五味洋治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高容姫について知りたくて読書。
グーグル日本語入力で「こよんひ」で変換すると、高英姫と高容姫が変換候補が出てくる。
以前は、英と考えられていたが、現在では、本書のタイトルのように容が正しいそうだ。それにしても、日本語入力で変換されることに改めて驚く。
「金正恩の母」として知られる高容姫。大阪生まれの在日コリアンからファーストレディ(そんな概念は存在しないが)まで上り詰めた女性。
本書は、高容姫の人物史、ヒューマンストーリーとなっている。
読み物として引き込ませてくれる。過去の多くの研究資料・文献をベースに著者の粘り強い取材を加え、大阪周辺に残る親族など関係者へ聞き取った証言も明らかにしている点が興味深い。
もう1つ驚いたのは、金正恩氏の血縁者が日本に50人以上はいると推定されること。
どこまでを血縁者に数えてるか、わからないものの、金正恩氏の血縁者ということは、妹の金与正氏、娘のジュエ氏、兄の金正哲氏にとっても血縁者ということになる。
この数年、正恩氏の朝鮮学校や朝鮮総連への言及が増えている背景には、日本の血縁者の存在なども影響しているかと想像を膨らませると面白い。
母親の存在を明らかにできない悔しさやコンプレックスが、金正恩氏の現状に大きな影響を与えているのではないかと著者は考察する。
張成沢の粛清、韓国を敵国として統一路線を放棄、朝鮮学校や朝鮮総連を重視する姿勢、さらには、中国と距離を置きロシアと距離を縮める離中親露路線などなどにも影響しているのだろうか。
第7章の最後で、
日本政府も北朝鮮を危険で異端な国と見るだけではなく、日本との「血のつながり」という新たな視点を持って、さまざまな懸案の解決と、将来の関係正常化へ向けた努力を続けてほしい。(p247)
本書からは日朝関係を考えるうえで、新しいヒントを知ることができる。
あとは、金正恩氏が自身のコンプレックスを乗り越え、克服できた時に大きく変わり、日本にとっては良い方向へ動き出すのではないかと思ったりもした。
読書時間:約1時間25分 -
Posted by ブクログ
本書は北朝鮮の「プリンス」である金正男氏が自身の言葉で語る日本への不法侵入事件の顛末、弟である金正恩との水面下での対立、彼を保護している中国、北朝鮮のあるべき姿について率直に筆者に語る貴重な資料です。
漫画家の西原理恵子画伯によると、2001年の5月に金正男氏が『ディズニーランドにいきたかった』という理由で来日した際に、新宿二丁目界隈は上に下にの大騒ぎとなり、専門誌では『やったぜ! 地上に降りた僕らの天使』というコピーの下、大々的な特集が組まれたのだそうです。
それはさておき、本書は北朝鮮のプリンスこと金正男氏と筆者による2004年から2011年の足掛け7年にもわたる150通ものメールのやり取りにとる『対話』と本人へと敢行した7時間にも渡るインタビューの様子を収録し、今、最も注目されるキーパーソンへ肉薄した貴重な記録であり、ここではじめて公開され貴重な文書も多いことから、今後、北朝鮮を研究する第一級の資料になることはいうまでもないでしょう。
僕は一気に読み終えて最初に戻ったときに、筆者と金正男氏のやり取りが7年を一気に凝縮したものだということを再確認しました。読んでいるときは時間の概念を超越できるので、リアルタイムで物事が進んでいるものだとつい錯覚してしまうのです。
つまりは、それくらいスリリングで刺激に満ちたものであったということです。様々な毀誉褒貶が飛び交う彼の人物像ですが、ここでのメールをやり取りを見る限りでは非常に思慮深く、取材者に対する丁寧な言葉遣いや、メールの末尾には必ず『よい週末を! 金正男拝』というメッセージを欠かさないなど、相手に対する尊敬の念を絶やさない彼の姿が浮き彫りになっていて、その辺は凄く衝撃的なものでありました。
