11の物語

11の物語

たまたま台所にあったボウルに入っていた食用かたつむりを目にしたのがきっかけだった。彼らの優雅かつなまめかしい振る舞いに魅せられたノッパート氏は、書斎でかたつむり飼育に励む。妻や友人たちの不評をよそに、かたつむりたちは次々と産卵し、その数を増やしてゆくが……中年男の風変わりな趣味を描く「かたつむり観察者」をはじめ、著者のデビュー作である「ヒロイン」など、11篇を収録。

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11の物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ハイスミスの短編は、タイプの異なる独特な世界観がコンパクトに詰まっていて、とても面白かった。

    ハイスミスの魅力は何と言っても心理描写。
    主人公の頭の中を覗くように「なぜそんなことをしてしまうのか」が見えてきて、人間の本質が浮き彫りになる。

    最初は「この人ヤバい」と思っても、だんだん「でもそうなる

    1
    2025年09月10日

    Posted by ブクログ

    以前「見知らぬ乗客」だったかな?デビュー作、めずらしく投げ出してしまったが、数年ぶりに手に取ってみて正解でした。きっと自分が成長したのだろう(と思いたい)。
    かたつむりに魅せられた男の奇妙な話とか(なぜかカタツムリの話が二編も入っている。ハイスミスはカタツムリに何か思い入れがあるのだろうか)、日常の

    0
    2014年06月09日

    Posted by ブクログ

    全部読み終わってみると星ごこ付けずにはおれんかった…。やはりかたつむりです。かたつ無理。
    単純に端的に最大の こわい・きもちわるい かたつ無理が表現されているとおもいます。たまらん。
    全体的には救いようがない感じ。もやもやぞわぞわしながら、悪いことがおきそう、だめなオチがきそう、と思いながら読んで、

    0
    2012年10月13日

    Posted by ブクログ

    何といってもかたつむり・・・。食欲をなくすにはぴったりの作品をはじめとした短編集。文学的なものを読みたいけど、長編は、というときにいいかも。 心の中の不安をゆっくりとかき混ぜられるられるような。 狂気のふちを爪先立ちで歩くような。その境目は決して高くない。いつ向こう側に渡っていても、気づかないくらい

    0
    2011年09月19日

    Posted by ブクログ

    変な言い方かもしれないが、上品でしっかりしたクラシックなホラーで心地いい。ちょっと長いが星新一みもある。短いスティーブン・キングみもある。

    0
    2025年10月02日

    Posted by ブクログ

    ミステリー仕立ての純文学という感じで普段あまり読まないタイプ、というか似てる人があんまいない感じがする。たまにはこういうのも良い。
    『ヒロイン』という短篇が一番印象に残ったなーと思いながら解説を読むと、デビュー作だったらしい。初めて触れる作家だとばかり思ってたけど、映画『太陽がいっぱい』やヒッチコッ

    0
    2025年04月13日

    Posted by ブクログ

    シャーリイ・ジャクスンから毒気を少しばかり抜きとり、世にも奇妙な物語をひとさじ足したような作品集。
    「すっぽん」は他の短編集で読んだことがあったけれど、ハイスミスの作風がここまでバラエティ豊かだとは!

    ヒッチコック風の「かたつむり観察者」、シャーリイ・ジャクスンみを感じる「愛の叫び」「野蛮人たち」

    0
    2025年02月13日

    Posted by ブクログ

    映画「perfectdays」にて取り上げられた本。
    それを機に読む人も多いだろうが、私もその1人。
    映画の中で、「不安を描く天才」と評されていたハイスミスだが、まさにその通りだと感じた。
    人間の根底にある、軸としてある恐怖や狂気を短編で上手く表現している。ハイスミスならではの、含みのあるラストは読

    0
    2025年01月04日

    Posted by ブクログ

    面白いね
    解説で稀有な作家と評されるがまさにその通りだと思う。
    いわゆる人間の心理を描く繊細さが群を抜いて優れている。
    11個の短編の登場人物全てが印象的だった。
    それはなぜか。
    その答えは彼らが唯一無二であるからだ。
    現実の個人が全て異なるのならば、小説の世界の個人もまた全て特異であるべきだ。

    0
    2024年08月21日

    Posted by ブクログ

     短編なのに読み応えがあり、世界観が出ているのが凄い。作者自身がカタツムリ好きなのが分かる。カタツムリが出てくる作品って珍しいのに、11の物語の中で2回も出てくるなんて。「クレイヴァリング教授の新発見」は衝撃でした。あっさり見つかるところから始まるのが意外。
    個人的には「すっぽん」と「ヒロイン」が好

    0
    2024年05月07日

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