三ツ堀広一郎の作品一覧

「三ツ堀広一郎」の「法王庁の抜け穴」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 法王庁の抜け穴
    3.6
    1巻1,364円 (税込)
    奇蹟によってカトリックに回心したフリーメーソン会員のアンティムと、幽閉されたローマ法王を救い出すという詐欺を企てる《百足(むかで)組》の首領プロトス。そして、予期せぬ莫大な遺産を手にしながらも「無償の行為」に走る19歳の青年ラフカディオ。登場人物それぞれに起こる偶然の出来事が複雑に絡み合う。時代を画したジッドの傑作「犯罪小説」。

ユーザーレビュー

  • 法王庁の抜け穴

    Posted by ブクログ

    ジッドの小説は高校生の頃に『狭き門』『地の糧』『背徳者』などを読み、何となく卒業。何十年振りかに手に取ったのが本書『法王庁の抜け穴』だが、こんなにも面白い小説だったのかと驚いた次第。

     各章は次のとおりだが、第四の書を除き、その章で主に活躍(?)する登場人物の名がタイトルとなっている。
     第一の書 アンティム・アルマン=デュボア
     第二の書 ジュリウス・ド・バラリウル
     第三の書 アメデ・フルリッソワール
     第四の書 百足組
     第五の書 ラフカディオ

     科学至上主義のフリーメーソン会員だったが、ある奇蹟により不自由な体が恢復し回心したアンティル、その義弟でアカデミー入りを望む凡庸な作家ジュ

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    2024年05月29日
  • 法王庁の抜け穴

    Posted by ブクログ

    信じていたもの、頼らざるおえないものが一転する人々が絡み合う話。

    人物造形に滑稽さがあって、油断して読んでいたが、ある登場人物の行動からこれまた色々と考える話に転じる。
    作者の誤りなども含めて作品への姿勢の表れとする&話の中にも内包する技とは…なんか狡い。

    当時の史実も混じえたり、混じえて間違えたり…
    現代でも起きている事件や問題に絡むさまざまな立場の人が出てくる物語もあるので、当時はこんな感じだったのかな?という軽い感じでスラスラと読めてしまった。

    新訳のおかげだと思うのですが、「名作なんだよな」と構える必要もなく素直に物語に接することができたように感じ、この文庫の別の作品も読

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    2022年04月22日
  • 法王庁の抜け穴

    Posted by ブクログ

    2/3くらいまで、アルセーヌ・ルパンみたいで面白い!と思って読んでいた。
    残り1/3で、変わった。面白い、だけではなくて。

    ルパンの印象と被ったのは、ラフカディオの飄々としたところと、この光文社古典新訳の「あそび」ある訳が、ハヤカワ版のルパンの新訳(ルパンは自分を「わし」とは言わない!)によるイメージと合ったんだろうな。

    ラフカディオ、嫌いになれない。

    ジッドの本がもっと戻って(再販されて)くればいいなあ

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    2022年02月23日
  • 法王庁の抜け穴

    Posted by ブクログ

    「狭き門」は読んだか読んでないのか記憶にない。しかし作家名作品名共に重みのある存在ですが、
    今作はそんなクソ真面目はイメージとはちょっと違う、ふわっとした雰囲気でした。

    0
    2024年05月08日
  • 法王庁の抜け穴

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古い作品のわりに、新訳でとても読みやすかった。キャラクターがそれぞれクセがあり、人間らしく魅力があって楽しい、エンタメ作品。
    でも、アメデが殺されてしまう展開に、えーと思ってしまった…。
    プロトスの嘘から全ては引っ掻き回され、アンティムは改心したと思ったら最後にまた法王庁批判、アルニカもサクッと別の人と結婚しまうみたいだし。プロトスもカローラもサクッと死んでしまう。
    全て流動的で、混沌とした、移ろいやすい世の中。何も正しいことなんてない、みたいな時代の風刺なのかな?

    0
    2022年03月11日

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