【感想・ネタバレ】ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

今、行ける吉原

大飢饉で餓鬼と乞食と屍人が溢れる地から吉原へ売られてきた少女の一生のお話。

吉原の生活はもとより姉女郎(先輩)とのやりとり、昇進、禿(後輩)との関係など、作者は昨日まで吉原で生活していたのではと思うほどリアルかつわかりやすく描かれている。うっかりすると「〜ありんす。」が移りそうに...続きを読むなるくらい。

とても面白く読んだが、恐ろしいのは人の慣れ、順応性の高さだと感じた。

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ネタバレ購入済み

面白い

2023年04月06日

あまり有名ではないのか?すごく面白いので是非読んでもらいたい。歴史ものは苦手だが寝る間を惜しんで読んだ。話もゆるむことなく進むので面白い。性的な描写などもあまりないため苦手な人でも読めると思う。花魁の人生を描いた作品だ。

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Posted by ブクログ 2022年01月30日

身売りされる前の生活や吉原での出来事など細かく書かれていて苦しい。
話の最初と最後が繋がった瞬間のああ!!ってなる感覚。

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Posted by ブクログ 2018年04月02日

多くを語らずテンポよく進む文体から登場人物の雰囲気が感じられて、良質な落語の人情噺を聞いたような読後感がある。

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Posted by ブクログ 2017年10月13日

吉原の日常や、そこで生きる女達の人間模様がスッキリと書き綴られていて、最終までスッキリと読み終わった。

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Posted by ブクログ 2021年09月03日

『本のサナギ賞』第1回受賞作品。
文芸に新風を起こすべく立ち上げた新人賞。
選考委員には、書店員が加わる。

本を売るプロとも言える書店員のお眼鏡に叶う作品となれば、今の時代の読者が求める作品ということになるだろう。


さて、内容は462ページという長編ながら一気に読みたくなる作品だった。

江戸...続きを読む時代の重なる悪天候で飢饉は常態化し、土地によっては餓死者が半数にも及ぶ勢い。
そんな中、女衒が死体を縫うようにある村を訪ねるシーンから始まる。

食べるものがない村から吉原へ。
そこは天国にも地獄にも変わる場所。
主人公の駒乃は、頑固で口が達者な女の子9歳。
ガリガリで真っ黒な貧相な体はバカにされるほど。

その女の子が、持ち前の一徹な性格で、何度も折檻されながらも自分を通しのし上がってゆく。
客の中にいろんな人物が現れる。
吉原という異質な場所を文献をもとに丹念に盛り込んだこの作品は、リアルな痩せっぽちの女の子のサバイバルストーリーになっている。

機転の効く主人公は、足抜けにやっと成功し、医者の次男坊と長崎へ医術の修行旅に。

登場人物も興味深い面々が現れる。
読み応え十分な作品。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月13日

連作短編のようで、読みやすかった。滔々ととあるが、まさに流れるような人生。人買い、吉原での生活、水揚げ、花魁昇格、火事、足抜け、結婚出産、いろいろあったが、なつめの死が辛かった。

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Posted by ブクログ 2020年04月05日

やむを得ない事情で吉原遊郭に口入りした少女が花魁に出世し、ゆくゆくは足抜けを企て悲惨な結末に陥る、そんなありがちな物語だろうとタカをくくっていましたがいい意味で裏切られました。精緻な吉原の情景描写にあたかもその街にいるかのような感覚さえありました。

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Posted by ブクログ 2019年03月10日



天保八年。奥州を襲う大飢饉により九歳の少女が女衒の手によって、江戸吉原の大遊郭へ売り飛ばされる。
吉原の仕来りに抗いながらも、禿、新造を経て、やがて花魁へ。
吉原からの足抜け。それは死を意味するが...
最期の救い、心のよすがは宗教か。宗門に帰依すると。
吉原を題材にした作品は数多あるが、本作は...続きを読むその中でも良作。物語を読ませながらも、細かな仕来り、風習、意味を新書のようでありながら、自然に表している。吉原物になると、どうも女郎の恨みつらみの暗い作品になりがちだが、爽やかさすら醸し出ている。
吉原題材だと『さゆり』が個人的にはベストだが、本作もとても良い一冊でした。

