ジッドのレビュー一覧

  • 背徳者

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     高校時代に「狭き門」を読んで激しく感動した。今でも読書体験としては最高のものの1つだ。そのあと「田園交響楽」を読んだが面白くなかったのでジッドはこれだけしか読んでなかった。それを30年たった今、ふとこれを読んだ。良いと思った。高校時代に「田園…」のかわりにこれを読んでいたら僕の何かが違っていたかもしれない、と思った。話自体はわりと淡々としているかもしれないが、趣味というか波長が特別に僕に合っているような気がした。風景描写のきれいさ。最初は愛なく結婚した妻だったが、その美しさにひかれるようになる。ロマンチックな時間。小説としてのバランスも良いと思った。
     主人公が崩落していくさまは、特に外的な

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    2009年10月07日
  • 法王庁の抜け穴

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    「狭き門」は読んだか読んでないのか記憶にない。しかし作家名作品名共に重みのある存在ですが、
    今作はそんなクソ真面目はイメージとはちょっと違う、ふわっとした雰囲気でした。

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    2024年05月08日
  • 法王庁の抜け穴

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    ネタバレ

    古い作品のわりに、新訳でとても読みやすかった。キャラクターがそれぞれクセがあり、人間らしく魅力があって楽しい、エンタメ作品。
    でも、アメデが殺されてしまう展開に、えーと思ってしまった…。
    プロトスの嘘から全ては引っ掻き回され、アンティムは改心したと思ったら最後にまた法王庁批判、アルニカもサクッと別の人と結婚しまうみたいだし。プロトスもカローラもサクッと死んでしまう。
    全て流動的で、混沌とした、移ろいやすい世の中。何も正しいことなんてない、みたいな時代の風刺なのかな?

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    2022年03月11日
  • ソヴィエト旅行記

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    面白かった。赤かった時代のソ連に旅行した時の作者の感想。こういう他国の政治には、くるんでくるんで、匂わせ程度にしとけばいいのに、多分それでも批判されるのに。別に攻撃、批判をしてるんでなくて、ちゃんといい所も挙げている。多分フランス人が一番、人間の尊厳、生きることの理由意味などに真摯に向かい合っている人種で、最後の一人になろうとも、違う物にはノーというべき姿勢を貫ける人種かと思っているが、当時のソ連には、個人を表現するすべが見当たらず、作者は絶望を感じてしまったようだ。この作者読んだことなかったけど良かった

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    2022年01月17日
  • 狭き門

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    主人公ジェローム。親戚のアリスのことが昔から気に入っており、結婚を希望している。しかし女の方は人間同士の恋愛結婚は、天国への扉を妨げると思い込んでいて、のらりくらり。本当にそう思っているのなら、外国にでも行き姿を消し、きっぱり連絡を取るな。建前は拒絶しておきながら、押しまくればいけるんじゃね?的な匂わせがイライラする。それとも生理的にこの男が嫌で、しかし親戚だから、「神様が」ってことを建前にして、男から距離を置いてるのか?それもなー、男の方の空気読まなさに恐怖。

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    2021年11月29日
  • 狭き門

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    神が主体ではなく、あくまでも愛のありかたを語る。
    妹がいなければ、妹が愛さなければ、物語はなかっただろうな。

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    2021年06月16日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    ストイックな在家信者のキリスト教徒女子と、神学校に通う男子の、みずみずしくも儚い恋物語。

    キリスト教圏で敬虔な信者の方々には響く話かもしれないが、信仰心がない、せわしい現代人からすると、なんともまどろっこしくて歯がゆい恋。

    プラトニックな初恋を懐かしむにはいいかもしれないが、一言で締めくくると童貞と処女は面倒くさい。怒られるかもしれないが。。。

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    2021年03月11日
  • 背徳者

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    2021年 24冊目

    灼熱の太陽の下強烈に不健康な精神をもった男のアンバランスさ。



    フランス文学は自分のなかでちびまる子ちゃんの藤木くんて感じ。健康的なネクラの模範生。病んでいるけど狂気を感じるほどでもない。でも一番我々に近いところにあり、いつ自分が太陽に魅せられてしまうのだろうかという妖しさがある。

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    2021年03月08日
  • 狭き門

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    彼女「を」愛そうとしたジェロームと、彼「と」愛そうとしたアリサ。あーこりゃ叶わんわ。悲恋だわ。同じものを見ているようで方向が正反対だった愛のおはなし。解説が秀逸。


    にしても、こんな小説を書けちゃうジッドって何者……?

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    2015年10月31日
  • 狭き門

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    キリスト教の教えは私には馴染みがなくてほんとのところは理解できないけど、純愛とは、魂の至高の実現とはなんだろうと考えさせられる。悲しいけれど、美しい。

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    2015年09月05日
  • 背徳者

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    ネタバレ

    狭き門、田園交響楽ときて、これを読みました。
    なんというか、いちばん概念的というか・・読み終えたあと背徳者というタイトルをあらためて見返して、「背徳者、いや確かにそうだ、でも何が・・?」と自問自答してしまう感じ。
    金を死ぬほど使って欲望のままに暮らして旅して、もといた洗練された世界との交流に関心を持たなくなって、未開の地を好んだり、堕落した人間と関わったり共犯したりすることに悦びを感じるのが、背徳なのかな・・。
    なんだかひたすら旅をしているので、情景描写の美しさはたまらなかったです。

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    2014年09月20日
  • 背徳者

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    二人の男女が色々な地方を旅するお話。
    冒険中どっちかが必ず体調崩している印象を受けた(笑)
    風景描写はとても綺麗で、文字を追うだけで
    風景が頭の中に浮かびあがってくる、その点では名著といえるのではないだろうか。
    物語はこの男女2人の冒険の話を、男性の友人達が聞いているという設定になっている。

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    2009年10月04日
  • 背徳者

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    人物描写がやたらと華麗。男の人に「美しい」「綺麗」は当たり前・・・そんな感じの文体でした。
    第三部で、主人公ミシェルと御者の少年(かな?)との二、三言のやり取りが好き。
    全編を通して、ジッドがミシェルを普通の一紳士として書こうとしているのは理解できるんですが、それでもどこか狂気を感じるのを禁じえなかったのは、ほとんど一方的な独白形式だったから?

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    2009年10月04日