東堂燦のレビュー一覧

  • 海月館水葬夜話

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    ネタバレ

    その町の人は海神様より命をいただき、死して海神様への元へと還る。
    そんな信仰がまだ根強く残る港町での死者との交流、と言っていいのか。
    未練があって海神様の元へ還れずにいる死者の後悔を晴らす手伝いをしている湊。
    ただその晴らす後悔の先には、容赦ない現実があって、なかなか心を抉ってくる。
    身内を裏切ってまで愛する人を手に入れたのに、その人は実は……
    血まみれの彼女が望んでいたことは、実は……
    作中2話は本当に結構容赦がない。

    中には、感動系の話もある。
    はとこの話は美しい情景描写も相まって、胸打たれる話となっている。
    双子の話も、兄の本当の想いを知ると、景色が反転するのが見事。

    主人公の湊自身

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    2020年08月01日
  • 薔薇に雨 孤高の王子に捧げる初恋

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    ネタバレ

    世の中の全ての人が持っている精霊の加護が得られないことで、生きていくことも難しいファラ。そんな彼女が精霊の加護を多く持つ人がいる場所に進むために学業にいそしみ、トップをとり続けるも、やはり精霊の加護がないことで卒業ができない状態に。

    そんな彼女のために王子サーリヤから指導を受けることになって、ちょっとだけど精霊の力を使うことができるようになったのに、サーリヤが傷を負ったことでまた精霊の力が使えなくなる。

    世の中の人が普通にできることができない。勉強だとがんばれば成果が出るのに生まれ持ったものはどうしようもない。そんな彼女の葛藤がなんともいえません。

    二人のその後のお話も是非読んでみたいと

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    2016年08月13日
  • 十番様の縁結び 8 神在花嫁綺譚

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    亡びた神在たちの組織≪埋火の聲≫が起こした事件の報告の為に一ノ瀬家の領地・雨霧を訪れた真緒と終也。そこでも埋火の聲絡みの事件が起きる。前巻で自身が傷を負うことになったにも関わらず争いではなく話し合いを望む真緒の強い思いが周囲にどれほど影響をあたえられるのか、どんどん表に出てきた組織との関係はどうなっていくのか。ますます続きが楽しみ。

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    2025年07月27日
  • 十番様の縁結び 7 神在花嫁綺譚

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    第二部スタート
    花絲の街で外つ国の格好をした娘が攫われる事件がある。そして、時を同じくして、女を探す少年が…
    神が去った神在家の人々で構成される集団。そして、神在家も今まで横のつながりはなかったが、横のつながりを作る事で、神在の存在を継続できるようにしていこうとする…
    真緒のPTSDが復活。自己犠牲と、自己の過小評価が凄すぎて、読むと心が痛くなる。

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    2025年03月09日
  • 百番様の花嫁御寮 神在片恋祈譚

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    やり取りが繊細で、ゆっくり浸りながら読めました!十番様シリーズを読んで、手にしましたが世界観が繋がっているように感じました。

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    2024年09月08日
  • 十番様の縁結び 5 神在花嫁綺譚

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    本編は回顧録の様な感じでした。8番様の話は哀しかったです。今後も他の神様達の話も作品化される様ですが本編の続きが早く読みたいです。

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    2024年07月23日
  • 十番様の縁結び 5 神在花嫁綺譚

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    本編は続きが気になる終わり方で、次巻がとても楽しみ。
    本編は何だか回想の印象が強かった。
    だけど今まで未知の過去の流れがイメージに重なって現れて来た。
    内容的には特別短編の方に集中してしまった。
    八塚の話がもっと知りたいと思った。

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    2024年02月16日
  • 十番様の縁結び 5 神在花嫁綺譚

    ネタバレ 購入済み

    短編をなぜ入れたのか?

