテルブルクに到着し
ていたが、あの機体、その後どうなったのだろう。ちゃんと点検して
るよね?
大空を飛んで、いろんな場所へ私たちを運んでくれる旅客機。その現役
パイトロットが綴ったエッセイが本書だ。現役パイロットの作品でも
航空業界の内幕話ではない、
著者が何故、パイロットになることになったのかの経緯から始まり、
操縦席から見た空や陸、海の風景、飛ぶことの楽しさ、滞在地でど
のような時間を過ごしているかなどが、詩的で美しい文章で記され
ている。
私は飛行機に乗る際はなるべく窓側の席を希望するが、客室の窓小さい
窓から見る風景と、操縦席で真正面から見る風景では全然違うのだろうな。
特に著者のような長距離便のパイロットだと、飛行経路によって1回の
フライトで昼と夜だけではなく、いろんな気象状況を体験するのだろう。
ドラマや映画の中で旅客機の中で急病人が出て、客室乗務員が「お客様の
なかにお医者様はいらっしゃいませんか?」なんて場面がある。著者の
経験では実際にこのような状況があっても医師がまったくいないことは
なかったそうだ。
また、万が一、機内で出産があった場合に備えて、専用の書類が常備され
ているとか。たまたまお医者様が乗っていないフライトに乗り合わせて
しまったら、それは外れってことか。
私は一度だけ、機内からオーロラを見たことがある。あの時はぞっと
そのままオーロラの見える場所を飛んでいて欲しいと思ったわ。
ああ…飛行機に乗りたい。それも長時間のフライトになる国際線に。
そうして、空の上から地中海に点在する島々を眺めたい。きっと
宝石箱のように感じるんだろうな。