小倉多加志のレビュー一覧

  • 死の猟犬

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    ポアロもマープルも出てきません。
    怪奇幻想のストーリーをまとめた一冊になってます。
    怪奇幻想に見せかけた殺人も登場します。
    映画化された名作「検察側の証人亅は最後にあっと驚く結末となってます。

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    2025年09月27日
  • 11の物語

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    ハイスミスの短編は、タイプの異なる独特な世界観がコンパクトに詰まっていて、とても面白かった。

    ハイスミスの魅力は何と言っても心理描写。
    主人公の頭の中を覗くように「なぜそんなことをしてしまうのか」が見えてきて、人間の本質が浮き彫りになる。

    最初は「この人ヤバい」と思っても、だんだん「でもそうなる気持ちも…」と共感してしまうこともあって、善と悪の境目がグラグラしてきてクセになってくる。

    私は頭の中で、不安や心配なことを自問自答して脳内反省会をしてしまう癖があるので、登場人物たちの不安や、それを必死に落ち着かせようとする姿に共感してしまった。

    これで自分が読むハイスミス作品は4冊目。『太陽

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    2025年09月10日
  • 死の猟犬

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    改めて自分はクリスティが好きなんだと思う一冊。
    最近ドイルの短編も読んだが、やはりクリスティの方が自分には合っている。話がいい具合に湿っている。
    オチが見える作品もあったが、興醒めするどころかニヤニヤしながらクリスティはどうやって締めくくるの?と期待して読み進める。それも含めて大好き。
    「検察側の証人」一つしか映像化してないようだが、自分が監督なら「「ラジオ」「青い壺の謎」「赤信号」「ジプシー」もぜひ手掛けたい!!
    「ランプ」は怖すぎてムリー

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    2025年04月04日
  • 死人の鏡

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    ネタバレ

    アガサ・クリスティの短編集は初めてだったけれど、予想以上に楽しめた。
    ポアロシリーズもので『厩舎街の殺人』『謎の盗難事件』『死人の鏡』『砂にかかれた三角形』の4作品。
    どれも短編とあって物語の展開がスピーディーでサクサク読めたし、読み応えにも満足。
    唯一の難は短編集なので登場人物表がないため人の名前が覚えられず、この人誰だっけ?と頁を後戻りして探す手間が増えたことくらい。

    短編だからといってもポアロの謎解きはいつも通り冴えているし、事件の真相もシンプルで理解しやすかった。
    今回の4編全て、真犯人や事件の真相が大外れで、最後のポアロの解説で驚き唸ってしまった。
    「自惚れというやつですよ!犯罪者

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    2024年06月09日
  • 死の猟犬

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    「検察側の証人」は名作。「死の猟犬」大戦中にベルギーで怪奇現象を起こした修道女の話。「カーマイケル卿の事件」灰色猫の謎で読んだ。魂の入替。面白い。

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    2022年01月23日
  • 死の猟犬

    購入済み

    クリスティの幻想怪奇をテーマにした短編集。怪異から心霊現象、憑依現象に予知能力。ミステリーの女王と言われるクリスティの深い教養、鮮やかなアイデアと物語の展開に魅了されました。
    唯一のミステリー作品である検察側の証人も驚きの結末でおもしろかったです。
    個人的なお気に入りは、第四の男、ランプ、アーサー・カーマイクル卿の奇妙な事件、最後の降霊会。

    #ドキドキハラハラ #怖い

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    2023年09月23日
  • 11の物語

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    以前「見知らぬ乗客」だったかな?デビュー作、めずらしく投げ出してしまったが、数年ぶりに手に取ってみて正解でした。きっと自分が成長したのだろう(と思いたい)。
    かたつむりに魅せられた男の奇妙な話とか(なぜかカタツムリの話が二編も入っている。ハイスミスはカタツムリに何か思い入れがあるのだろうか)、日常の延長線上に待ち構えていそうな、夫婦の最悪な結末が描かれている「モビールに艦隊が入港したとき」とか、私が好きな主題のひとつである”いかれた人”たちが描かれている「ヒロイン」「アフトン夫人の優雅な生活」とか。不気味、とは違うんだけど、どこか一本ずれているような世界に酔い続けていられる短編集でした。

