木地雅映子のレビュー一覧

  • 黒ばら先生と秘密のはらっぱ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久々の木地雅映子。寡作なのは知っているが、できればもう少し待たずに読みたいぞ。

    本作も待たされて損なしの良い小説。凡百の作家なら、家庭環境や保育園の惨状に焦点を当てた社会的問題提議か、ローズ先生の魅力に焦点を当ててファンタジーにするかに傾くんだろうけど、そのどちらでもなく独特の展開と独特の着地点に物語を誘う技はさすが。

    登場人物たちも皆魅力的で(サミール一家、父親の兄弟一家、かず子ちゃん…)現実とファンタジーの入り混じった展開も面白い。個人的に一番気に入ったのは、100かいだての家の構想。前後考えても普通はこれいらんやろ?なのに読みいってしまう。こういうところを大事にする小説が減ってるし、

    0
    2025年12月17日
  • 黒ばら先生と秘密のはらっぱ

    Posted by ブクログ

    大人のための童話
    精神年齢が大人なら何歳でも心に響くと思う。
    劣悪な環境だった保育園時代の思い出。
    本と想像力が、非力な子どもの心を護ってくれた。

    個人的には「はいりょのいるこども」の描写に力が入っていると感じた。乱暴で身勝手な少年の言動に垣間見える家庭環境と周囲の接し方がリアル。あまりにも救いのない彼に、謎の保育士ローズ先生がかけた魔法とは?

    余韻の残る作品でした。

    0
    2025年10月02日
  • 黒ばら先生と秘密のはらっぱ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私にはこんな記憶がないな。でもその代わり、こんなステキな物語を読めているから、いいか。
    最後の一行号泣。

    0
    2025年09月09日
  • 黒ばら先生と秘密のはらっぱ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    6歳のはんなちゃんが保育園当時の記憶を語り、まぁまぁ酷い環境で大丈夫かなとハラハラするが、彼女の内心が結構明るいから笑っちゃうところ多かった。
    おばあちゃんに毛嫌いされ、なぜかお父さんしかおらず優しくもない。
    後半お母さんのことや、はんな自身の話でなるほどそうだったかと納得。
    保育園の人手不足と思いやりが欠けらも無い子供達への発言がどれだけ影響を与えるのか、気をつけないと。

    サミールあんたええ子やな、こういう男子キャラめっちゃいいですね〜ほんと好きです。

    0
    2025年08月05日
  • 黒ばら先生と秘密のはらっぱ

    Posted by ブクログ

    大事に大事に読み進めていたのに、読み終わってしまいました。
    次の作品が出るまで(気が早い)、木地ファンの皆さまが毎日を健やかに過ごされることを心から願っています。

    0
    2025年07月09日
  • あたたかい水の出るところ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一見風変わりな、でも王道のシンデレラストーリー

    フクイチの「お前の葬式は俺が出す」痺れたー
    幸せにする!よりグッとくる

    0
    2024年08月21日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    この世で最も10代を正確に描写する作家を一人知ってる。
    その人が木地雅映子だ。

    色んな人に読んでほしいし、色んな人の目にこの本が届いてほしい。
    特に、「自分の正直な気持ちがわからなくなった人」には。

    0
    2023年11月16日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    私はこの本を読んだ時、3年前のコロナ禍のことを思い出しました。友達のみんなとは会えず、まだ知らない、行ったことのないお母さんの会社に行き、暇、暇、暇という日がとても長く続いたことをよく覚えています。この本は私の辛い辛い思いを思い出させてくれた本です。

    0
    2023年10月21日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    なにこれ、大人が読んでもめっちゃいい話だ!コロナ禍でステイホームを余儀なくされたるるこ。でも学校には行きたくないのが本音。魔窟と化した母の実家で2人暮らしで鬱々とした生活を送るが、伯母の出現で生活は一変する。伯母と2人で古い家をリノベーションし、要らないものを捨てて心を整理し将来の夢を見つける。聖子さんのキャラがすごく良い。るるこを子ども扱いせずにきちんと大事なことを教えてくれる。ティーンにも大人にも読んでほしい一冊。

    0
    2023年07月29日
  • あたたかい水の出るところ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ぼんやりした女の子のまったり温泉ストーリーかと思ったら怒涛の展開。家庭環境がめちゃくちゃ。そんな環境だから柚子は事を荒げない為に、おバカを無意識に演じていた。辛い現実を突きつけられて、読み手も苦しんだところで幽体離脱…?現実離れしているのに突っかからずに読める、とにかく不思議な話だった。福一との展開もありがちだけど、結局こういうのが1番グッとくる。

    0
    2023年06月26日
  • ねこの小児科医ローベルト

    Posted by ブクログ

    子どもが小さかった時には毎年悩まされていた、ノロウイルス、ロタウイルス。家族も必ずうつされた。懐かしいと同時に、辛かったなぁと思い出す。
    あの頃、ローベルト先生がいてくれたらなぁと思う。小さな子を持つ親には本当に小児科の先生というのは頼もしく、ありがたい存在だ。
    本の感じから、小学生くらいから幼稚園のお子さんまで、読んでもいいと思うが、ぜひ大人の人にも読んでもらいたい作品。

