中島隆信のレビュー一覧

  • 新版 障害者の経済学

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    ■1027。一読。2023年01月14日。
    ・障害者のあり方や差別について幾つかの類型を区別したり、関連する法令を参照した上で、どのようなインセンティブ設計が好ましいかを考える。

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    2023年01月14日
  • 高校野球の経済学

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    野球というゲームのルールから説き起こしてその非効率性を論じ、それが日本において如何にして甲子園という高校野球にとっての聖地とそこで繰り広げられる国民的行事を生み出したのか、その歴史と構造を競争性、教育性、文化性、非商業性という著者独自の視点から明らかにする好著。
    高校野球は「重要無形文化財」高校球児は「特別天然記念物」と一見現在の高野連を揶揄するかのような表現があるが、全体を読むと100年の歴史の中で改善を重ねながら作り上げた甲子園を頂点とする巨大で精緻な仕組みに感嘆と敬意を抱いているように思う。その上で甲子園至上主義がもたらす弊害にも目を向け、プロ野球球団がユースアカデミーを設立することなど

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    2019年07月29日
  • 障害者の経済学(増補改訂版)

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    ネタバレ

    NHKオイコノミアで「おばさんの経済学」というテーマの解説者として出演時はオサレな品のいいおじ様という印象だった。

    障害者問題を経済学で中立的に善悪論ではなく行動の動機づけや詳細な資料で詳細に解説。これは同業者に紹介すべき良著。

    覚書
    目の前にいる障害者に対して健常者がとる行動を席をゆずる、無視、ねたふりという反応にわけて健常者自身の壁を説明。
    転ばぬ先の杖支援よりも生むが易し支援
    障害者雇用納付金制度で障害者の7割 14万人の雇用創出効果
    施設臭として管理的指導的支援をネーミング
    社会問題全体との共通項

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    2019年11月20日
  • お寺の経済学

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    最近実家の2か所ある墓のひとつを墓じまいした。先祖の歴史と弔いの場である墓に自分が手をつけることに躊躇しなかなか決断がつかなかった。この本はそんな自分の背中を押してくれる一助になった。江戸時代に確立された檀家制度を基盤とするお寺が今日大きな曲がり角を向かえており、今後どのように変わっていくのかという視点を中心に置きつつ、仏教の歴史、お寺に関わる諸制度、現場が抱える様々な課題など
    が経済学的な視点から広く多角的に論じられていてとても興味深かった。私の中にあったお寺と墓に関する一種のタブーが取り払われた。

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    2017年05月31日
  • 障害者の経済学(増補改訂版)

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    比較優位の原則を用いたユニークな提言。
    Aに比べて絶対的に能力の劣るBとCであっても、自分の中で相対的に得意な仕事に特化することで社会全体の生産量を増やすことができる。
    つまり障がい者の場合でも、自分のもっとも得意なことを見出すことで社会に貢献することができるというもの。
    能力の違いを認め受容する社会がボランティア精神を求めるものでなく理に叶ったものであると認識されるならば、ノーマライゼーションは飛躍的に進むと思います。チョークの日本理化学工業もいい例。

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    2012年04月08日
  • 刑務所の経済学

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    【読書その35】内閣府の村木厚子統括官が、国家賠償金を長崎県雲仙市の社会福祉法人「南高愛隣会」に寄付し、障害を抱える累犯者の社会復帰支援や刑事司法制度の見直しに充てるための基金が創設されることになり、3月10日(土)にそのシンポジウムがあった。そのシンポジウムに参加し、改めて勉強しようと思って手にとった本。著者は、「障害者の経済学」で有名な慶応大学の中島隆信氏。
    人生に挫折はつきもの。人は、挫折を繰り返し、それを乗り越え、その都度、自分自身を見直し、人生をやり直していく。
    しかし、犯罪を犯した人は、それが一度であっても一旦「前科者」のラベルを貼られると、人生のやり直しをするのは非常に難しくなる

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    2012年03月20日
  • これも経済学だ!

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    この人の経済学というツールを用いた社会分析は本当に面白い。自分も経済学をこのくらいツールとしてコマンド出来たらいいなと常日頃思う。究極は恋愛を経済学というツールで分析してみたい!!

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    2009年10月07日
  • 新版 障害者の経済学

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    ネタバレ

    障害者について議論するとなると大概、同情や善か悪かの評価が加わってしまう。
    著者はそんな善悪論にとらわれない経済学の視点から冷静に障害者の実態や社会の改善点を解説してくれている。
    「障害者を作っているのは私たち自身である」という主張が印象的。
    車椅子利用者に障害があることは一目でわかるが、バリアフリー化が進めばスムーズな移動が可能となり、障害とみなされなくなるかもしれない。
    働きたくても働けない障害者が社会に進出することは少子化で人手不足が深刻になっている現代に良い影響を及ぼす。
    社会が障害者に対する偏見や特別に構えようとする意識を少しずつ変えていけばお互いに住みやすい環境ができていくはず。

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    2024年10月25日
  • こうして組織は腐敗する 日本一やさしいガバナンス入門書

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    本書は、NPO(非営利企業)のガバナンスの解説書です

    組織というものは、ある程度は個人の自由を認めつつも、組織としての方向性をきちんと定め、メンバーがそれに従うための工夫をする必要があります。
    NPO について経営学の視点で論ずるに、その基礎となったのは、P・F・ドラッカーの「非営利組織の経営」です。

    みんなのものは誰のものでもない
    誰でも自分の所有しているものは大切に取り扱う
    公共物は私的所有権がないので、大切に扱われない可能性が高い これを、共有地の悲劇といいます
    所有者のいないものは、大切に扱われない