筆者とのやり取りで、大変な読書家でもある彼は祖国である北朝鮮の動向を冷徹なまでに観察しており、弟であり現在国家元首でもある金正恩に対しても手厳しいながらも、よい方向に導いて欲しいというある種の『願い』もしくは『祈り』にも似たようなメッセージを送っていたことが印象的でした。
途中で筆者が公開したメールの内容が北朝鮮本国を刺激したとかで彼自身の下に『警告』が送られてきたとされるときはメールの内容はより婉曲的になってきたものの、一国の「プリンス」それも我々から決してうかがい知ることができない国のキーパーソンであるだけに貴重な発言が多かったと思いました。
彼が国を追われたのはスイスに留学し、資本主義的な思想に染まり、その言動が父親である金正日の怒りを買ったからではないかということをほのめかしておりますが、今後の彼の動向が一国の運命を左右することはおそらく明確であると思われますので、そういった意味でも本書は世に問われた意味があるかと思われます。
※追記
本書は2016年10月7日、文藝春秋より『父・金正日と私 金正男独占告白 (文春文庫)』として文庫化されました。金正男氏は2017年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で顔面に神経剤「VX」を塗られ毒殺されました。享年45。この場をお借りして、あらためてご冥福を申し上げます。 -
Posted by ブクログ
金正恩政権と北朝鮮の現状について知りたくて読書。
指導者の健康情報は極秘扱い(p32)
この小見出しに尽きると思う。
民主主義である日本ですら昨年、安倍首相(当時)の健康情報の噂が入り乱れたことは記憶に新しい。一党独裁、情報が厳しく統制されている北朝鮮であればなおさら表に出てこない。
北朝鮮建国からの歴史を学んでいれば、北朝鮮は指導者の健康に関する情報を巧みに主に内政に利用してきたことがわかる。
それを踏まえると“金正恩重体説”などを脱北者が把握できる情報ではないことは明らかだ。ましてや中国人民解放軍関係者が把握できるものではないだろう。多くが願望混じりの噂や戦略として流された情報と考えるほうが現実的だ。
慢性的な食糧不足に加えて、コロナ禍の今、北朝鮮経済が非常に厳しいことが報じられている。
北朝鮮経済の現状に関心があるので、第三章 三重苦にあえぐ北朝鮮の実態をしっかりと読ませてもらった。
北朝鮮の生命線とも言えるのが、中国との関係だろう。
二つの国は、三つのものでつながっている。それは貿易と観光、朝鮮戦争だ。(p207)
中国は昨年の朝鮮戦争参戦70周年を内政利用して反米キャンペーンを大々的に実施するなど北朝鮮を有効活用している。
確かに貿易面での中国依存は国連制裁強化の影響で年々高まり9割を越えるなど経済面でも依存しているように思える。
しかし、北朝鮮は本当に中国を信用しているのだろううか。確実に手放すことはないだろう核兵器は表向きは対米だが、本心は中国からの侵略に備えての核武装なのではないだろうか。
最後に日朝関係についての言及があるが、日本が北朝鮮との関係を改善させて、国交を樹立させるのが日本の国益になるのか。
万が一、日朝関係が好転、進展したとする。そうすると国益に反するであろう中国や韓国がどう動くのか気になる。
中国は北朝鮮を経済だけなく領土的に取り込みたいと考えているだろうし、理想主義の韓国のリベラリストたちは、韓国主導での統一を夢見ているだろう。それぞれ日本がどのような影響を受けるのかを綿密にシミュレーションして、今後の日朝関係を考えていく必要がありそうだ。
読書時間:約55分 -
Posted by ブクログ
北朝鮮の権力者にかかわる女性について知りたくて読書。
まだ金与正がほぼ表に出ていなかった2016年4月発売。改めて今読んでみると示唆に富んでいる。金与正と金敬姫が近いことが分かる。
ある北朝鮮研究者は、独裁国家にナンバー2は存在しないと指摘する。対外的な序列、元首は存在するも実際は独裁者の兄弟、家族、親族しか信用しない部族・王朝スタイルで統治されるからだろう。
