【感想・ネタバレ】ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)のレビュー

あらすじ

全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞

第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場!

「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介

<あらすじ>
天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。
忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。
「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな……
地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」

本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。

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面白い

あまり有名ではないのか?すごく面白いので是非読んでもらいたい。歴史ものは苦手だが寝る間を惜しんで読んだ。話もゆるむことなく進むので面白い。性的な描写などもあまりないため苦手な人でも読めると思う。花魁の人生を描いた作品だ。

0
2023年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連作短編のようで、読みやすかった。滔々ととあるが、まさに流れるような人生。人買い、吉原での生活、水揚げ、花魁昇格、火事、足抜け、結婚出産、いろいろあったが、なつめの死が辛かった。

1
2021年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙に惹かれて手に取った。
吉原で学び、適応し、悩んで、それでも自分を見失わない主人公の格好良さに惚れます。
衝撃的な展開や苦しい描写はありますが読めて良かった。儚さの中にある美しさを垣間見ました。
最後は切ないけれど、自分の生を全うできたと笑って逝ったので読後感は悪くありません。いい作品でした。

0
2025年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
吉原ものはよく読むけれど、これは日常生活が生き生きと細かく描かれていて新鮮だった。
なつめどんが素直で可愛かったから、泣けた。主人公はちょっと気が強すぎて、その融通がきかないせいで死傷騒ぎを起こすことに。
そのあたりが、あまり好きじゃないかな。

0
2025年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

帯の煽りや解説の評価ほどではなかったなぁ。
良かったし、 面白かったけど、駒乃が淡々としてるせいか全体として薄ぼんやりというか、薄い気がする。
しっかりと苦界の世界を書いてるのに、印象が薄いんだよねぇ。
キリストに浸透してくのも駆け足で、いきなり?という気がしたし。
でも駒乃が足抜けをする様はすかっとしたな。

1
2019年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。
駒乃→禿時代は しのほ →引込禿 駒乃 →引込新造 明春 →附廻(花魁) 艶粧(たおやぎ)へ。

抱えるのは振袖新造の「風巻(しまき)」と禿の「なつめ」。
振った相手になつめが殺され、キリシタンとなるべく足抜けし、
足抜けした相手、林太郎と供に長崎へ向かう。
子供「光太郎」を生み育てる。
そして、実の母と弟の生死を知る。
労咳になり、光太郎を残してこの世を去る。
もう一人の子供「なつめ」に会いに行く。32歳。

とても読みやすい。
花魁という世界を解りやすく書いてある。

0
2024年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉原に売られた少女が花魁になって巡り合わせにより足抜けし、長崎でキリシタンとなる望みを果たす。
たくましく生きる駒乃、運も良かったが逆境を切り開いていく強さが潔くて、最後の少々早過ぎる死も幸福だったと思えた。
吉原の仕組みに詳しくなった。

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2022年05月02日

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