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    2014年06月09日
  • 11の物語

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    全部読み終わってみると星ごこ付けずにはおれんかった…。やはりかたつむりです。かたつ無理。
    単純に端的に最大の こわい・きもちわるい かたつ無理が表現されているとおもいます。たまらん。
    全体的には救いようがない感じ。もやもやぞわぞわしながら、悪いことがおきそう、だめなオチがきそう、と思いながら読んで、あ、だめなパターンやな、となります。「すっぽん」「からっぽの巣箱」とデビュー作やという「ヒロイン」がよかった。ぞわぞわしながら読みました。あっ、いちばん好きなのはかたつ無理の2作ですっ!

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    2012年10月13日
  • 死人の鏡

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    ネタバレ

    『厩舎街の殺人』
    エルキュール・ポアロ・シリーズ

    ガイ・フォークス・デイの夜、花火の音にまぎれて発射された銃弾。密室の中で自殺と見える状態で発見されたアレン夫人。不自然な遺体。銃弾の跡と逆の手に握られた銃。再婚をまじかにしていたアレン夫人の過去。アレン夫人の親友であるプレンダリースの行動。死の直前にアレン夫人に会っていた強請り屋のユースタス少佐。

    『謎の盗難事件』
    エルキュール・ポアロ・シリーズ

    兵器省長官メイフィールド卿の屋敷で行われたパーティ。新型の爆撃機の設計図についての相談をしていたメイフィールド卿とキャリントン卿。部屋の中から盗まれた設計図。ドイツのスパイとの噂のあるヴァンダリ

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    2012年08月14日
  • 死の猟犬

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    アガサクリスティには珍しく、超常現象などを主に納めた、短編集です。

    他の小説では、現実味に溢れる、理に適った推理を展開するので、幽霊や超能力などとは無縁の人かと思っていたのですが、これを読むと、その考え方が変わってきます。

    アガサクリスティという人物が不思議に見えてくる一冊です。

    中には、ぞくっと来る短編も有りますので、ただの推理物に飽きた方は、是非お試しください♪

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    2012年02月20日
  • 11の物語

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    何といってもかたつむり・・・。食欲をなくすにはぴったりの作品をはじめとした短編集。文学的なものを読みたいけど、長編は、というときにいいかも。 心の中の不安をゆっくりとかき混ぜられるられるような。 狂気のふちを爪先立ちで歩くような。その境目は決して高くない。いつ向こう側に渡っていても、気づかないくらいの危うさ。

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    2011年09月19日
  • 死の猟犬

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    ネタバレ

    猟犬が関連したミステリはいくつかある。
    本短編集にも、猟犬にまつわる話が一つある。

    短編集の名前は、どの短編の名前にするかは迷わないのだろうか。
    しばしば、一番いいと思うものでない名前になっていることもある。

    本編は、2週間楽しむことができました。

    短編集には、他の作品と関連した話題、用語をみつけるのが楽しみです。
    似た構造、似た登場人物、似た風景、似た駅名があると、
    アガサクリスティものを読み進むときのヒントになります。

    自分では、ミステリと怪奇物の区別がつきません。ごめんなさい。
    ネタばれになるといけないのでこのあたりで。

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    2011年08月14日
  • 死人の鏡

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    ネタバレ

    厩舎街の殺人
    謎の盗難事件
    死人の鏡
    砂にかかれた三角形
    の4作品を所蔵。

    最初は短編だと気がつかずに、読んでいて、あれ本の途中で結論がでて、終わるのかと思ったら、短編集でした。

    厩舎街の殺人は、ガイフォークスデイという記念日の意味を知ることができました。
    推理小説には、自殺か他殺かが問題になる筋書きは、いろいろありますが、他殺である場合が多いようです。

    謎の盗難事件では、書類の盗難事件が課題となる。他の作品でも書類の盗難が話題になったことがある。似ているところもあれば、似ていないところもある。

    似た作品があると、作品の違いを楽しむことができるか、辟易としてくるかは、

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    2011年08月14日
  • 11の物語

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    変な言い方かもしれないが、上品でしっかりしたクラシックなホラーで心地いい。ちょっと長いが星新一みもある。短いスティーブン・キングみもある。