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Posted by ブクログ 2018年09月20日

久しぶりに本で泣いた。吉原に売られ、禿から一流の花魁になってゆく主人公の話。花魁話にありがちな男を取り合ってキャットファイト等なく、当時の花魁の生活がリアル。賞受賞作にも納得。

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Posted by ブクログ 2018年02月03日

第一回 「本のサナギ賞」受賞作(全国の書店員が選ぶ新人賞)



天保八年、飢饉の村から9歳の少女・駒乃が江戸吉原へ売られた。

勝気な駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、

様々な事を学び、人気花魁へと成長する。

そして、彼女が最後に下す決断とは。。。





私の吉原のイメージは、
...続きを読む
表面は華やかだけど、

その裏では、悲しみに満ちた女たちの暗く陰湿な生活が。。。

というイメージが強かったのだけど、

この本では、それほど重くのしかかるような暗さはなく、

元気な女たちが描かれていて、ちょっとほっとした。



登場人物も個性たっぷりで、物語の展開も面白く、

華やかな花魁たちを想像しつつ読めるので楽しめる。

映画化もできそうかなぁ。。。なんて思ったり。



それと、吉原についての説明が細かく書かれていて、

なるほど。。。と、いろいろ勉強?になったかも。



欲を言えば、最後の展開を、もう少し濃く描いてほしかったかなぁ。。。

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Posted by ブクログ 2017年09月20日

2017/09/20
解説を除くと462pと(私にとっては中々)充分なボリュームだったけど読み始めるとあっという間だった。
一章の中にも区切りがあるのも読み易かったのかも。
吉原の話は笑えるような軽めな話もあるし、心中の話など辛い話もある。でも少し心がホッとなる話もある。
楽しいとこだけ、辛いことだ...続きを読むけの話じゃなかったのも良かった。
しっぽり部分は少なめだったのは意外だった。
吉原の説明(大門入ってからの事や建物とか)丁寧に分かりやすく書いてた印象。
教科書みたいな所もあるけど想像しやすかったなー。

ただ解説でこの話を現代の学校に置き換えて書いてたけど、全く印象が違った。
駒乃と鈴がちょいちょい絡むんかと思ったわ。
なつめの話は喉の奥が狭くなりました、いつの間にか感情移入しちゃってたわー

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Posted by ブクログ 2023年12月28日

絶望的な飢饉の村から吉原に売られた少女は、やがて遊郭でとんとん拍子に花魁にまで成り上がり、情夫をこさえてまんまと足抜けを果たし、自分のために身を盾にして死んだ禿の魂を救うべく長崎へ。その地で暫しの平穏な暮らしを過ごした後、病を得て儚くなる。村を出てから二十三年後のことであったそうな。

本編開幕の天...続きを読む保八年八月は大阪で大塩平八郎の乱が起きた頃。少女の暮らす奥州の村では地獄絵図が広がっていたが、苦界、吉原では飢えることもなく、時折脱走にしくじった遊女の折檻や、痴情がもつれた相対死の騒動は起きるものの、総じてほのぼのゆったりと平穏な時が過ぎている様な印象であった。振られ続けて逆上した武士の客が刀を振り回すまでは…。

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Posted by ブクログ 2023年11月21日

遊郭や時代小説に全く親しんでこなかった上での1冊目としては最適だったと思う。随所の細かな説明が、初心者には興味深かった。

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Posted by ブクログ 2023年05月10日

その日は雨模様で
外に出るのも
おっくうで
何か肩の凝らない時代小説でも
と 思って読みだした
積読の中の一冊

これが
見事に 大正解
物語の面白さははむろんのこと

その時代の
そのころの あれやこれやの
下調べが 相当なものだったのであろう
ところが 随所に感じられる

実に ていねいに書かれ...続きを読む
「吉原モノ」であります

お陰様で
まさに晴耕雨読的には
はまった 一冊でありました

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Posted by ブクログ 2023年04月13日

勝ち気で負けず嫌いな描写が一貫して描かれている
上位の立場の人にも媚びない姿は清々しい
拾われたことの口もろくに聞けない頃から、立派な花魁になる過程を読むので主人公に感情移入する
人に特段愛情を抱かなかった主人公が、使いの〜をひどく気にいる(表向きは厳しく接しているものの)のは、後に昏睡状態に陥り、...続きを読む寺へ埋葬し、長崎へ向かうことを人生の大きな意義と見出すことで表現されている

