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経済学は、「なんでもカネで考える」非人間的な学問なのか?否。これこそは、人間が人間らしく生きるために欲望をいちばんうまく活用する方法を見つけ出す、きわめて応用範囲の広い思考ツールなのである。本書では、従来、経済学のテーマとしてはあまり取り上げられてこなかった、各種の「伝統文化」、「宗教活動」、さらには障害者などの「弱者」について、その奥に潜む合理性の仕組みを明らかにする。具体的な「問題解決」に役立ち、多くの人が幸せになれる世の中を作る「道具としての経済学」入門書。
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Posted by ブクログ
この人の経済学というツールを用いた社会分析は本当に面白い。自分も経済学をこのくらいツールとしてコマンド出来たらいいなと常日頃思う。究極は恋愛を経済学というツールで分析してみたい!!
テーマのチョイスとしては「伝統文化」「宗教」「弱者」とちょっと縁遠い感があるものの、普段の感覚とはちょっと違った視点でそれぞれのテーマを分析していくので、発見がたくさんあって面白い。 最後まで読んだあと、各テーマについて読む前よりも少し親近感が持てていたのは、馴染み深い「欲」を軸にして疑問を解決して...続きを読むいくからなのかも。
経済学が宗教や福祉に関しても応用できること. 合理主義的な考え方としてとてもクリアな方法論であること. インセンティブについて常に意識していれば、他者がどのように考えて行動しているのかが理解しやすくなる. 経済学を身近に感じさせてくれる一冊.
ずっと思っていた ボランティアをした人が得るものや 葬式や宗教に関するもやもやの答えがここに。 そうか、経済学やったんや 俺が小さい頃から抱き続けていたモヤモヤの答えは 経済学的志向にあったんや。 相撲や障害者に関する考察も非常に秀逸
経済学が、市場を中心とした金儲けの学問ではないことがよくわかった。どうしたら消費者が幸せになるか、どうした人が悪いことをしなくなるのか、その合理的な答えが追求されている。この点が平易な文章でわかりやすく説かれている。専門用語はほとんど出てこないが、使われる際には理解しやすい解説がきちんと加えられて...続きを読むいる。経済学の実用性や将来性が過大評価されている気はする。しかし、2006年時点で郵政選挙以降の与野党が市場を善悪論で議論し、「将来の制度設計につながる建設的な結論に至るとは思えない」と見事な予想的中もみせる著者の分析力は、確かだと思う。
[ 内容 ] 経済学は、「なんでもカネで考える」非人間的な学問なのか? 否。 これこそは、人間が人間らしく生きるために欲望をいちばんうまく活用する方法を見つけ出す、きわめて応用範囲の広い思考ツールなのである。 本書では、従来、経済学のテーマとしてはあまり取り上げられてこなかった、各種の「伝統文化」、...続きを読む「宗教活動」、さらには障害者などの「弱者」について、その奥に潜む合理性の仕組みを明らかにする。 具体的な「問題解決」に役立ち、多くの人が幸せになれる世の中を作る「道具としての経済学」入門書。 [ 目次 ] 第1章 経済学的思考のススメ(社会現象への感受性 モラルという価値判断に頼りすぎていないか ほか) 第2章 伝統文化、その生き残りの秘密(廃れる文化、生き残る文化 「道」とは何か ほか) 第3章 宗教も経済活動だ(信仰というサービス 信仰に対する需要 ほか) 第4章 世の中に「弱者」はいない(弱者とは誰のことか 弱者はつくられる ほか) 第5章 経済学は懐の深い学問(欲望と経済学 技術進歩 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
市場原理主義的な世の中になってくるにつれ、職人のオヤジ的生き方をしてきた自分もマクロ経済学の端っこでも学ばねば・・・と手にしました。学の無い職人でも生き残るのに必死で勉強します。
イラストレーターの川口さんから戴いたこの本を読んだ。川口さんはこの本の挿絵を担当。 そうなんだよね、といろいろ思う。著者は慶応大学商学部教授。この辺もいい。経済学ど真ん中だったらけして考えない発想がある。私の知り合いにやはり慶応大学商学部の教授がいる。清家篤さんだ(先生と書くと本人に叱られるので、さ...続きを読むんと書く)。この人もちょっと違うものの見方を得意としている。もしかしたらこの学部自体がそうなのかもしれない。けっこうお勧めなんだけどな。さて。 この本は伝統文化、宗教、弱者を経済という視点から照らし出す、という方法を通して、経済学という手法の効果を見せている。ちゃんと経済として表現できるというだけではなく、こうした分野の持つ価値をあからさまに表現してしまうという力が表われていて面白い。きっと他の分野についても有効なんだろうなと思う。思いっきり経済にまみれているマスメディアなんてのも相当手荒く料理できるんだろうなと思った。
相撲や落語や将棋といった伝統文化や、仏教を中心とした宗教を、「サービス」として経済学のまな板にのせてしまうところがおもしろい。そうですか、家元制度は「参入障壁」の一部なのねとか。プロ棋士が「昇段しにくく、降格しにくい」しくみをつくるのはどうしてかとか。檀家制度がサービス事業家(寺)にもたらしたもの...続きを読むはなにかとか。 ああするべきとかこうするべきとか。世の中「善悪」ばかりを言い過ぎる。経済学的思考の利点は、「善人」「悪人」という切り分け以外の基準をもたらしてくれることだ。そういうことを「やってしまう」インセンティブを理解することで、「悪いことだからやっちゃだめ」で終わらない提案をすることができる。そこんところを理解する、つーか「楽しむ」ためには、格好の本だと言えると思う。
社会の様々なところに経済学を持ち込んで説明しようとする本。 経済学的な知識より、雑学に貢献したかもしれない。 ちなみにこの著者の授業を、大学1年生の時に1年間受けた。
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中島隆信
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