太田浩一のレビュー一覧

  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい

    Σ(゚Д゚)

    なんだ…モーパッサンか…
    奥さんに怒られてるのかと思った
    「もう!父さん!」

    はい、コツコツ光文社古典新訳文庫のお時間です
    今回はモーパッサンの『脂肪の塊』です
    おフランス文学ざます
    ボンジュールマドモアゼール
    シャトーブリアーン
    フランクシナトラ―ン
    ざます

    実はこの『脂肪の塊』は先日読んだ月村了衛さんの『半暮刻』に登場する一冊なんです
    主人公のひとりが過去に犯した罪と向き合い更生への道を歩み始めるきっかけとなった、物語の中で非常に重要な位置を占める一冊なんですね

    ほんまかいな?

    まぁまぁ酷いことやってます
    刑務所にも入って

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    2023年12月06日
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~

    購入済み

    不思議な魅力と力を持つ作品集です。

    百年以上前の作家の作品であり、今は、古書店の世界名作全集か、ここBookLiveのような電子書籍でしかあまり購入できないと思います。
    当たり前の日常、当時の時代の香り、生活習慣、文化、文明が繊細に描かれ、独特な深い風情があります。

    そしてさらに精神疾患で苦しんだ作者の特異な思想があります。
    その精神が見事に圧縮されています。肉体と魂の隙間の、緊迫した薄氷の響きに、見事に耳を澄ませた孤高の人と呼べるでしょう。

    #深い #切ない #泣ける

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    2023年06月23日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    『男と女の不都合な真実:騙し合う人たち』

    人のズルさ、人の汚い面を、淡々と描いた6編の中・短編集。『遺産』や『悪魔』では、人はお金のためなら、ここまでやるか! と、人の心理の本質を垣間見た気がする。結末がどうだったのか、明示せずに読者に委ねられていて、余韻を楽しめた。

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    2021年11月15日
  • 感情教育(下)

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    ついに…読み終えてしまった…!めちゃくちゃにおもしろくて、素晴らしい作品…

    ①ダンブルーズ氏の葬式における描写。
    ・フローベールの死に対するあっけない滑稽な描きかた。『ボヴァリー夫人』でも死人の扱いはさっぱり、淡々と扱う。死にゆくまでの肉体的な苦しみは丁寧に描くものの、死そのものに対する厳かな目線はない。
    「小石まじりの土がかけられた。これでもう、だれひとりとしてこの男のことなど気にかけないのだろう。」
    という文章に見られるように、死んでしまえばおわり、という達観した死生観がみられる。⇔だからこそ、生きている間の滑稽なまでの生にしがみつく動き、がおもしろい
    ・葬式の「形式」を批判。参列した人

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    2020年02月20日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    コツコツ光文社古典新訳文庫シリーズでござい

    今回はモーパッサンの中・短編集

    あー、レビューを書き始めるまではフランス文学などにはこの先も縁がないであろう輩たちのために、一番長い中編の『遺産』のあらすじやらなにやら書こうと思っていたのだが、いざ書き始めたらやはりめんどくさいのでやめる、笑う

    なんていうかね、人間の愚かしさみたいなんが内包されていたような気がしないでもない
    そして、当時のパリで流行ってたんかい!ってくらいハッキリとした結末を書かずに終わる作品が多い
    どっちにも取れる
    後はお任せしますスタイル
    この後主人公は幸せになったのかそれとも不幸せになったのか?おい、筋肉どっちなんだい?

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    2024年05月25日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    2024/03/27 13:10
    まぁ、古典なのだからやはり名作なのだろう。6篇収められている短編のうち、中編と言ってもいいくらいの長さのものが二つあり、それらは主人公のどうしようもない不甲斐なさのようなものが感じられて、途中読むのが嫌になったくらいなのだが、延々付き合ううちに、何というか底知れない人間力のようなものを感じて、やるなあフランス人!

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    2024年03月27日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    モーパッサンの代表作だが、文章にあまり馴染めなかった。海外の古典作品を楽しむには、背景知識が欠かせない。

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    2024年01月05日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    モーパッサンの中短編集。
    風刺が効いている作品あり、なんとも言えぬひねりの効いた作品あり、コメディタッチな作品ありという感じ。
    現代においてストレートにウケるとは思わないけれど、ストーリーの捻りによって生み出される効果の面白さみたいなものを求めていたのだろうか。
    表題作の「脂肪の塊」は中産階級や聖職者に対する風刺であり、娼婦への差別への批判でもある。またロンドリ姉妹はコメディというか、男性に都合のいい女性を描いているように思えるけれど、どのような効果を狙ったのかはよくわからない。
    まだ自分はモーパッサンの面白さをつかみかねている。

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    2023年02月07日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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     1877年から1884年にかけての作品を収めた短編集。
     なるほど、この「新訳」はとても読みやすい。新潮文庫のモーパッサン訳はやはりもう古びてしまっているのか・・・。日本語の世界がどんどん「簡単な」方向に推移してきたのだということを再確認した。
     中編「脂肪の塊」は遥か昔読んだものだが、中身を全く覚えていないので面白く読んだ。ここでの人びとの娼婦に対する酷薄さは、集団心理に由来するものだろう。
     エミール・ゾラは常に「破滅」への執拗な意志を持っているが、モーパッサンはそれほどでもない。同じように世間に対してペシミスティックな思いを抱いていたかもしれないが、モーパッサンには人情への肯定的な部分