絶望的な地獄
キリスト教が登場するのは意外だったが、信じる者が救われると布教する、何かに縋りたいと思ってしまうほどの絶望を持っていたのだろう

終盤、吉原を抜け出すシーンはもっと波瀾万丈紆余曲折があるものと思っていたので少し拍子抜け

キリストと〜太郎(簀巻きにされて川に投げ込まれた男)とのリンクや、小指を切り落とすほどの恋をするものと思っていたので、伏線だと自分が思っていたところがそう出なかったのは少しガッカリ
一緒に連れて行かれたもう一人の子も途中から描かれなくなり終盤は存在を忘れていた

古めかしい文学的な表現が多くて好き

水揚
手練手管
同衾

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Posted by ブクログ 2023年02月23日

吉原遊廓の花魁の話を続けて読む。

こちらは天保8年からの23年間。
人の命が軽い時代。
飢饉で飢餓に喘いで餓鬼の様に生きるより、吉原で暮らす方がマシ、というような。

駒乃の、どこでどう暮らそうとも、自分を見失わない強さに圧倒される。
艶粧花魁へと成長した駒乃の禿、なつめの明るさも逞しくて好ましい...続きを読む

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Posted by ブクログ 2023年02月02日

慶長十七年(一六一二年)、庄司甚右衛門は幕府に対し、傾城町築造を願い出た(傾城とは、美女に入れあげると城や国を傾けるという中国の故事に由来する)。これにより傾城町設置の沙汰が下り、葺屋町の二丁四方が与えられた。これが吉原遊郭のはじまりとされる。このころの遊女の数は千余名。

江戸はこの後、急速に発展...続きを読むし、吉原という悪所が江戸の中心であることを懸念した幕府によって移転が命じられた。  明暦二年(一六五六年)、浅草浅草寺北の日本堤、通称浅草田圃と呼ばれる地が候補地となり、元吉原の五割増しの面積を許可されることで移転に承諾。これにより日本最大の色里が公許となった。天保のころには六千を超える遊女が籍を置き、もっとも多いときには七千を超える遊女が籍を置き身を売りながら生活していたといわれる。  芦屋町一帯が葦という植物の群生地で、葦の原から葦原と呼ばれ、葦は『悪し』につながり縁起悪とされ、転じて『良し』とし、吉原と命名したといわれている。移転以前を『元吉原』、移転後を『新吉原』と称す。

「柳の木のところに左に折れる道があって、そこから坂になっている。衣紋坂と呼ばれる坂だ。吉原を訪れる客はそこへくると着物の衣紋(襟)を整えるからそう呼ばれるようになったそうだ。その先が五十間道だ」

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Posted by ブクログ 2022年10月15日

飢饉の村から始まり、大遊郭での奉公、その後の顛末まで、常に死と隣り合わせの花魁の人生がずっしりした悲劇で描かれる。
でも題名の通り滔々とした展開で、花魁モノ特有のドロドロは無くどこか朝ドラ的な悲劇が、後半に選び縋る救いへの導入を違和感なく表現している。

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Posted by ブクログ 2022年07月03日

駒乃ちゃん、最後に幸せを感じて死んでいったなら、めでたしめでたし。と思ってしまったけど、ホントの吉原はもっと壮絶なんだろなと、考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2022年05月05日

なんとなく気になって読んだ本であるが、読み進める手が止まらなかった。あっさりしすぎている感も否めないが、知らなかった世界を知ることができた。

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Posted by ブクログ 2021年11月08日

人買いに連れられ吉原へ着いたのがわずか9歳、労咳で長崎にて亡くなったのが32歳、短かったけれど凝縮された人生か…。
飢饉の有様から始まったお話、中盤は吉原での悲喜こもごも、最終盤は足抜けして長崎で。
終盤までは非常に興味深かったお話、終盤にもうちょっと肉付け出来たらもっと良かったかとおもいます。