    お話はワクワクする内容でした。
    でも、すでに発表済の短編をここに入れずにストーリ―を完結してほしかったです。
    続きを楽しみにしていた分、本編の続きをまた待たなくてはいけなくなりがっかりしました。

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    2023年12月27日
  • 十番様の縁結び 3 神在花嫁綺譚

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    真緒と終也は二番様を有する二上の依頼で、雪に閉ざされた、二上の地へ訪れる。
    病床の妻の死装束を作ってあげたい、当主と自分に価値がないからと拒否する妻。
    しかし、真緒の存在はそんな優しさから拗れた2人の関係を解し、安らかな死出の旅路を迎える。
    また、二上の地で出会ったのは、療養中の末の皇子の志貴。
    穢れたゆえに、帝位争いから遅れをとる志貴も、真緒の優しい考えにふれ、真緒に執着する。

    やっぱり、男が話す場面でも、「お話」のような、女が使いやすい言葉が出てきたりして、いろんな意味で違和感。
    後は、人の心の動きの描写も微妙で、恋心も凄く幼い。
    でも、「だって神様なんだもん」が免罪符(笑)
    キャラクタ

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    2023年04月03日
  • 十番様の縁結び 神在花嫁綺譚

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    ネタバレ

    真緒ちゃんも終也も最初からブレずに互いを思い続けたなあと。
    真緒ちゃんは、それが恋心に育つまでにはまだ少しかかるかもだけども。
    終也に関しては一歩間違えばストーカーレベルだけども。

    真緒ちゃんはこれまで虐げられてきたことに加えて、十織家の一員として認められるまでにまた虐げられる状態。
    終也は先祖返りのせいで、肉親からも嫌われるという、夫婦揃って苦難の連続。
    でも「目」のいい真緒ちゃんの真っ直ぐな想いが、こんがらがった状況を調えていく。
    大団円と言い切るには、まだ安心できる状況ではないし、真緒ちゃんの血筋にも謎がありそうで、全ての伏線が回収されたわけではないけれども、少なくとも終也と家族の状態

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    2022年05月10日
  • 海月館水葬夜話

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    言葉で説明すると、結構暗めでホラーに近いミステリーで伝わるかもしれませんが、東堂さんの繊細で美しい文章・描写で怖さが緩和されたように感じました。

    全4章+αの連作短編集です。それぞれ海月館に訪問する死者がなぜ後悔の念に囚われているのか?
    主人公・湊が穏やかに解決していきます。
    読み進めていくと、湊と何かしら繋がりがある人ばかり登場するのですが、最後の方になると、さすがに繋がりすぎなのではとツッコミを入れたくなってしまいました。
    それぐらい多くの人物が登場します。死者達の哀しみや怒り、痛みがヒシヒシと伝わり、切なすぎる気持ちにもなりました。

    全体的に哀しくもあり、切なくもあり、残酷な内容でも

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    2020年07月26日
  • ガーデン・オブ・フェアリーテイル 造園家と緑を枯らす少女

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    妖精憑きの撫子。植物が大好きなのに、触ると枯らしてしまう。
    大好きなものの命を奪うことしか出来ないなんて、辛すぎる。
    それなのにとにかく明るい撫子が不思議でならなかった。どんなに花織に冷たくされても、めげない感じも...
    終始不思議な雰囲気で、お伽話のなかに入ったような気がする本だった。

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    2019年07月05日
  • 魔女の赤い太陽 樹海の娘と月狩りの騎士

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    ネタバレ

    最初はルーナエのお師匠様のアロやイグニスの関係が全く分かりませんでしたが、イグニスが去り、アロが意味深な手紙を残して行方不明になって、ルーナエが王宮に向かってからは、だんだんと明らかになることがカチッとはまって、最後はそうだったのかって、納得して終わりました。

    イグニスの隻眼の理由やルーナエの里が全滅した理由、あの彼女が魔女になった理由もすべてがつながってます。

    ただ、ルーナエが王宮に到着したときミセルにされた拷問は、こういうレーベルにしてはめずらしく、ほんとめちゃくちゃやられてて、かなりかわいそうでした。
    ふくらはぎに剣とか殴られて蹴られて頭踏まれてって・・・。
    ひどすぎます。

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    2016年06月22日