マット・ヘイグのレビュー一覧
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【目次】
Ⅰ 落ちる
僕が死んだ日/なぜうつは理解されにくいのか/美しい眺めを前にして/時を越えた対話――その一/薬嫌い/うつは命をおびやかす病/うつ持ちには言うが,他の理由で命が危ない人にはぜったいに言わないひと言/逆プラシーボ効果/傘もなく雨に打たれる/行きあたりばったりの人生/心の計り知れない大きさと複雑さ/希望を与えられないという重圧/低気圧にすっぽりはまって/僕に現われたさまざまな症状/つらい日々を蓄えておく/うつがうつ持ちに言うこと/事実として/窓にひたいを寄せて泣きつづけた/まずまず普通の子ども時代/昔のダチがやってきた/男の子は泣かない?
Ⅱ 底を打つ
桜の花の季節に/ -
Posted by ブクログ
人生をどこかでやり直せるとしたら、私の人生はどう変わるだろうか。
ある人生の決断が迫っていて、これで良いのだろうか?何が正しいのだろうか?決め手を見出せず、何かしらの決め手を求めていたところ、行き着いたのがこの作品でした。
当時の私は、これまで歩いてきた人生の延長線上にしか立てない自分が苦しい、狭い、そんなふうに感じて苦しんでいました。
読み始めて数ページ、すぐに主人公に共感できた私は、初めて過去に歩いてきた道に大きな後悔と不満のなかにいたようです。大きな人生の岐路とも言えるのかもしれません。
主人公は自分が嫌で、現実が嫌で、過去の決断も現在の関係も何もかもにうんざりしています。
その中で、 -
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ネタバレ読み終わって、気づいたらなんだかとても元気が出た!(元気をもらった!)
読み始めた時点で結末がわかるような話なのに、そこに辿り着くまでに起こる様々な出来事やドラマ、気づきがあって、それが深いゆえにとても良かった。
ノーラは色々な可能性を実際に試したからこそ納得ができた。私たちにもそういう機会があれば良いのだろうが、そうはいかず今の人生がベストという実感がないからこそ、隣の芝生が青く見えがち。だけど、ノーラが気づいたように、私たちには自分の芝生を美しくできる可能性がちゃんとある。だから、今はそうは思えなくても、自分でつくっていったらいい。
と同時に、誰かの期待に応えるのをやめようと思っても -
購入済み
今、みんなに読んでほしい。
人生やり直せたらなとか、あの時に違う選択をしていたら、、って思うことは誰しもあるはず。
この本は、よくある、「タイムスリップして、過去の人生をやり直す」のではないところが斬新だし、考えさせられる。
考えさせられるけど、重くないし、説教臭くもない。
ぜひ、多くの人に読んでほしい作品です。
なお、英語の原書の方も読みましたが、翻訳でもしっかりニュアンスが伝わってくるので、翻訳でがっかりということもないです。 -
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「2019版SFが読みたい!」に紹介があり、面白そうだったので読んでみた。面白かった。遅老症の主人公は、16世紀生まれで、400歳を超える。見かけは、40歳ぐらいにしか見えない。400年前に愛したローズを忘れられず、ずっと孤独に過ごして来た。シェイクスピア、クック船長、フィッツジェラルドなど歴史上の人物とも接してきた。400年ぶりに帰ってきたロンドンで、歴史教師としてカミーユという女性に出会う。ここから止まっていた時間が動き出したのではないか。遅老症というあり得ないSF的な設定を描きながら、人間にとっての時、人生、そして愛について考えさせるのである。そう言えば、バンパイヤも同様に長命だったけ。
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Posted by ブクログ
古市憲寿さんが2023年だったかな?おすすめ本に挙げられていた一冊。
BTSメンバーも読まれたそうです。
きっと多くの人が考えたことがある「たられば」の物語。
「あのときこうしていれば」「違う選択をしていたら」
生きていれば、そんな後悔は日常的に感じるものだと思います。
大きなものから小さなものまで、気にし始めたらキリがないくらい。
スーパースターになっていたかも?
オリンピック選手になっていたかも?
そんな夢物語のような人生を体験して、そこで何を思い何を考えるのか。
自分だけど自分じゃない人生を生きて、最後にノーラが選ぶ道。
感じ方は人それぞれだと思うけど、人生に後悔がある人のは、一 -
Posted by ブクログ
紹介動画から興味を持って即購入。
人生のタラレバが解消できる鍵になるかとおもったが、
主人公の後悔した人生のやり直しの設定に無理があってこれじゃ実際どう自分が感じるかは分からないから結局違和感で終わってしまうよなーとも思った。
しかし人生の分岐はいくつもあって、その結末を見ることで今の人生何が必要だったのか気づいていく。そしてどの人生が良かったとかでなく人生の諸行無常を感じながらも愛し愛され人とつながることの大切さ、何を大切にしたいかを自分自身が決める意思が必要なんだと言うメッセージ性があると思った。
海外文学だがとても読みやすい翻訳ですぐに読めた。