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Posted by ブクログ 2021年01月06日

吉原の花魁となった駒乃がしっかりと逞しく生きていく物語。人の巡り合わせの不思議がいろいろとありながら、生き抜いていくという言葉がぴったりのような人生の最後は幸せだったのだろうか。話のポイントは深いところにあるはずだか、ちょっと掴み難かったかな。

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Posted by ブクログ 2018年06月26日

「読み終えたときは胸が震えた。」
・・・それはない。
☆3.5

吉原のしきたりや専門用語がわかりやすく記してあり、
吉原初心者向け入門書的な側面もあったりなかったり。

翡翠姉さんが抱きしめてくれるエピソードが好き。
そして、いつしか艶粧が翡翠姉さんの様になるのも好き。
願わくば、艶粧が禿を抱きし...続きを読むめるエピソードがあれば良かったのに。
(なかったと思うが・・・あったのかな?)

後半に起こる悲劇は、たしかに大きな悲劇。
読み手としては結構なダメージ。

その後の展開はちょっと駆け足過ぎる。
急展開過ぎて、主人公の思いが重く感じられない。
もっともっと膨らまし掘り下げる要素があったのではなかろうか。

ラストシーンは「今更そんな事言われてもなぁ」ってカンジ。
そんなうまいこといかんやろ、と。
中盤までは面白かったのに、それに比べると薄いと言ってもおかしくない終わり方。

半ば「ジャケ買い」だったが十分楽しめた一冊。

書店で平積みされていたわりに感想があまりあがってないあなぁ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月11日

帯の煽りや解説の評価ほどではなかったなぁ。
良かったし、 面白かったけど、駒乃が淡々としてるせいか全体として薄ぼんやりというか、薄い気がする。
しっかりと苦界の世界を書いてるのに、印象が薄いんだよねぇ。
キリストに浸透してくのも駆け足で、いきなり?という気がしたし。
でも駒乃が足抜けをする様はすかっ...続きを読むとしたな。

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Posted by ブクログ 2017年09月07日

吉原の話は、時代背景が好きなのでよく読むテーマですが、これは前評判のわりには、私的にはイマイチだったかなぁ。可もなく不可もなし。
文書は読みやすいけど、コクがなくて、伝えたいものが曖昧な気がする。
かくれキリシタンの話をもう少し突っ込んでもよかった気がするけど。
かくれキリシタンには興味持ったので、...続きを読む他の本で深めてみようかな。

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Posted by ブクログ 2024年01月26日

第一回本のサナギ賞受賞作。サナギの名の通り、文芸に新風を起こした新人賞である。
天保の大飢饉のとき、九歳の少女駒野は、飢饉の村から吉原へ売られていった。吉原での苦界のなか、数多くの仲間、女たちが死に、彼女は、最後にどこへ向かったのか。どのような人生を送ったのか。

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Posted by ブクログ 2022年11月23日

おもしろかった。

個人的には火事のところ松吾郎のところが一番好き。

普段読まない歴史物だけれど、好きな吉原遊廓の話だと言うことで読んでみた。読まずに積み上げてた事もあったけれど分かりやすく、読みやすかった。
花魁としての気概が出てくる描写がよかったな。

一緒に連れてこられた鈴や簀巻きから生き延...続きを読むびた松吾郎のその後も気になる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月02日

吉原に売られた少女が花魁になって巡り合わせにより足抜けし、長崎でキリシタンとなる望みを果たす。
たくましく生きる駒乃、運も良かったが逆境を切り開いていく強さが潔くて、最後の少々早過ぎる死も幸福だったと思えた。
吉原の仕組みに詳しくなった。

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Posted by ブクログ 2020年09月05日

読みやすいし、面白くない訳ではないけど、何故か読みきるのに時間がかかってしまった。
視点が駒乃の側にはあれど、内にはないためにか少し淡白な印象だった。
売られる商品として扱われながらも、背筋を伸ばして何者にも屈しない気概を持った駒乃の生きざまは気持ちがいいけれど、こんな生き方はしないですむならそれに...続きを読むこしたことはないな。

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