斎藤哲也のレビュー一覧

  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    まったく哲学に触れず、倫理の授業も受けずにきた人間が、ちょっとした興味本位で読むには予備知識が足りなかった。
    各章に、イントロダクションを設けてくれてはいるけれど、そもそも本編に入ると忘れてしまう。イントロダクションに戻りながら本編を読んで、を繰り返すうちに、神の存在証明とか、もういいかとなってくる。
    トマスモアのユートピアも、絶賛積読中!

    だけど、第二巻も読みます。
    とりあえず。

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    2024年10月04日
  • 試験に出る現代思想

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     シリーズ1作目の『試験に出る哲学』は、プラグマティズム、実存主義、ウィトゲンシュタインで終わったが、3作目の現代思想は「二〇世紀後半の半世紀に脚光を浴びた哲学や思想」(p.3)で、具体的には「ドイツのフランクフルト学派、フランスの構造主義やポスト構造主義、アメリカを中心とした現代正義論」(同)を扱っている。人物としては、フッサール、ベルクソン、フロイト、ソシュール、ホルクハイマー、アドルノ、ベンヤミン、ハーバーマス、ホネット、レヴィ=ストロース、フーコー、ドゥルーズとガタリ、デリダ、レヴィナス、アーレント、ロールズ、セン、サンデル、ローティ、ピーター・シンガー、ボーヴォワール、バトラー、ギリガン、ハンス・ヨナスなど。
     正直言って、少なくともおれの経験だけだったら、高校で倫理やってもせいぜいキーワードを1語覚えているかどうかで、思想の内容まではよく分からないし、そんなところまでセンター出ないから大丈夫、というのが正直なところだった。おれがセンター受けたのが2003年とかなので、その時点では少なくとも本試ではこの辺の「現代思想」ってあんまり出てなかったんじゃないかと思うけど。取り上げられている過去問を見ていると2020年の本試験でデリダとかノージックとか、おれの頃とは違うのかなあ。ということもあって、1作目の『試験に出る哲学』とは違っておれにとってはとても難しかった。サラッと読んだだけではあんまり頭に入ってこない。
     あとは興味深いと思ったところのメモ。ホネットの承認論、って初めて聞いたけど、「愛、法、連帯を通じて他者から承認されることは、それぞれ自己信頼、自己尊重、自己評価を育むことへとつながっています。いわば私たちは、他者からの承認を通じて、自分の人生が生きるに値するものだという自己認識を得ることができる」(p.117)だそうで、要するにみんな承認欲求に飢えてるってことなのか、と考えるとそんなにすごい話じゃないなあとか思ってしまった。フーコーのパノプティコンは知ってたけど、その世界をディストピアとして描いた小説が、伊藤計劃という人が書いた『ハーモニー』というSF小説らしい(p.148)。ぜひ読んでみたい。ドゥルーズとベルクソンも名前くらいしか聞いたことなかったが、「ドゥルーズの『差異』や『生成変化』という発想は、ベルクソンの哲学から大きな影響を受けています。ベルクソンはこの世界を切れ目のない流れと捉え、それを『持続』と呼びました。ドゥルーズは、それを『差異』という概念で捉え直した。これは諸行無常と近い考え方でしょう。世界は常に転変していて、何一つとして『同じ』である状態などありません。(略)構造主義の『構造』はがっちりした感じがしますが、世界を差異と捉えれば構造もまた仮りそめのものにすぎません。ドゥルーズのみならず、ポスト構造主義のキーワードが『差異』と呼ばれるゆえんはそこにあります。」(pp.155-6)ということで、これは分かりやすいから覚える手掛かりになるかも。あとはリベラリズムとかリバタリアニズムも整理できて良かった。リベラリズムは「市民的な自由と平等を両立させる立場のことをいいます。アメリカでは個人の自由を尊重することは大前提であり、その上で富の再分配などを通じて弱者への配慮を支持する立場がリベラル」(p.191)、「個人の精神的自由や経済的自由を絶対的に尊重する立場をリバタリアニズム(自由至上主義)といいます。リバタリアニズムは政府による富の再分配や銃規制のような法的な規制に対しては、個人の自由を脅かすものとして徹底的に反対します。」(pp.191-2) ということらしい。あと関係ないけど、ハンナ・アーレント「ハイデガーの愛人」(p.196)とか、興味深い。あと「動物倫理学」なんて、高校倫理の分野では聞いたこともなかったが、ピーター・シンガーというオーストラリアの功利主義者が『動物の解放』という本を書いたのが始まりらしい。あと最近職場でジェンダーについての講習会みたいのがあって、その時にも話題になってたと思うけど、「生物学的な性差として語られる事柄もまた、社会的に構築されたものにすぎません。私たち人間が言語で事物を理解する以上、生物的な性差も、言語を通じてしか語ったり理解したいすることはできない。だからこそ『セックスは、つねにすでにジェンダー』」(p.254)ということに改めて納得した。
     1作目の西洋思想から続けた方がいいかなと思って、3作目の現代思想を先に読んだが、もちろん2作目の東洋思想も読むつもり。(26/09)

