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全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞
第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場!
「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介
<あらすじ>
天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。
忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。
「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな……
地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」
本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
『本のサナギ賞』第1回受賞作品。
文芸に新風を起こすべく立ち上げた新人賞。
選考委員には、書店員が加わる。
本を売るプロとも言える書店員のお眼鏡に叶う作品となれば、今の時代の読者が求める作品ということになるだろう。
さて、内容は462ページという長編ながら一気に読みたくなる作品だった。
江戸時代の重なる悪天候で飢饉は常態化し、土地によっては餓死者が半数にも及ぶ勢い。
そんな中、女衒が死体を縫うようにある村を訪ねるシーンから始まる。
食べるものがない村から吉原へ。
そこは天国にも地獄にも変わる場所。
主人公の駒乃は、頑固で口が達者な女の子9歳。
ガリガリで真っ黒な貧相な体はバカにされるほど。
その女の子が、持ち前の一徹な性格で、何度も折檻されながらも自分を通しのし上がってゆく。
客の中にいろんな人物が現れる。
吉原という異質な場所を文献をもとに丹念に盛り込んだこの作品は、リアルな痩せっぽちの女の子のサバイバルストーリーになっている。
機転の効く主人公は、足抜けにやっと成功し、医者の次男坊と長崎へ医術の修行旅に。
登場人物も興味深い面々が現れる。
読み応え十分な作品。
Posted by ブクログ
天保八年。奥州を襲う大飢饉により九歳の少女が女衒の手によって、江戸吉原の大遊郭へ売り飛ばされる。
吉原の仕来りに抗いながらも、禿、新造を経て、やがて花魁へ。
吉原からの足抜け。それは死を意味するが...
最期の救い、心のよすがは宗教か。宗門に帰依すると。
吉原を題材にした作品は数多あるが、本作はその中でも良作。物語を読ませながらも、細かな仕来り、風習、意味を新書のようでありながら、自然に表している。吉原物になると、どうも女郎の恨みつらみの暗い作品になりがちだが、爽やかさすら醸し出ている。
吉原題材だと『さゆり』が個人的にはベストだが、本作もとても良い一冊でした。
Posted by ブクログ
吉原を舞台にヒロインが駆け抜ける。
「本のサナギ賞」受賞作。
天保の飢饉。
9歳の少女・駒野は吉原の遊郭へ売られた。
すぐは吉原に馴染めず反発していたけれど、禿となり、成長して新造となり、ついには花魁へ。
ある日、足抜けを決行するが…
勢いのある読みやすい文章で、どんどん話が進みます。
艶っぽさはあるが、不幸も悲劇もあり、花魁は粋で気丈でカッコいい。
吉原というと思いつくような要素が、全部入っている印象です。
ということは、先行作品とイメージが違わないということでもあるでしょうか。先行作品といっても、そんなにいくつもない‥?
時代小説にはよく、ちらっと出てきますが。
悲劇で終わらないところが、いいですね。
一気読み☆
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