志坂圭のレビュー一覧

  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    慶長十七年(一六一二年)、庄司甚右衛門は幕府に対し、傾城町築造を願い出た(傾城とは、美女に入れあげると城や国を傾けるという中国の故事に由来する)。これにより傾城町設置の沙汰が下り、葺屋町の二丁四方が与えられた。これが吉原遊郭のはじまりとされる。このころの遊女の数は千余名。

    江戸はこの後、急速に発展し、吉原という悪所が江戸の中心であることを懸念した幕府によって移転が命じられた。  明暦二年(一六五六年)、浅草浅草寺北の日本堤、通称浅草田圃と呼ばれる地が候補地となり、元吉原の五割増しの面積を許可されることで移転に承諾。これにより日本最大の色里が公許となった。天保のころには六千を超える遊女が籍を置

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    2023年02月02日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    飢饉の村から始まり、大遊郭での奉公、その後の顛末まで、常に死と隣り合わせの花魁の人生がずっしりした悲劇で描かれる。
    でも題名の通り滔々とした展開で、花魁モノ特有のドロドロは無くどこか朝ドラ的な悲劇が、後半に選び縋る救いへの導入を違和感なく表現している。

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    2022年10月15日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    駒乃ちゃん、最後に幸せを感じて死んでいったなら、めでたしめでたし。と思ってしまったけど、ホントの吉原はもっと壮絶なんだろなと、考えさせられた。

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    2022年07月03日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    なんとなく気になって読んだ本であるが、読み進める手が止まらなかった。あっさりしすぎている感も否めないが、知らなかった世界を知ることができた。

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    2022年05月05日
  • 姉さま河岸見世相談処 未練づくし

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    ネタバレ

    シリーズ第二弾。元花魁・七尾が吉原で探偵として活躍。助手は幽霊の女の子。謎のくノ一・ハルとは?続編に期待。

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    2022年04月27日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    人買いに連れられ吉原へ着いたのがわずか9歳、労咳で長崎にて亡くなったのが32歳、短かったけれど凝縮された人生か…。
    飢饉の有様から始まったお話、中盤は吉原での悲喜こもごも、最終盤は足抜けして長崎で。
    終盤までは非常に興味深かったお話、終盤にもうちょっと肉付け出来たらもっと良かったかとおもいます。

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    2021年11月08日
  • 姉さま河岸見世相談処

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    ネタバレ

    元花魁が探偵の活躍をする時代ミステリー小説。ミステリーだが、シリアスではなく、随所にお笑い要素あり。『滔々と紅』より砕けた感じ。語り調で読みやすかったが、語り部は意外な人物だった。

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    2021年10月30日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    『本のサナギ賞』第1回受賞作品。
    文芸に新風を起こすべく立ち上げた新人賞。
    選考委員には、書店員が加わる。

    本を売るプロとも言える書店員のお眼鏡に叶う作品となれば、今の時代の読者が求める作品ということになるだろう。


    さて、内容は462ページという長編ながら一気に読みたくなる作品だった。

    江戸時代の重なる悪天候で飢饉は常態化し、土地によっては餓死者が半数にも及ぶ勢い。
    そんな中、女衒が死体を縫うようにある村を訪ねるシーンから始まる。

    食べるものがない村から吉原へ。
    そこは天国にも地獄にも変わる場所。
    主人公の駒乃は、頑固で口が達者な女の子9歳。
    ガリガリで真っ黒な貧相な体はバカにされる

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    2021年09月03日
  • 天生の狐

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    ネタバレ

    面白かった。女忍者の話だが、忍者としての描写は少しだけ。仇討ちの本懐は遂げたが、弟の善久郎が…。筆者の『滔々と紅』の様に、長編だが読みやすい。雷桜の遊を思い出した。

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    2021年07月09日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    ネタバレ

    連作短編のようで、読みやすかった。滔々ととあるが、まさに流れるような人生。人買い、吉原での生活、水揚げ、花魁昇格、火事、足抜け、結婚出産、いろいろあったが、なつめの死が辛かった。

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    2021年05月13日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    吉原の花魁となった駒乃がしっかりと逞しく生きていく物語。人の巡り合わせの不思議がいろいろとありながら、生き抜いていくという言葉がぴったりのような人生の最後は幸せだったのだろうか。話のポイントは深いところにあるはずだか、ちょっと掴み難かったかな。

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    2021年01月06日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    やむを得ない事情で吉原遊郭に口入りした少女が花魁に出世し、ゆくゆくは足抜けを企て悲惨な結末に陥る、そんなありがちな物語だろうとタカをくくっていましたがいい意味で裏切られました。精緻な吉原の情景描写にあたかもその街にいるかのような感覚さえありました。