北朝鮮の権力者とそれを取り巻く「大奥」は、まさに封建社会、李氏朝鮮時代そのままの現代へタイムスリップしているように思えてくる。リアル宮廷女官チャングムの誓い。現代日本人からはまったく想像できない教科書の世界だ。
また全体を通して著者の取材力のすごさを実感させてくれる。本書では多くのインタビュー内容が盛り込まれていてグイグイと引き込ませてくれる。
第1章の金与正と第7章を個人的に精読。
北朝鮮の女性の権利や立場、状況について日本のフェミニストたちが糾弾している声をあまり耳にしない。なぜだろうか。
女性に限らず、独裁国家は、権力者とその一部の周りの人間以外の人間は権利も自由もない奴隷同然なので男女問わず運命を自分の意志では決めることができないのは当然と言える。
脱北者全体の7割が女性である点も興味深い。やはり北朝鮮が変わるためには脱北した元北朝鮮人たちの存在が鍵となるのだろうか。
読書時間:約1時間45分 -
Posted by ブクログ
先月に発生し世界中を騒然とさせた金正男暗殺事件。もともと謎多き人物であった正男氏に対し、メールあるいは直接の対面を通じて行われたさまざまなやりとりをまとめたものが本書である。正男氏との接触は世界的に見ても例がすくなく、ましてや「渦中の人物」となった現在は、広く知られるべき貴重な資料であるといえるだろう。じっさい、ワイドショーの解説においては、本書からの引用も見受けられた。さて、肝腎の内容であるが、なんといっても気になるのはやはり政治的な主張。通信はつねに傍受されるおそれがあり、また行動もつねに監視対象となっているため直接的におおきな主張はしていないが、それでも正男氏がつねに強い改革志向を抱いていたことがうかがえる。オビ裏には「反世襲、反核開発、反原発。」との文字が躍っているが、このような先進的な主張が、独裁者の代名詞である「金王朝」のプリンスから発せられたことは大変な驚きである。悪の象徴といった正日氏や正恩氏と比べ、正男氏はネット住人に「まさお」の名で呼ばれるなど人気があったが、じっさい本書を読んでみても、正男氏が正恩氏とおなじ遺伝子をもっているとはとうてい思えないほどで、とても感じの良い人柄がしのばれる。生まれてきた家が悪かったのかなとも思ってしまう。ただ、暗殺されたいまとなっては、正男氏の真の姿はもはや誰も知ることはできないであろう。また、正男氏は本作の出版について、もうすこし時間を置くことを要望していたという。時間的な開きを考えると、本作が暗殺の直接的な契機となったとは思えないし、じっさい本書の出版とは関係なく、数年前からずっと暗殺計劃が存在していたことが報じられているが、やはりそういう人物であるからこそ、もうすこし慎重に記すべき部分もあったと思われる。また、せっかくなのだからもっと写真や図版を載せてほしかった。
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Posted by ブクログ
「英語と中国語10年後の勝者は」五味洋治小学館新書2023年。
以下ネガティブなコメントです。なんともモヤモヤする内容。結論は今後の子供は両方やらんといかんと言う事。
社会人の自分の英語・中国語勉強には役に立つ情報はなかった。
知らない情報はもちろんたくさんあったが、大枠は他の中国ウォッチャーの書き方と同じだった。
・中国の経済発展で中国語学習熱が高まる
・中国国内の英語学習塾の勃興と衰退
・落ち目の日本と日本語学習者の減少
・日本の学生の英語学習の新事例
テキストなど指導方法の充実した中国企業の英語学習塾は、中国人の奥さんがいる筆者ではないと普通の日本人には利用難しい。そもそも円安で元払いは安くはない。更にその企業自体も中国政府の規制強化で、教育事業を縮小して業種を変えようとしているとの事で、この本で紹介されても今後の参考にはならなさそうな話だった。。。