立川武蔵のレビュー一覧
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インドに始まり、アジアを貫く一大思潮である仏教の初期からの歴史を素人にも解りやすく書かれた本です。
ブッダ、阿弥陀仏、大日如来の違いも理解できました。
第1章 ブッダの一生
第2章 ブッダの面影と新しい仏
第3章 アジアに広がった仏たち
第4章 日本に花開いた仏教
終章 回帰するブッダ
読んでみて、釈迦が始めた仏教と、今現在日本で信じられている仏教は、まったく別物であるということ。しかしながら日本人の価値観・風土に馴染んだ仏教もそれはそれですばらしいモノです。
人間生まれて死んでいくわけですが、生きている限り幸せに暮らすため、お釈迦さんの教えをどう生かすかのか、自分自身で納得いく人生をどう作 -
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インド思想史の専門家である著者が、インド仏教との比較をまじえながら、最澄と空海の思想について論じた本です。
著者には、『密教の思想』(吉川弘文堂)や『ヨーガの哲学』(講談社現代新書)などの著作があり、空海についての叙述がメインになるかと思っていたのですが、天台教学にかんする解説が、かなり切り詰めたスペースでありながらも簡潔にして要を得た整理になっており、個人的には学ぶところが多かったように感じています。ただし、本書の議論の下敷きになっているのは、著者の理解するところのインド仏教における存在論であり、天台教学に内在的な立場からの分析にはなっていない点には注意が必要でしょう。とはいうものの、空・ -
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仏教における最重要概念の一つ「空」、その誕生から近代に至るまでをを追った一冊です。思想史と銘打っていますがその多くはインド仏教に割かれており、「空」概念の概要をつかみ、また変遷を追うには最適と申せましょう。
第二章「ヒンドゥー哲学と空思想」では、バラモン正統派思想と初期の仏教思想を図を用いて比較しています。全体的に図や記号を用いた表現が多いためややとっつきにくいですが、慣れてしまえばわかりやすいかと思われます。
仏教は我々の多くに馴染み深いものですが、「空」思想となると触れる機会もあまり多くないのではないでしょうか。インド、中国、日本と、各地における「空」思想を解説しているため、「空」を学 -
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著者自身が浄土宗立の中高卒業した経験や、家の宗旨が浄土真宗だったというバックグラウンドをもって、インド、タイ、ラオス、中国などの仏教が伝播していった地域を訪問した感想が1テーマ2ページほどでまとめられている。
過去の事実を解説している中で時折著者自身の話が混ざり込んできて混乱することもある。
仏教に広がりをざっと短時間で旅情的に雰囲気を感じとりたい人にはおすすめするが、しっかりわかりたい人には物足りないが、テーマを与えられた課題としてさらに深堀りするキーワードとして活用できるので、よい整理がされていると思う。一方でミャンマーや密教の話が多かったのでバランスがいいわけではない。
仏教美術として曼 -
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日本における仏教の歴史が大きく変わる時(いや、この本によると、二人が変えたのかもしれません…)、
居合わせた二人の大使…出生から成長、掴んだ地位によって置かれた立場、それによって選ばざるを得なかった生きざまの違いを比較することによって、新たな世界が見えてきます。最澄と空海の時代に降り立った私は、更にブッダの時代に遡ったりしながら、仏教の潮流を観ようとしています。
インドから中国、そして日本へと伝わった仏教の源流から、途絶えながらも、解釈され、成長してきた仏教について、更に深く知りたくなってしまいました。
私が得た情報から推察される最澄は、どちらかというと勤勉で秀才タイプの人だった -
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立川武蔵先生の「ブッダをたすねて」を読んで、もっと仏教のことが知りたくなった‼️
この『ブッダをたずねて』では、ゴータマ・ブッダの生涯を紀元前463年頃に生まれ、紀元前383年頃没という説が有力だとしています。ドイツの哲学者K・ヤスパースは、ゴータマ・ブッダ、ソクラテス、孔子、イエスを含む時代を『枢軸の時代』と名づけました。
この四人の巨人は、人間一人ひとりがかけがえのないものであると主張したのです。「人間には親族や仲間がいます。しかし、誰もが一人ひとりの生を生き、そして一人で死んでいかなければならない」という個々人の魂の救済をどうするのかという問題を、ブッダ、イエスたちは扱ったのです -
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仏教をはじめとするインドの思想において重要な位置を占めてきたヨーガについて、インド哲学の専門家である著者が解説している本です。
本書では、心の作用の止滅をめざす「古典ヨーガ」と、反対に心の作用を活性化するとともにその作用を統御することをめざす「ハタ・ヨーガ」を中心に、その実践の方法とそれらの背景にある思想について説明がなされています。また、ヨーガの歴史についても簡潔な説明がなされており、中観と唯識、さらには禅とヨーガとの関係が明らかにされています。
ヨーガをテーマにしている本書は、さまざまな関心をもつ読者の手にとられているのでしょうが、ヨーガの思想と歴史について手堅くまとめられており、オー -
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[ 内容 ]
あらゆる宗教の根源存在である「聖なるもの」は、仏教においてどのような姿でイメージされたのか。
儀礼をキーワードに、仏・菩薩と人間との関わりかたの具体的なプロセスを通じて、いよいよ仏の本質へと迫る。
[ 目次 ]
第1章 仏のすがた
第2章 仏への行為
第3章 ヴェーダ祭式ホーマ
第4章 ブッダの涅槃
第5章 仏塔の意味
第6章 プージャー―宗教行為の基本型
第7章 ジャータカ物語と仏の三身
第8章 大乗の仏たち―阿弥陀と大日
第9章 護摩―儀礼の内化
第10章 浄土とマンダラ
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