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    2024年09月25日
  • 試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する

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     「センター試験『倫理』で出題される問題をとっかかりとして、西洋哲学のあらましと大きな流れを解説した本」(p.3)。著者曰く、「大学生や社会人が哲学のあらましを知るうえで、高校倫理の内容は難易度としてちょうどいい塩梅」(p.259)らしく、センター試験の問題を解きながら、西洋思想史の流れを、哲学者の人物を中心に解説したもの。
     おれは高校の時に、勝手に倫理を勉強して、センターの科目でも倫理を使って、自称倫理マスターみたいな感じになっていたので(今考えると結構痛いヤツだなあと思うけど、若さ故ということで…)、こういう本は今でも好き。でも社会人になってからは局所的に何かの思想や哲学の本を読んだとしても、高校倫理の内容を概観するようなことはそんなにやっていないので、なんかまたあの時に勉強した内容が色々蘇ってくる感じで、個人的には楽しかった。ベーコンの劇場のイドラ、とか、カントの定言命法とか、そうそうあったよなあ、みたいな。
     あとは自分が勉強になったところのメモ。まず「プラトンの『イデア/現象』という区分は、『無限/有限』『魂(霊)/肉体』『理性/感覚』という区分に重ねられ、西洋思想の基本的な枠組みをつくりあげていくことになりました」(p.57)という部分。「二世界論」というらしいが、それこそソシュールの『ラング/パロール』とか、2つの世界を想定する、みたいな考え方って当たり前のようにたくさん出てくるけど、その源泉がプラトンなんだ、ということに納得した。「キリスト教神学の『神の国/地上の国』、カントの『物自体/現象』という区分もまた二世界論の延長にある考え方」(同)というのは分かりやすかった。そして、この上位の方の世界は「真理」という世界に通じると思うが、ニーチェは「さまざまな著作で『真理』という概念を攻撃し」(p.197)た、というのは分かりやすかった。ちなみにニーチェによれば、真理の世界の変遷は、「プラトンのイデア界→キリスト教の彼岸→カントの物自体→実証科学の真理」(同)となるらしい。高校の倫理って、少なくともおれの経験の中では、こういう、同じような概念が哲学者によってどう変遷していったか、っていう長い流れ、みたいなことってあんまり学習しない気がする。次にアリストテレスになると、プラトンよりちょっと難しい、という印象があるが、小阪修平という人の本の孫引きになるけど、「アリストテレスはプラトンのイデアから形相の概念を、イオニア自然学から質料の概念を継承し、この二つのアルケーの組み合せで、世界を考えた」(p.66)と考えると、確かにつながりがもっと分かりやすくなる。カントとかになると、あんまりよく分からずキーワードを暗記して終わった感じになってたけど、まず三つの著作「『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』という三批判書は、それぞれ『私は何を知りうるか』『私は何をすべきか』『私は何を望んでよいか』という問いに対応しています。いわば、神ぬきの理性や知性の働きと限界を見極めようとした」(p.103)という大枠を掴むことが大事だと思った。あとベーコンの「イドラ」が4つあったのは覚えてたけど、4つが何だったかは忘れていた。そのうち「市場のイドラ」については、「コミュニケーションのなかで生じる言葉の誤用や不適切な使用がもたらす先入観です。流言やデマを信じたり、抽象的な概念をもてあそんだりする際に、市場のイドラは生じます」(p.113)ということだが、流言とデマは分かるけど、「抽象的な概念をもてあそぶ」ことも「市場のイドラ」というのは、ちょっと意外だった。カントやヘーゲル以上に、ライプニッツとかスピノザになるともっとお手上げで訳分からん思想だなあと思ってたけど、まずライプニッツの「モナド論」について、「いってみれば、神は超絶プログラマーです。個々のモナドには、世界が最善となるようなプログラムがあらかじめ書き込まれている。世界はあらかじめ予定調和になるようにできている」(p.138)ということらしい。次に観念論の学習の次に経験論をやったら分かりやすい、単純、って思うけど、バークリーとかヒュームになったらまたよく分からなくなる。けどこれは「経験論は、その言葉から感じるニュアンスに反して、純度が高まるほど、観念論的になっていきます。経験を知識の基盤とする以上、事物が客観的に実在することを論証できないから」(p.148)というのは納得。確かに理屈がこねくりまわされている感がすごい。あと道徳論の「理性は情念の奴隷である」はヒュームの言葉らしい。「ヒトは結局感情で動く」とおれは常々思っているが、それってここに遡るのかなあと思ったり。あとはマルクスの話になるが、「マルクスは、精神が成長するから物質的に豊かになるのではなく、物質的な生活や条件の変化が、精神的な営みの変化も生み出すと考えた」(p.187)ということが、なんとなく最近読んだ『体育ぎらい』という新書で書いてあった、身体によって世界の見え方が変わる、という発想と似ている?と思った。何ができる体か(物質的な世界や条件)、ということになるのではないか、と思ったり。そのあとのニーチェの思想の、「身体こそがより根源的な『大いなる理性』として、精神や感覚を通じて自我(自己意識)を支配する」(p.206)というのも、身体が世界の見方を変える、という考えに似ていると思うのだけど…。そしていよいよ最後い実存主義、ハイデガーやサルトルになっていくと、高校の時も思ったけど、やっぱりカッコイイな、と思ってしまう。なんか生き方の話、っていうのは認識論とかよりも頭に入ってきやすい、というか。ハイデガーは、「過去を引き受けたうえで、将来の自分の可能性を選ぶ取っていく本来的な時間性に対して、ダス・マンは、のっぺりとした単調な時間性のなかに安住してしまっている」(p.224)みたいな話は、高校の時もおーって思った気がする。そしてデンマークの哲学者、『死に至る病』のキルケゴールの話(キルケゴールの方がハイデガーより前だけど)になるが、「キルケゴール自身がこの死に至る病に冒されていた人でした。彼は、父の秘密や自身の結婚破棄などを通じて、つねに深い罪の意識にとらわれ、絶望の真っ只中にありました。」(p233)ということだそうだけど、父の秘密って何??と思って調べたら、母をレイプした、みたいなことだそうだ。
     ということで、西洋思想史が手軽に復習できる感じも良かったし、できるだけ平易なことばで説明しようとする感じもよく、時々出てくるイラストも分かりやすかった。東洋思想編、現代思想編、というのがあるようなので、ぜひそちらに進んでみたい。巻末にブックガイドがあって興味をそそられるし、この本が十分橋渡しの役目を果たしているように思う。同時に、やっぱりこれくらい本読まないと思想史って語れないのか、と思った。(24/09/16)

