小倉多加志のレビュー一覧
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ネタバレポアロ、縦横無尽の活躍。
「死人の鏡」「謎の盗難事件」「厩舎街の殺人」の中編が3つ、4つめの「砂にかかれた三角形」はやや短い。
「死人の鏡」依頼人から呼び出されて屋敷に向かったポアロ。時間に厳しい依頼人が夕食に姿を見せない。依頼人は部屋で死んでいた。夫人、養女、甥、弁護士や自伝の手伝いをしていた秘書的存在など、様々な登場人物の話を聞きながら、ポアロが暴いた真相。そんなにうまくいくのかな、と思いつつ、密室よりも重要な真実は隠された人間関係。
「砂にかかれた三角形」リゾート地でポアロが出会った人々。夫婦、有名な美女とその新しい夫、若い女性。トリックはあっさりしていて、それだけか、とも思う。し -
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ネタバレやや長めの短編3作と短めの短編1作から成る短編集。
「死人の鏡」が、物語としては一番よくできていると思うが、真相に疑問箇所がある。個人的に一番面白いと感じたのは、最も短いが、見事なミスディレクションの「砂にかかれた三角形」。
「厩舎街の殺人」
プレンダーリース嬢が田舎から戻ってくると、同居人のアレン夫人が死んでおり、当初は自殺と思われたが、他殺を裏付けるような事実が次々と見つかる事件。ポアロが現場を見て気づいたことが真相に活かされている点は見事で、動機にも捻りがあり、アタッシュケースの謎も面白いが、真相はイマイチ切れ味に欠ける。
「謎の盗難事件」
機密事項である爆撃機設計図が盗まれ、ポアロ -
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「検察側の証人」、「ラジオ」、「青い壺の謎」以外は、超常現象を扱った話。
超常現象を扱った話は、ストーリー自体に面白みがなく、すぐに忘れてしまいそうな作品ばかり(実際、既にほとんどの作品が思い出せない)。
唯一、「翼の呼ぶ声」は、お金持ちが持つ悲哀をうまく描けていると感じた。
「死の猟犬」は、意味不明な作品。"第六のみしるしの秘密"とは何だろうか。"円を閉ざさないように気をつけて"とは、どういう意味なのだろうか。なぜ、こんな意味不明の作品が表題作なのだろうか。
「ジプシー」と「S.O.S」は、ややこしい話で、一読では理解できずに読み返したが、たいした話で