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    2025年10月02日
  • 11の物語

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    ネタバレ

    ヴィム・ヴェンダース監督「PERFECT DAYS」(パーフェクトデイズ)にて、平山(役所広司)の妹の娘ニコ(中野有紗)が、平山の部屋の文庫本を読んで、
    「おじさん、わたし、この『すっぽん』って話好きかも。ヴィクターって男の子の気持ちがわかるっていう意味」
    母が迎えに来たとき、
    「おじさん、ねえ、おじさん。わたし、ヴィクターみたいになっちゃうかもよ」
    という場面が強烈だったので、積読を崩してみた。
    勝手に初読のつもりでいたが、実は「厭な物語」(文春文庫)で「すっぽん」のみ既読だった。
    再読してみて、確かにこの作品への言及は大きい要素だなと思った。
    また、他の短編も読んでよかった。
    作者が同性愛

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    2025年07月22日
  • 11の物語

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    ミステリー仕立ての純文学という感じで普段あまり読まないタイプ、というか似てる人があんまいない感じがする。たまにはこういうのも良い。
    『ヒロイン』という短篇が一番印象に残ったなーと思いながら解説を読むと、デビュー作だったらしい。初めて触れる作家だとばかり思ってたけど、映画『太陽がいっぱい』やヒッチコック『見知らぬ乗客』の原作者であったとのこと。改めて観直してみたくなった。

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    2025年04月13日
  • 11の物語

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    シャーリイ・ジャクスンから毒気を少しばかり抜きとり、世にも奇妙な物語をひとさじ足したような作品集。
    「すっぽん」は他の短編集で読んだことがあったけれど、ハイスミスの作風がここまでバラエティ豊かだとは!

    ヒッチコック風の「かたつむり観察者」、シャーリイ・ジャクスンみを感じる「愛の叫び」「野蛮人たち」、切ない読後感の「もうひとつの橋」が特に好き。
    日常に得体の知れないなにかが入り込み、もう今までの日々には戻れない...という「からっぽの巣箱」もよかった。
    ある事象が起きたときに、なぜか過去のやましい記憶を(ほんとうはなんの関係もないとしても)関連づけてしまう、不思議な感覚に共感を覚える。

    すっ

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    2025年02月13日
  • 死の猟犬

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    怪奇現象やオカルトをテーマとしているので、全編暗めの短編集。心霊系もあれば人間の怖さを扱うものもあり、どの話も基本的に登場人物が少ないのでさくさく読めるのがいいところ。
    割と早い段階で先が予想できるものもあるが、そのままでは終わらない捻りのある結末はさすがのクリスティ。この作品以外でも降霊会はたびたび出てくるので作者の好きなモチーフなのだろう。
    特に『ランプ』『ラジオ』『検察側の証人』『青い壺の謎』がお気に入り。

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    2025年01月11日
  • 11の物語

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    映画「perfectdays」にて取り上げられた本。
    それを機に読む人も多いだろうが、私もその1人。
    映画の中で、「不安を描く天才」と評されていたハイスミスだが、まさにその通りだと感じた。
    人間の根底にある、軸としてある恐怖や狂気を短編で上手く表現している。ハイスミスならではの、含みのあるラストは読者の不安感を拭わせることは無い。

    短編でサクッと読めて、それぞれ違った物語が展開されつつも、全体的なテーマとして不安がある。バッドエンド好きには刺さりそう。

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    2025年01月04日
  • 死人の鏡

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    どれも読み応えがあって面白かった。
    『謎の盗難事件』と『砂に描かれた三角形』は、読み進めていくうちにドラマを観た記憶が蘇ってきて、また映像で観たくなった。
    個人的には、一番短いけど一番衝撃的な『砂に描かれた三角形』が好み。インパクトすごい。
    他の方も書いていたけど、短編でも各話の最初に登場人物一覧をつけてほしい。『死人の鏡』なんてもうだれがだれやら。
    それと、毎回言ってる気がするけど、ポアロシリーズは翻訳がしっくりこないものがときどきある。ドラマの印象が強いからか、ポアロさんには「〜だぜ」なんて言ってほしくないんだよなぁ。だれに対しても敬語を使う方が潔癖で上品なキャラクターに合ってると思う(個

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    2024年10月20日