あらすじ
四十近くで容色おとろえないのは吉原七不思議、きりっとした美貌で殿方を振り返らせる――元花魁の七尾姉さんは、落籍されたのに吉原に舞い戻り、千歳楼という見世を営む変わり者。酒にめっぽう目がないが、人の情けもめっぽう深く、悩み事を解いてゆく。「気がふれた花魁の謎と真っ黒こげの骸(むくろ)があがった騒動」や「花魁が寵愛する猫の消失とカラスの出現」等々……酒を呑み呑み度胸一つ、難事を丸く収めてみせましょう。
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Posted by ブクログ
元花魁が探偵の活躍をする時代ミステリー小説。ミステリーだが、シリアスではなく、随所にお笑い要素あり。『滔々と紅』より砕けた感じ。語り調で読みやすかったが、語り部は意外な人物だった。
Posted by ブクログ
元花魁の七尾姉さんは、落籍されたが、旦那が亡くなり、また、吉原に舞い戻り、千歳楼という見世を営んでいる。
4年前に禿として来た・たまきが、2年前に、風邪が元で、呆気なく死んでしまい、金福寺の快源和尚のお経が「ありがたくなかった」という理由で、未だ、成仏せず、時々、七尾姉さんの元にやってきて、何かと、手伝っていく。
「お経がありがたくなかった」と言うより「姉さんが心配でまだまだしばらくは成仏できそうにない」と言うのが本心のよう。
お酒に目が無く、少し天然で、人情深い七尾姉さんが、吉原で起こる、悩み事や、難事を解決していく。
物語は、七尾姉さんと一緒に吉原に売られて来て、一年目に呆気なく死んでいった二つ違いの妹の語りで進む。