    情報が不完全なサービス
    医師は患者に比べて医学知識が豊富なので、両者が向かいあっ

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    2023年10月12日
  • お寺の行動経済学

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    応用経済学の方が寺の行動経済学とか祈りについての考察が書かれている。
    面白い。
    認知的不協和とか、お寺のガバナンスとか色々あるが、仏教における祈りの意味に多くページが割かれており、日本仏教のご利益との関係性など再認識させられつつ、宗教ビジネスについても考えさせられる。

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    2023年05月30日
  • 刑務所の経済学

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    経済学がテーマの本ではあるが、日本における犯罪者への処遇、刑罰や刑務所の内情、そして元・刑務所収容者への更生支援の実情も分かりやすく記載されていて法律を学ぶ人間にも大変勉強になる本である。

    少額の窃盗でも繰り返せば懲役刑になる可能性がある。300円のパン1個を何度も盗んだ窃盗犯を刑務所に収監し、半年間懲役刑に就かせ、釈放までにかかる費用は約130万円ほど(本書刊行時、2011年)そのお金は税金から支払われる。

    犯罪を犯した人間が社会に与えた損害とその犯罪者を収監し、懲役刑を科して何年も刑務所で生活させるために必要な費用。後者が前者よりも重くなれば刑罰の意味を考えなければならない。しかし日

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    2023年01月25日
  • 新版 障害者の経済学

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    障がいの有る無しに関わらず、働きやすさ・働く人の能力を最大限発揮できるようする事が、企業の存亡をかけるようになってきてると思う。
    障がいの有る方の働き方からそのエッセンスを抽出して拡大していきたい。

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    2023年01月19日
  • 刑務所の経済学

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    ネタバレ

    no one left behind(SDG)という意味では、確かに、元受刑者の問題は、考えなければいけない問題ですね。integration、難しい。

    後半、刑務所の経済学、と言いながら、単なる各論の読み物になってしまってない?!と思いながらつらつら読んでいたのだけど、最後の最後で、経済学で重要な「比較優位」の原則に照らすなら、総合職ばかり雇ってる場合じゃないし、技能別にしてそういう人も入りやすいようにすべき、という論に戻ってきたので、溜飲が下がりました(笑)。

    一番の衝撃は、更正制度回りの諸々が、まさかのボランティアの方々や寄付金で賄われてやっと回っているという点。 篤志家すぎる..

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    2020年07月18日
  • 新版 障害者の経済学

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    障害者用スペースを違法に改造した東横イン事件など、の事例を取り上げながら障害者と経済の関係を考察。

    どちらの肩も持たないと言っている通り、かなり公平で読み応えがある。乙武氏の銀座の屈辱について、店側の責任がどこまであるか?などは面白かった。

    ベッカー型差別。HIVを理由に解雇されたなど。差別は経済的に非効率。





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    2018年05月06日
  • 高校野球の経済学

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    センバツの合間に。センバツが選抜であり優勝しても全国制覇でも日本一でもないことを知りビックリしました。よくNCAAと高野連のマーケティング力の違いがスポーツビジネスサイドからは指摘されますが、それはアマスポーツとして同一のフィールドに立つものではなく、スポーツと部活の違いとしての集金力の違いなのです。そう、本書は「重要無形文化財」としての高校野球の特殊性をこと細かに指摘しています。ただ、それは単純な高野連批判ではなく、野球とベースボールの違いまで考えさせるものです。そういう意味で第5章の沖縄の野球についての取材は地域スポーツとしての野球の可能性を感じさせるものでした。書名である「高校野球の経済

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    2017年03月26日
  • 障害者の経済学(増補改訂版)

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    ネタバレ

    本書は障害者をめぐるさまざまな問題を経済学という分析道具で串刺しにし、読者にできる限りわかりやすい形で解説したものである(p.2)。

    中島隆信氏は計量経済学を専門とする経済学者で、「大相撲の経済学」、「お寺の経済学」、「オバサンの経済学」といった斬新なテーマの本を数々執筆している。そんな著者が今回テーマにしたのは「障害者」である。障害者をめぐる法制度や置かれている現状や課題を丁寧に解説し、経済学的視点からの解決策を述べている。

    丁寧な取材にもとづいて執筆されたということがよくわかる本だった。ETV特集『生きづらさに向き合って~ある精神科クリニックの挑戦~』(NHK、2014/11/15日

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    2015年03月08日
  • これも経済学だ!

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    テーマのチョイスとしては「伝統文化」「宗教」「弱者」とちょっと縁遠い感があるものの、普段の感覚とはちょっと違った視点でそれぞれのテーマを分析していくので、発見がたくさんあって面白い。
    最後まで読んだあと、各テーマについて読む前よりも少し親近感が持てていたのは、馴染み深い「欲」を軸にして疑問を解決していくからなのかも。

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    2014年06月15日
  • こうして組織は腐敗する 日本一やさしいガバナンス入門書

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    NPOのガバナンス論。お寺に関するところが特に面白かった。全体を体系的にまとめて、共通問題を総論化するとまた新たなことが浮かび上がるかも。

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    2014年02月19日
  • 障害者の経済学(増補改訂版)

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    愛を否定する。愛は仏教では価値がない。仏教で価値があるのは慈悲。他他者を思いやる気持ち。他者の救済を重視。自分より他人。

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    2013年02月21日
  • これも経済学だ!

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    経済学が宗教や福祉に関しても応用できること.
    合理主義的な考え方としてとてもクリアな方法論であること.
    インセンティブについて常に意識していれば、他者がどのように考えて行動しているのかが理解しやすくなる.
    経済学を身近に感じさせてくれる一冊.

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    2012年12月24日