F・W・クロフツのレビュー一覧

  • 樽

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    新訳ではなく前ので読んだけどなかたので。
    ドキドかハラハラのサスペンス。
    30年も前に読んだときとはだいぶ違う感じ。

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    2020年11月23日
  • クロイドン発12時30分

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    【ミステリーの古典名作を今さら読む】
    このところ連続で観ている刑事コロンボ、コロンボといえば倒叙物…犯人が初めから分かっており、犯人がいかに追い込まれていき、犯行を見破られるか…という形式のミステリー。
    そして、倒叙物の古典名作といえば、こちら、クロフツの『クロイドン発12時30分』ということは知っていましたが、絶版で入手困難なこともあり未読でした。最近、新訳が出ていることを知り入手。
    いやー、まさに「倒叙物」の典型的フレームで話が進み、大いに楽しめました。主人公が犯行に踏み込むまでややダレますが、そこから先はかなり怒涛の展開。もちろん、今読むと「ありがち」の展開なのですが、それはある意味こち

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    2020年07月06日
  • 樽

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    リハビリ?用の読書。
    芥川賞の予想を盛大に外したことにより、いじけてしまい、読書なんて当分するものかと思っていた。
    だが、かと言ってゲームや映像作品に時間を使おうとしても、早々に飽きてしまう。何とか本を読む楽しさを思い出そうと、純文学作品ではなく、しばらくは力を抜いて読めるミステリや時代小説に癒しを求めようと思い、積読になっていた本書を読んだ。(純文学復活の暁にはとりあえず福永武彦氏あたりだろうか。)
    古典的名作とされているだけあり、丁寧に作り込まれた、読み応えのある本だった。ただ、ミステリを久しぶりに読んだので、それゆえにミステリを読むことそのものに対しての期待感と、それが満たされた充実感が

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    2019年07月27日
  • 樽

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    1920年に書かれた作品
    名探偵でなく警察もののように
    状況を緻密に組み立て穴一か所から解決に及ぶ話
    警視総監が一事件を監督したりするようなところはあるが
    現在に通じる古典
    犯人の樽を使った謎を
    とても上手く意図してそうした様でなく難解に描いているのが大きな得点だが
    むしろ終盤がやや冗長かもしれない
    分けた視点を収束させるため止むを得なかったのかもしれないが

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    2018年10月25日
  • 樽

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    ネタバレ

    最初は樽の行方を追っかけていたのだが、中身が判明した後は、その謎を追いかけることに。アリバイを追跡していく作業は、やや単調だし、樽の動きが複雑でわからなくなってしまう。
    しかし、ラストで分かりやすく、謎は判明する。ミステリの名作。これが100年も前の作品だとは。

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    2018年07月22日
  • 樽

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    古典的名作として誉れの高い作品。

    海外の古典ミステリーは
    カバーしきれていないので
    ふと手に取ってみた。

    だが、読み進めるのがけっこう骨だった
    というのが正直な感想。

    つまらなくはないのだが、
    現代の小説に慣れている身には
    必要性を感じない細かい描写が多く
    展開が遅いし、地名の馴染みがないので
    位置関係をつかみにくいし、
    なかなか読んでいて面白いと感じない。

    ミステリー黎明期に作られ、
    後の作品に影響を与えたという時代性、
    歴史的意義は大きなものがあると思うが
    作品単体としての評価としては
    決して面白い作品ではないと思う。

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    2017年01月03日
  • 樽

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    展開がゆっくりで、人が足を使って調べていく時間経過がリアルに感じ取れる。それだけに創作話にも関わらずノンフィクションっぽい印象を受ける。丹念なというか緻密なというかこういう推理ものは良いなぁ。

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    2016年04月12日
  • 樽

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    クロフツ1920年発表の処女作にして代表作。推理小説の古典であり、愛好家必読の一冊でもあるのだが、肩肘張ることなく今でも充分に楽しめる。ストーリーは、殺人事件の発生からドキュメントタッチで展開し、実直な警察官と私立探偵の地道な捜査によって、ひとつひとつの謎が解き明かされていく。天才的な探偵による名推理を排し、極めて地味な印象を与えかねないが、リアリスティックな描写は考え抜かれた構成の妙によって、返って滲み出るような緊張感を生んでいる。本作品が突出しているのは、表題でもある「樽」が冒頭から終幕まで動的なモチーフとして効果的に使われていることで、不可解な謎の核として機能し続ける。本作の真価でもある

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    2016年03月02日
  • フレンチ警部と漂う死体

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     船の描写部分は、飛ばしてしまったけど、そのほかはストーリーに浸り続け、結局、驚きの最終章で終わりました。
     事件発生のいきさつを始めとするストーリーの進み方が大好きな展開の仕方だったので懐かしさと心地良さが残りました。
     重厚な作品でした。

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    2012年07月12日
  • フレンチ警部と毒蛇の謎

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    ネタバレ

    犯人の二人が最後まで共犯相手を隠そうとするあたりが何か切なくなる。お金のことがなければ悪い人間じゃなかったのになーと・・・

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    2011年12月15日
  • 樽

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    面白かった!米澤穂信さんの『米澤屋書店』を読んだばかりで、古本屋さんで棚を眺めながらそういえばこれ紹介されてたなあ、と思って買ってみた。さすが名作というのか、全然読んでて飽きなかったなあ。わたしは本当に理解力がなく笑、捜査や謎解きもあんまり頭を働かせずに作中の人たちがなるほど!って言ってるのを眺めるだけなんだけど……細かいアリバイや細工や樽の移動など、たぶんもっとちゃんと考えながら読んだら楽しいんだろうけど、そうはせず、捜査を見守ってるだけでも楽しかったです。ミステリいいな!