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    2024年09月17日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    専門家が一般向けに、専門の時代ごとに面白いところを語るもの。
    言葉はかなり優しい言葉を使っているが、それぞれの哲人を全く知らない状態で読むと、面白さは半減すると思う。
    高校倫理等で、広く浅く西洋哲学史を学んだ人にとっては面白い本だと思う。

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    2024年07月31日
  • 試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する

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    どこかのブックガイドから。たまたま今、ちょっとずつ哲学用語図鑑を読み進めているところだったから、タイミングとしてもバッチリかな。本新書は、あちらの図鑑から更に主要な人物にターゲットを絞り、一方で、その各人についてはもう少し掘り下げて解説する、みたいな結構。センター試験を縦軸にっていうのも、なるほど確かに、入門にはうってつけだな、と。高校卒業に至るまで、ほぼ全くノータッチの分野だから、まだまだ分からないことだらけ。けど、色んなところで目にしてきたあれやこれが、実は哲学思想から来ていた、みたいなことの多さに改めて感銘を受けた。もっと掘り下げてみないと、って気にもなる。

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    2022年11月16日
  • 試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する

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    センター試験の倫理の問題を各章の冒頭にかかげて、西洋哲学史をいろどる思想家たちについての基本的な解説をおこなっている本です。

    読者自身が哲学の問題に直面して考えるということを重視する、教養主義的な態度とはまったくかけ離れたスタイルの入門書です。著者の文章は、受験参考書的なわかりやすさが感じられる説明のしかたになっており、西洋哲学史についてざっくりとした知識を得ることのできます。これもまた、入門書が果たすべき目的のひとつではあるはずです。

    巻末にはブックガイドが付されているので、より踏み込んで勉強してみたいという読者は、そこからもっと深く哲学の世界に入っていくことができるのではないかと思います。

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    2022年10月24日
  • もっと試験に出る哲学 「入試問題」で東洋思想に入門する

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    理解が浅い所為かも知らないが、中国思想や日本に入ってきた大乗仏教はモノの捉え方、考え方に過ぎず哲学に至っていないように思えてしまう
    考え方になので倫理面では意味があると思うが真理からは遠く感じる
    よって余り興味を惹かれない

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    2021年04月11日
  • 試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する

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    ほんとは受験勉強って成長には必須でありむちゃ効率的なものなんだけど、なんか悪者にされちゃってるよね。
    だからこういった本が出るのはうれしい。哲学は、そして受験勉強は、役に立つ。確実に。

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    2018年12月27日