ジッドのレビュー一覧
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自身が己という人間のために生きていることを少なくとも今は疑っていないしそこに対する罪悪感などは一切有していないのだと信じている。だからこそ自身の生命の意義や目的を思索する自由を有しているのであり、一方でその意義や目的の儚さを知り苦悩するのである。ではもし自身という生命が神なるもののために存在しているのだとしたらどうだろうか。意義や目的はすなわち神への示す姿を美しくあらせ続ける、すなわち決して成し遂げられることのない徳と呼ばれるものを生涯追求し続けることと同義となり、だからこそ人はその生命を疑念なく送ることができるのかもしれない。しかしそこには思索の自由の余地はなく、徳を阻害するもの、すなわち自
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ネタバレジッドの真心からの叫びが悲しい。
ユートピアができるはずだったのに何でこうなってしまった?と嘆く。
本当にジッドのようなただ純粋に平等な社会が来ることを信じてた人達を騙したニセ予言者や独裁者は罪深いと思う。ニセ予言者について哲学者のカール・ポパーが『推測と反駁』で結構強めの言葉でこのように批判してる。
丸ごと全体がすっかり善なる社会といった遥けき理想を志し、この理想のために働くことによって間接的にこれらの目的を実現しようとしてはならない。この理想の心をそそる未来図に自分は支えられているのだと深く感じるにせよ、自分はこの理想の実現のために働く義務があるのだからとか、この理想の美しさに他の人々の -
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すごかった。
とにかくオモシロかったけど、なにがなんだけ全然わからない。
いや、分かるんだけど、納得はいかない。
でもとにかく、おもしれえ。
若い男女がいて、プラトニックに愛し合っていて、
両思いなんだけど、なぜだか女の方が現実的にいろいろな意味で愛を受け入れない。
「それだめなの。許されない」
みたいな。それがなんでだか、主人公の男も分からないけど、こっちも皆目分からない。
分からないんだけど、「それがなぜか」という方向ではなくて、
「で、ふたりはどうなっていくか」ということのみに爆走していく物語。
雑に楽しんで読んでいく分には、そのあたりが「狭き門」なのか、
実は愚者たる自分には明確に -
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帯には「幽閉されたローマ法王を救出せよ」
「ジッドの傑作犯罪小説」とある。
ワクワクして買ったが、いつの間にか長らく積読化してしまっていたのに気づき、手に取る。
光文社古典新訳文庫の良い所は、見開いたページに註釈がほぼそのまま載っているので、大抵は本の最後の方にある註釈部分と本文を行ったり来たりしないで済む所。
そして「主要登場人物」の書かれた、しおりにも変化する紙が添えられていて、登場人物の名前、特に海外文学の場合にこんがらがってしまう物覚えの悪い私には、これは特に序盤、大いに役立った。
物語は予想を超えて、本当に思わぬ方向へと進んでいった。カトリック、フリーメーソン、美青年、相続……読 -
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ジッドの小説は高校生の頃に『狭き門』『地の糧』『背徳者』などを読み、何となく卒業。何十年振りかに手に取ったのが本書『法王庁の抜け穴』だが、こんなにも面白い小説だったのかと驚いた次第。
各章は次のとおりだが、第四の書を除き、その章で主に活躍(?)する登場人物の名がタイトルとなっている。
第一の書 アンティム・アルマン=デュボア
第二の書 ジュリウス・ド・バラリウル
第三の書 アメデ・フルリッソワール
第四の書 百足組
第五の書 ラフカディオ
科学至上主義のフリーメーソン会員だったが、ある奇蹟により不自由な体が恢復し回心したアンティル、その義弟でアカデミー入りを望む凡庸な作家ジュ -
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ネタバレフランスのノーベル賞作家アンドレ・ジッドによる小説。愛と信仰の相剋を描く、美しく悲痛なラブストーリー。
愛も信仰も純粋すぎて、混ざり合うことができなかったというべきか。神に至る道は狭き門ゆえに二人では入れないということか。相思相愛なのに結ばれないもどかしさ。身を引いていくアリサの心情がつかめず、最後の日記まで、見えない真相にやきもきする。美しく終わったようにも見えるアリサの人生と信仰をどうとらえるか。アリサが求めた至高の愛とジュリエットがつかんだ現実的な幸福、どちらが正しいのか。。独身を貫くジェロームの姿は美しくも悲痛だ。非常に後を引く、心に残り、かつ考えさせられる名作。 -
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信じていたもの、頼らざるおえないものが一転する人々が絡み合う話。
人物造形に滑稽さがあって、油断して読んでいたが、ある登場人物の行動からこれまた色々と考える話に転じる。
作者の誤りなども含めて作品への姿勢の表れとする&話の中にも内包する技とは…なんか狡い。
当時の史実も混じえたり、混じえて間違えたり…
現代でも起きている事件や問題に絡むさまざまな立場の人が出てくる物語もあるので、当時はこんな感じだったのかな?という軽い感じでスラスラと読めてしまった。
新訳のおかげだと思うのですが、「名作なんだよな」と構える必要もなく素直に物語に接することができたように感じ、この文庫の別の作品も読 -
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愛と信仰の間で激しく葛藤する悲劇の物語。
ヒロイン、アリサのジェロームへの愛の深さ故に距離を置くに至る心理は、自分が身を引くほうがジェロームの為になるという考えからだが、かなり曖昧な理由であり、やはり本質は信仰心ゆえの、あえて困難な道「狭き門」を選ぶことがその理由と思われる。それにしても死の床にあったアリサがジェロームに読まれることを承知で手記を残すことはジェロームを深く後悔させることになると考えるのが普通であり、そこはやはり自分のの愛の深さをジェロームにどうしても伝えたい欲求からくるものか。そう考えると愛故に身を引く慎ましさよりも自身の信仰心を貫くヒロインの身勝手さが周りを巻き込む悲劇に発展 -
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アンドレ・ジッドの自伝的要素を持つ物語(レシ)。
謹厳で学問に誠実に打ち込んでいた古典学者が、結婚後に大病を患いそして復活を遂げるとすっかりと道徳的・性的に「背徳者」になっていたという話です。
言ってみれば身もフタもないか・・・。(笑)
新婚旅行中の本人の病気や妻の病気療養で辿るヨーロッパや北アフリカの国々の描写は、いい加減に安静にしてないとだめだろ!という突っ込みの反面、様々な旅愁が醸し出されていてとても良かったです。
また、中盤では実は本人が大農園の領主だったということで、お屋敷や農村や森林の風景が随所に散りばめられていて、これもある意味、牧歌的な雰囲気があって良かったですね。
この物語