斎藤哲也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ難しい哲学の歴史が、私にもザックリですが理解できました!哲学ってこんなに面白かったのですね。
印象的だったお話を下記にまとめます。
↓ ↓ ↓
1.倫理の教科書の太字を覚えて、それを安易に現実にあてはめるような思考はよくない。
例えば…生活のなかで起こった出来事について、「それは弁証法的だ」とか「それは脱構築だ」とか、そういうことを言ってる自分ってカッコいいみたいに思ってしまうこと。それは概念をあてはめてさえいなくて、ただ言葉を貼り付けているだけである。
2. 哲学マウンティングにならないためには、哲学的にものを考え、自分の日常で起きたことやそこで感じたこと、考えたことと哲学をつなげることが大事。
3.アウレリウス・アウグスティヌスは、著作「告白」により、自分のどうしようもないことを延々と語ることによって、神の栄光を表現するという方法を発明した。山内先生曰く、涙無しでは読むことができない名著であるとのこと。 -
Posted by ブクログ
大学生の時、留学も視野に入れて、というより日本語の哲学研究書があまりにも難しくて、よくPodcastを聞いていた。それはナイジェル・ウォーバートンのPhilosophy Bites(哲学の齧り)であった。ひとつ15分ほどの番組で、ある主題についてウォーバートンのインタビューで第一人者が最前線の研究を語りながら聞き手を案内する充実した内容で、いまも続いている。本書は編者あとがきで言及されているように、その日本語版といった趣のある哲学史入門である。
本書のインタビュー形式であるからこその臨場感は、全ての読者を哲学史のいわば「急所」へと招くものである。従来の哲学入門や哲学史入門で、わかるようなわからないようなつかみどころのない思いをしたことはないだろうか。本書はそういった人に向けて書かれている。研究書をいきなり読んでもなかなか見えてこない隙間が実に手際よく埋められていくのが壮快な一冊である。
開口を飾る千葉雅也氏の哲学史を学ぶことについてのインタビューでは、哲学史を学ぶことが哲学そのものであることがありありと語られる。古代をめぐる納富信留氏との対話では、氏の著書で語られるところの「不知の自覚」「ソフィストとは何者か」、そしてパルメニデスの衝撃がこれ以上なくくっきりと提示される。中世の山内志朗氏との回では、この時代について懐かれがちなわかりにくさが、実に明快な仕方で解きほぐされていく。そして最後に控えているルネサンスについての伊藤博明氏との回では、中世同様に等閑視されがちなこの時代を代表する人々が、如何に幅広い関心のもとに思索を重ね、それが陰に陽に私たちの思想的風景に影響を及ぼしているのかをうかがわせる。
全編を通して実に生き生きと語られる哲学史は、読者が知りたいことを聞いてくれる編者である斎藤哲也氏の軽妙な問いかけによって立体的なものとなっている。「無知の知」という言葉の誤解を解くなかで語られる無知(アマティア)が思いこみであるという指摘は核心を突くものである。また、中世においてアラビア経由で現存のアリストテレス著作の大半が西洋に受け入れられ、そしてルネサンスにビザンツ経由でプラトンの全体像が受容される過程などは、読者がまさに知りたいことであろう。しかし、その全体像として受け入れられたものからこぼれているもの(例えば詩学や政治学)が後に、さらに現代の解釈学へと繋がっていくことをも予想させる。
ここまで読んでくださった読者は、それでは哲学に既に関心がある人のための本であるかと思ってしまうかもしれない。しかし、Philosophy Bitesがそうであったように、ここで語られる哲学史は哲学そのものが何であるかを時代時代に明らかにするものであるので、純粋に哲学入門としてもおすすめできるのである。実に痒いところに手が届く、画期的な哲学(史)入門である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレルネサンス期までの哲学史を「古代ギリシア・ローマ哲学」「中世哲学」「ルネサンス哲学」に分けて、それぞれの専門家へのインタビュー形式で解説。各章の最初には、その時期の哲学の大まかな流れの解説(要所要所に「ここはインタビューで深掘りしていく」など、インタビューとの関連も見えやすい)があり、まったくの初学者でも触れやすい。また、各章の最後には、その時期のお勧めの入門書を数冊挙げているので、さらに学びたいと思った時の橋渡しもしてくれる。この点と内容面の平易さは、哲学史を学ぶ最初の1冊としても良さそうだが、対話自体は教科書的な哲学史を踏まえた内容(例えば、「無知の知」でなく「不知の自覚」なのだ、とか。)も見られるので、教科書的な1冊の後に、自分の興味が持てる時代・思想を探す1冊とする方が相応しいか。
個人的な感想としては、この時期の哲学には、後期ストア派くらいしか触れていなかったのだが、その危うさ(内向きさ)に言及されていたことが印象に残った。こうした視点は、ストア派の書籍を読んでいるだけではなかなか触れられず、哲学史を大局的に見る大切さを感じた。他の思想についても昔の哲学と侮るなかれ、現代語訳できるものがかなり多いと感じた。例えば、中世哲学はあまり馴染みがなかったのだが、偶有性やこのもの性に関する議論は、私が偶に考えること(例えば、私から私らしい要素を1つ1つ剥がしていったとき、周りの人はどこで離れていくのだろう……等々)と似ていると感じたことが印象に残った。
加えて、序章では哲学史を学ぶにあたってのマインドセットに触れられており、言語化の大切さ、実践の大切さなど「なぜ哲学史を学ぶのか」をいったん見つめ直すよい機会になった。本格的な哲学史学習への橋渡しとしてだけでなく、こうしたマインドセットへの学びがあるところも、本書の良さだと感じた。 -
Posted by ブクログ
哲学の起源であるギリシア哲学(紀元前6世紀〜6世紀)から中世(5世紀〜15世紀)を経て、世間的には軽視されがちなルネサンス時代の哲学(14世紀〜16世紀)までの歴史を主要な登場人物とその主張を、現代の研究家と対話形式で辿りながら読み進められる入門書です。
対話形式という形を取っているのと、丁寧に説明してくれているので非常に読みやすく面白かったです。(当然一読程度では理解出来ませんでしたが…)
読んでいていつの時代の哲学者達も古典(この場合はギリシア哲学)に立ち返ることを必須としていて、それがさらに進むと現代の私達も古典から学べることは多いということなんだろうなと感じました。
さすがに私達がギリシア哲学まで立ち返る必要は少ないかもしれませんが、、、
-
Posted by ブクログ
「哲学の名著50冊が1冊で学べる」という本を読んだのだが、どうもマスターした気になれないので本屋で平積みされていた本書を読むことにした。古代ギリシャ哲学についてはとてもわかりやすく面白かったが、中世からルネサンスに進むにつれけっこうキツくなってきました。
この第1巻はとても良い本だと思います。現在第2巻を読んでいるのですが、カントがキツイです。共著本を読んでいつも思うのですが、やはりわかり辛い点が出てくるので、一人の著者が書いた本の方がいい。カント哲学をわかりやすく書いた本はないのかい、超越論的とか定言命法とかもっとやさしく書けないのかねぇ。