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    2020年04月05日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    天保八年。奥州を襲う大飢饉により九歳の少女が女衒の手によって、江戸吉原の大遊郭へ売り飛ばされる。
    吉原の仕来りに抗いながらも、禿、新造を経て、やがて花魁へ。
    吉原からの足抜け。それは死を意味するが...
    最期の救い、心のよすがは宗教か。宗門に帰依すると。
    吉原を題材にした作品は数多あるが、本作はその中でも良作。物語を読ませながらも、細かな仕来り、風習、意味を新書のようでありながら、自然に表している。吉原物になると、どうも女郎の恨みつらみの暗い作品になりがちだが、爽やかさすら醸し出ている。
    吉原題材だと『さゆり』が個人的にはベストだが、本作もとても良い一冊でした。

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    2019年03月10日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    久しぶりに本で泣いた。吉原に売られ、禿から一流の花魁になってゆく主人公の話。花魁話にありがちな男を取り合ってキャットファイト等なく、当時の花魁の生活がリアル。賞受賞作にも納得。

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    2018年09月20日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    「読み終えたときは胸が震えた。」
    ・・・それはない。
    ☆3.5

    吉原のしきたりや専門用語がわかりやすく記してあり、
    吉原初心者向け入門書的な側面もあったりなかったり。

    翡翠姉さんが抱きしめてくれるエピソードが好き。
    そして、いつしか艶粧が翡翠姉さんの様になるのも好き。
    願わくば、艶粧が禿を抱きしめるエピソードがあれば良かったのに。
    (なかったと思うが・・・あったのかな?)

    後半に起こる悲劇は、たしかに大きな悲劇。
    読み手としては結構なダメージ。

    その後の展開はちょっと駆け足過ぎる。
    急展開過ぎて、主人公の思いが重く感じられない。
    もっともっと膨らまし掘り下げる要素があったのではなかろう

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    2018年06月26日
  • 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    ネタバレ

    表紙がダメ-!この表紙で読む気無くすよ。内容がよかっただけに勿体ない。跳ねっ返りの娘が徐々に花魁になっていく過程がよかった。気怠げな様子がしずしずと出てた。うまく足抜け出来てキリスト教の教徒になれてよかった。

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    2016年07月02日
  • 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    吉原を題材にしたお話。
    一人の娘、駒乃の一生の話だった。
    色んな縁が重なり合って驚くこともあり、感動することもあった。
    昔の地名や昔の言い方にも現代の地名、言葉を()で書いてあったのもあり、深く想像して読みすすめることが出来た。
    文章も分かり易くすらすら読めた。

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    2015年06月05日
  • 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    吉原を舞台にしたフィクション作品。
    花魁(おいらん)を取り巻く小さな世界(町)の物語だが、みるみる主人公が成長していく姿に引き込まれる。
    主人公の気持ちが手に取るように分かる記述は、さすがだと思う。
    もうちょっと時間軸の流れ方をゆっくりにしてもいいなぁと思うので、★4つ。
    ドラマ観ている感覚で楽しい一冊です!
    *ディスカバーさん、ありがとう!!

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    2015年03月12日
  • 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    ディスカヴァー・トゥエンティワン社による書店員が選ぶ新人賞「本のサナギ賞」第一回受賞作。
    エンターテイメント小説という枠で歴史モノとはどうだろうかという不安は程なくして無くなりました。
    吉原の女性たちの生き様という内容だけ聞くと暗く感じますが、主人公の駒乃やその周りの人物たちのキャラクターが明るく一つのエンターテイメント小説となっていました。特に駒乃と他の女性とのやり取りは時にコミカルで歴史モノであることを一瞬忘れる程でした。
    話の流れや駒乃の口調が途中で気になるところがあったので★4にさせて頂きましたが、個人的には駒乃の「ありんす言葉」がツボだったので★5あげたかったです笑

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    2015年03月09日
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)

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    ネタバレ

    天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。
    駒乃→禿時代は しのほ →引込禿 駒乃 →引込新造 明春 →附廻(花魁) 艶粧(たおやぎ)へ。

    抱えるのは振袖新造の「風巻(しまき)」と禿の「なつめ」。
    振った相手になつめが殺され、キリシタンとなるべく足抜けし、
    足抜けした相手、林太郎と供に長崎へ向かう。
    子供「光太郎」を生み育てる。
    そして、実の母と弟の生死を知る。
    労咳になり、光太郎を残してこの世を去る。
    もう一人の子供「なつめ」に会いに行く。32歳。

    とても読みやすい。
    花魁という世界を解りやすく書いてある。

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    2024年12月09日