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    2023年01月15日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    モーパッサンによる、約150年前の短編、中編小説集。どれもとても興味深く読めたが、特に「遺産」と「パラン氏」がよかった。遺産は、夫婦と、それを取り巻く人間たちがめまくるしく変わっていくところに楽しさを感じ、落とし所がとても気になって一気に読んでしまう。一方、パラン氏の方は大きな変化はないがやはり結末がとても気になる展開。主人公の丁寧な心理描写によりより主観的に読めるからかもしれない。短編だが「難破船」も心惹かれる。手紙を受け取るところからの始まり方もいいですね。
    古い小説に共通するが、本書もその時代をあじわうことが出来て良い読書時間を過ごせました。

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    2022年10月16日
  • 感情教育(上)

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    冒頭は、これでもかというぐらい当時の様子が描写されている。
    まさに、もう一つの主人公は19世紀(改造前の)パリ。

    主人公フレデリックが、超賢くもとんでもない阿呆でもなく、ごくごく普通な(時に失敗する)人間なのが良い。

    これから面白くなるー!というところで下巻に続く。

    今のところ回収見込みが無さそうなお金の貸し借りと、見込み薄の恋愛と決闘しかしてないよ、フレデリック!

    あと、光文社古典新訳文庫の表紙絵は、作品を読んで膨らんだイメージを描いているらしいんだけど、この青虫のような人間の絵は一体何を表してるんだろう。
    あ、、もしかして蝶(成熟した中年男性)になる前の、青くさいフレデリック自身を

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    2022年02月03日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    ネタバレ

    この作品を読むと、地元の同級生たちや、過去のバイト先にいたような、無責任で身勝手な人々のことを思い出す。

     この話の舞台は、普仏戦争でプロイセンに敗北した1871年のフランス。プロイセン軍が戦勝国としてルーアンの町を占拠しているなか、知り合いのドイツ人士官のつてを辿り、町から出る許可を取りつけた人々が4頭立ての大きな乗合馬車を確保。メンバーは、10人。
    ワイン問屋を営んでいる、悪知恵が働くお調子者のロワゾーとその妻。
    紡績工場を3つ所有している錦糸業界の重鎮にして県議会議員のカレ=ラマドンとその妻。
    ノルマンディー地方でも屈指の名門に属しているブレヴィル伯爵夫妻。
    修道女ふたり。
    民主主義者

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    2021年12月30日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    バラエティ豊かな作品群。当時のフランスの風情を感じさせとても興味深い。
    お気に入りはロンドリ姉妹。主人公にとってとてもわくわくするような物語。題名の意味が終盤で明かされるなどのミステリー要素も良いです。脂肪の塊は、違和感のあるタイトルとはいえ、人間の身勝手さを浮き彫りにする物語。マドモアゼルフィフィは教会の神父が意外なキーパーソンであるところが好きです。
    痙攣、及び持参金はそこで終わるんですか?とある意味衝撃的。
    短編も含め読みやすく、他の作品も読むたくなる。

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    2021年07月25日
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~

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    ネタバレ

    大学のフランス文学講義の予習のため。

    部屋の中にいる見えない何ものかが本をめくるイメージが不気味に想像できた。
    自然の描写と、炎の描写が豊かで美しいと感じた。



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    2021年04月21日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    相変わらずお気に入りの作者なんだけども、作者を語る上での、「冷徹」「冷酷」っていうのがいまいちピンと来てなかったが、この作品集は結構堪能できたと思う。自分が思うに、サイコパス的に病的に女性を嫌い嫌悪してるのではなく、美女が震え上がって恐怖におののいたり、絶望にうちひしがれたりした時の、より美しさが際立つ様子へのフェテシズムを根っこに感じる。しかし現代は色々めんどくさくて、ブサイクな女性はなんなの?勘定に入ってないんかいな?!とか色々うるさく言われそうで、なーんか、現代は情緒がないよな。

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    2020年01月04日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    古典と任命されたら、例え理解できなくとも面白くなくとも、味わえないお前が駄目なんだ、黙って読め、もしくは読み直せ、とばかりの変なしがらみが自分にはある。しかしこの本は本当に素晴らしく話が面白くて、読み終えるのに怒りすら感じる。解説で、初めてわが国に紹介したのが明治の落語家だという。その点からしても、単純に話自体が面白くて、作家ぎ無駄に個性を作り出す必要などは感じられない。人間ってのは楽しいばっかでなく、むしろ苦悩を感じることが知的と呼ばれることなんどすかねえ。

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    2019年11月22日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    モーパッサン面白い!!!
    全体的になんとなく明るい印象で、スイスイ読める。作者が登場人物たち馬鹿にしている感じがあって、どれも乖離的態度で描かれているところが一連のユーモアや滑稽さの秘密かな。

    短編・中編ともにどれも面白かったけど、「散歩」の最後の、
    「・・・それは、巨人の呼吸にも似た、パリの息吹だった。」
    というところ、まるでモネが描いたパリの絵を見ているような気持ちになった。

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    2019年04月22日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    面白かった!!
    基本的に全ての登場人物がドタバタあくせくしていて、語り手は離れたところからそれを見ていて客観的に語っている。その落差が、別にふざけているわけではないのにコミカルさやユーモアを生んでいて面白い。
    19世紀フランス下級官吏の心情にも共感できるのが、文学のいいところでありモーパッサンのすごいところだと思う。

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    2019年01月25日
  • 感情教育(下)

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    フレデリックとともに二月革命のパリを体験する第3部だけど、後半一気に展開する。それに合わせて一気に読み進めてしまった。それにしてもフローベールの文章は読み落としを許さない文章で、読み落とした文章が重要だったりする。今でも読み落とした文章はあるだろうから、もう一度読まないとと思う。

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    2017年04月10日
  • 感情教育(上)

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    19世紀フランスの革命期の激動の中、主人公のフレデリックは立身出世、社交界で一目置かれる存在となることを夢みて行動。ウブなフレデリックと一緒に読者もまた当時のパリおよびその近郊での生活を体験する。会話や自然描写など、極めてフランス的な作品。

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    2017年03月26日