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    2025年05月05日
  • クロイドン発12時30分

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     倒叙ミステリとして有名な小説。不況(解説によると世界恐慌を指す)によって、主人公チャールズの会社は追い込まれる。そこで彼は彼の叔父のアンドルーを殺害し、その遺産を得て、会社を立て直そうと考え、ついに殺人を実行してしまった。なんとか計画通りに事が運んだと思ったが、徐々に綻びが生じる。本作はそんな殺人計画がばれるまでの過程を見ていく。

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    2024年12月30日
  • 樽

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     荷揚げ中に一つの樽が破損した。そこで樽を確認したところ、中には女性の遺体が入っていた。本作は女性の遺体の謎をめぐって、誰が、どんな動機で殺人を実行したのかを探っていく。警察、弁護士、探偵それぞれがこの事件の謎を見つけるために、独自のアプローチで真実に迫る。

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    2024年12月18日
  • フレンチ警部と漂う死体

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    1937年発表フレンチ警部シリーズ第16作。クロフツが30年代後半に立て続けに発表した船を舞台にしたシリーズのひとつ。構成は大きく3つにわかれており、クロフツ作品によくある2部構成から成長が見られる。1部、2部ともにミステリ的な仕掛けは秀逸で着目すべき点も多いが、解決のまさにその瞬間はピリッとしない。ここらへんは、演出上手なクリスティやカーが脚色したら、どうなっていたか気になるところ。とはいえ単調な中にユーモアを忍ばせるクロフツ節は全開で、夫人もしっかり登場するので、シリーズ作品としても読み応えがある。

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    2024年07月10日
  • フレンチ警部と毒蛇の謎

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    フレンチ警部シリーズ第18作。倒叙の形を底本に、配役の妙技を絡ませつつ、いつものフレンチ警部らしい地道で堅実な警察小説まで盛り込んだ中期の意欲作。三大倒叙をはじめ幾つかの倒叙作品を読んできたが、どれもが犯人の末路を考えると重苦しく苦味の強い作品ばかりだった。一方本作は、定型すぎてクサいところがあるが、ちゃんと救いが用意されており、同じ倒叙作品の中でもかなり特殊な造りになっている。

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    2024年07月10日
  • 樽

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    今から100年ほど前のミステリー小説。
    「樽から女性の死体が……」というショッキングな出だしからは想像できないほど、丹念な謎解きのプロセスを描く。

    この物語には、ポアロもホームズも、メグレ警視もいない。
    謎を解いていくのは、普通の真面目な職業人たち。
    しかも、発見者ブロートンは早々に退場し、300ページ近く丹念に捜査していたバーンリー警部とルファルジュ刑事は、最後の100ページで弁護士と探偵に取って代わられ……
    さてさて、いったいこの物語の主役は誰だったのか……。
    そう、最初から一貫して登場する“樽”です。

    時代は、社会を動かす力が人力から化石燃料へ劇的に変わるころ。
    馬車から船や汽車、自

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    2023年08月10日
  • 樽

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    推理小説における"アリバイ崩し"という要素を確立させた、古典的名作。
    今まで読んできたミステリが、天才的な頭脳を持つ変人名探偵が、天才的な推理をして、複雑怪奇な謎を解くのが殆どだったので、本作のような一般的な感性を持つ刑事や探偵が、自分の足を武器に、ひたすら捜査、聞き込みを繰り返し、地道に一歩一歩真相解明に近づくというのは、割と新鮮だった。なんかこういう系は地味〜な印象を持っていたので今まであんまり手に取ろうとは思わなかったのよね...
    実際インパクトは少ないのだけれど、その分堅実に面白かった。
    たまにはこういうリアリズムに溢れたのも良いなぁと思った次第。(でもやっぱりミス

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    2023年08月03日
  • 樽

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    シンプルでありながら奥が深い。古典的名作。ミステリファンなら一読の価値あり。鮎川哲也の黒いトランクも合わせて読むとより一層楽しめる。アリバイやトリックが少しわかりずらいが、それでもテンポよく楽しめた。

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    2023年06月29日
  • 樽

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    英国の秀逸な古典ミステリー。手の込んだトリックによる殺人事件に見えるが、実は感情的もつれが動機の、咄嗟の犯行であった。前半はじっくりと、後半は早い展開で飽きさせない。「樽」について言及する、終わりの解説も興味深い。

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    2023年03月18日
  • クロイドン発12時30分

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     不況の煽りを受け経営者チャールズの工場は閉鎖寸前、頼みの綱は叔父の財産だったがあえなく断られる。 先の短い一人の老獪と将来のある従業員たちを天秤にかけたチャールズは・・・。

    古典中の古典の倒叙ミステリです。 一章にて叔父が殺されます。 当然犯人はチャールズなのですが二章以降のチャールズの計画・行動・心理描写が素晴らしい。 人間の一喜一憂、警察の領分や法廷の様子を丁寧に描いている。 ミステリにありがちな過剰な装飾や目立ちたがりな探偵や警部は登場せず現実に則った警察と容疑者の攻勢が描かれる。 派手さを削いだリアル故の地味、解決に至るまで精緻を究めた一作。

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    2023年03月01日