    0
    2021年11月19日
  • あたたかい水の出るところ

    Posted by ブクログ

    大島柚子は銭湯「松の湯」を愛する高校生。ある日柚子は松の湯で医大生の福一と出会う。お湯が引き寄せる奇跡の物語。

    温泉が引き寄せたぽかぽかシンデレラストーリー。なのですが、それだけに留まらないのがこの作者ならではでしょう。
    柚子の家庭は問題大有り。姉は合コンに明け暮れ、その場限りの享楽のみを求める。妹は幼い頃から英才教育を詰め込まれ有名市立中学に行くものの、家では引き蘢り同然の暴君として暴れ叫ぶ。母親は妹にのみ情熱を傾け残業に追われ、他のことを放棄する。父親は我関せずと存在感を消し、全ての責任も消す。そんな中で柚子は家事一切を引き受け、家族とは衝突しないように日々を送る。

    解説で「身近な人か

    0
    2019年10月29日
  • ねこの小児科医ローベルト

    Posted by ブクログ

    緊急事態ではあるけど、子どもを育てている人にはけっこう体験のある吐き下しの風邪。しかもたいてい夜中に起こる。
    そこにこんなお医者さんがかけつけてくれたらいいなあ。

    その「よくある」病気が、まずしく、生活の設備も医療器具も伴わない国で起これば死に直結しかねないことまで書かれていて、短いけれども広がりのある作品だった。

    そして五十嵐大介さんの絵! お医者さんフォルムのローベルトもねこフォルムのローベルともどちらもすごく「らしく」て、すてき。ねこフォルムでありながらユキちゃんと目で会話している絵もいいなあ。

    0
    2019年04月01日
  • 黒ばら先生と秘密のはらっぱ

    Posted by ブクログ

    保育園児達は、大人の本質を見抜いている。決して彼らの視点を侮ってはいけない。優しいだけの保母さんは自分の弱さに押しつぶされる。でもローズ先生は、優しさと厳しさをしなやかに使い分けていた。ローズ先生、サンタクロースは人智を超えた尊い存在なのだろう。大人には見えないし、ハンナのような子を助けるために降りてきたが大人になったらもう会えない。最後には、宇宙規模でみんな繋がって浄化していく世界があると信じたい

    0
    2025年11月19日
  • ぼくらは、まだ少し期待している

    Posted by ブクログ

    読み応えあり。
    登場人物が魅力的だし、重いテーマも暗くなり過ぎず丁寧に描かれていて作者の筆力に驚いた。
    他の作品も読んでみたい。

    0
    2025年07月22日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    おうちづくり、楽しそう。
    世間が大変なのに、喜んじゃいけない。それは確かにそうだけど、心の中は自由でいたいよね。心の中でも自分を戒めると、どんどん苦しくなっちゃう。るるこが生きやすくなってよかったな。るるこのお母さんも聖子さんも、タイプは違うけど二人ともかっこよかった。

    0
    2024年08月29日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    この主人公の女の子の気持ち、よくわかります。
    学校なんて意味あるの?
    家で一人でも勉強できるし。

    それと、素敵なおばさん!
    リフォームもわくわくするし、DIYの達人なんてあこがれます!

    自分に子どもがいるので、ステイホームで子どもだけを家に置いておくのが困る気持ちよくわかります。
    面倒な夫もいなくて、料理と子守りをしてくれる妹とお利口な娘がいて、いい生活だなーって思いました。

    0
    2023年12月11日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    「ぼくらは、まだ少し期待している 」を書いた木地雅映子 さんの児童書です。
    衝撃を受けました。何故?
    じっくり考えてみてようやく言葉が見つかりました。
    綺麗事をすべて取っ払った作品です。
    特に児童書だと、理想や建前が含まれがちなのですが、この作品には清々しいほどにありませんでした。
    ぶっちゃけの児童書。オススメです。

    0
    2023年11月18日
  • ステイホーム

    Posted by ブクログ

    コロナ禍は子供たちの心におおきな大きな影を落としたと思う。いつかこんな時代もあったんだよと振り返られるのだろうか。よい本でした。

    0
    2023年11月17日
  • あたたかい水の出るところ

    Posted by ブクログ

    木地雅映子さんの作品は現実世界の中から突然跳躍して別の世界へ飛ばされたようなインパクトを受ける作品が多い気がします。
    「氷の海のガレオン/オルタ」を読んだときも似たような感覚を覚えたのですが、この作品を読んでより強く感じました。
    主人公の人格の中に影があり、その影の中には木地雅映子さんの人格が宿っていて、突然物語にその影が登場し読者へ問いかけてくる、そんな印象を受けます。

    読書をしてて中々味わえないような独特な世界観が気になる方に是非おすすめする一冊です。

    0
    2023年09月22日