太田浩一のレビュー一覧

  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    モーパッサン面白い!!!
    全体的になんとなく明るい印象で、スイスイ読める。作者が登場人物たち馬鹿にしている感じがあって、どれも乖離的態度で描かれているところが一連のユーモアや滑稽さの秘密かな。

    短編・中編ともにどれも面白かったけど、「散歩」の最後の、
    「・・・それは、巨人の呼吸にも似た、パリの息吹だった。」
    というところ、まるでモネが描いたパリの絵を見ているような気持ちになった。

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    2019年04月22日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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    面白かった!!
    基本的に全ての登場人物がドタバタあくせくしていて、語り手は離れたところからそれを見ていて客観的に語っている。その落差が、別にふざけているわけではないのにコミカルさやユーモアを生んでいて面白い。
    19世紀フランス下級官吏の心情にも共感できるのが、文学のいいところでありモーパッサンのすごいところだと思う。

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    2019年01月25日
  • 感情教育(下)

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    フレデリックとともに二月革命のパリを体験する第3部だけど、後半一気に展開する。それに合わせて一気に読み進めてしまった。それにしてもフローベールの文章は読み落としを許さない文章で、読み落とした文章が重要だったりする。今でも読み落とした文章はあるだろうから、もう一度読まないとと思う。

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    2017年04月10日
  • 感情教育(上)

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    19世紀フランスの革命期の激動の中、主人公のフレデリックは立身出世、社交界で一目置かれる存在となることを夢みて行動。ウブなフレデリックと一緒に読者もまた当時のパリおよびその近郊での生活を体験する。会話や自然描写など、極めてフランス的な作品。

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    2017年03月26日
  • 感情教育(上)

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    さすがは光文社新訳文庫!
    訳注がとても親切な上、随所に画像が挿入されていて非常にわかりやすいです。さらに訳者まえがきでは、時代背景が解説されており、巻頭には地図、巻末には年表までつけられています。しかもしおりには、主な登場人物の簡単な紹介が。
    このようないたれりつくせり、非常に快適そうな書なのですが、その入り口はなんだかとっても敷居が高いです。

    「しばらくの間、辛抱強く読みすすめていただくことを願っています」だとか、「ともあれ、これから『感情教育』の大洋に乗りだす読者が、つつがなく航海を終えることを祈ってやみません」なんてなことが、いきなり、訳者まえがきに書かれているではないですか。
    どうも

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    2014年11月19日
  • 感情教育(上)

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    下巻を読むまでに時間が経ってしまい、上巻の内容をすっかり忘れていて、再読。
    フレデリックが、異性関係でふらふらしているのが、女性読者からは嫌われそうです。
    19世紀のロマン主義的物語で、社交界やら、恋愛やら宴会やら、フランスっぽい大衆文化の描写が盛りだくさんで、終始キラキラしたイメージでした。
    下巻の方が面白いとのことですが、前半の内容を忘れないうちに、すぐ読みます。

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    2025年11月11日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    昔、更生用の動画(私が更生の対象だった訳ではない)に被害に遭った女性がどれだけ深刻な状態にあるかを理解させるようなシーンがあった。そこでの女性の一言に「彼らは女性を肉の塊としか見ていない!」。それを見ていた学生が噴き出してしまい、動画の意に反しそれから暫く「肉の塊」というワードが流行っていた。ユーモアには知性が必要だが、シリアスにも知性や品性が必要だった。

    で、本書は短編集で、上記を思い出したのは「脂肪の塊」というタイトルがきっかけ。調べると、おデブちゃんくらいのニュアンス。このおデブちゃんはプリティな娼婦だが、プロイセンの士官に身体を求められる。それに応じなければ、前には進めないよ、という

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    2025年10月16日
  • 感情教育(上)

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    きぃみらフランスブンガクなんてよま〜ないとおも〜いな〜がら〜♪
    あとすこ〜しぼくにぃちかづいてほしくて♪

    あいみょ〜ん

    はい、モーパッサンやゾラの師匠的存在でフランス文学の巨匠、写実主義の確立者ギュスターヴ・フローベールの代表作『感情教育』です

    とにかく延々と続く情景描写を読みやすく訳すって大変だったと思うな〜
    すごいな太田浩一さん

    そして本作はなんとその訳者太田浩一さんの「まえがき」から始まります
    こんな構成珍しい
    で、その「まえがき」を要約すると…

    とにかく上巻は我慢せい!ってことらしいw
    下巻はめちゃくちゃに面白いから我慢せい!ってことらしい

    いやいや簡単に言うけど上巻だ

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    2024年06月08日
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~

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    作者のことは好きで何冊読んだが記憶してないが、どの作品もらしさが出ていて良かった。変に登場人物を作ったり、その説明がなくて読みやすいんだよな。やっぱり西洋人のコミュニケーション能力は成熟していて、自分の考えを見極めて生きている気がする。

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    2021年05月26日
  • 宝石/遺産~モーパッサン傑作選~

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     各編、キラリと光るものがあり、それぞれ面白いが、何と言っても、中編の『遺産』。

     フランス文学では、持参金や遺産相続を巡るスッタモンダを描いた作品が多いが、『遺産』も、伯母の遺言のせいで家族間に生じる悲喜劇を、著者ならではの辛辣な筆で描いた作品。

     その他の作品も、現代との時代の違いは感じるものの、気持ちのすれ違い、嫉妬、裏切りと不信、吝嗇といった普遍的な人間性を描いた話であるので、現在読んでも、とても面白い。

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    2020年10月19日
  • オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~

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     大学時代、フランス語の授業で初めて読んだ作品が、モーパッサンの『オルラ』であった。辞書を引いて、一語一語確認しながら読み進めていったが、ル・オルラと怪しいモノの名前が判明したところで、ゾッ〜とした記憶が残っている。

     モーパッサン晩期の中、短編になるが、コメディ調のもの、悲劇的なもの、ホッコリさせられるもの等々、バリエーションに富んだ編集で、読み応えがある。

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    2020年10月18日