F・W・クロフツのレビュー一覧

  • 樽

    16年ぶりに再読。新訳になっていてまるで初めて読むみたいだった。もっとも、「とにかく面白かった」という記憶しかないのだから旧訳との違いが分かるはずもない。
    けど、やっぱり面白い。ボクの中では、本格推理もののベストではないかと。でも悲しいかなクロフツの作品ってあんまり多くないんだよね。残念。
  • 樽

    汽船の積荷が落下して樽からこぼれ出た金貨と手首。調べると中から女性の絞殺死体が見つかった。素晴らしい謎からスタートする。被害者は誰か?犯人はなぜこんなことをしたのか?目まぐるしい展開で探偵役もどんどん変わる。緻密なプロット、鮮やかなアリバイ崩し。クロフツの処女作にして最高傑作、いや探偵小説史上に残る...続きを読む
  • 樽

    久しぶりに面白いミステリ読んだ!切り口というのか話の運び方というのか、新鮮だったなあ!
    ボックビール。飲んでみたい。
  • 樽

    1920年代のロンドンとパリが舞台。スコットランドヤードと
    シュルテ両警視庁が犯人にまんまと裏をかかれ、私立探偵登場。
    人間の憎しみ、恨みの心理描写が素晴らしい。
    最初のページはロンドンの船会社で働く人たちの息づかいが聞こえてきた。
    また、読みたくなる。新訳版で文字が大きく読みやすい。
    おすすめで...続きを読む
  • 樽

    地道な捜査に好感度大

    地道な捜査でコツコツと真相に迫っていく人たちに好感が持てます。変なキャラクターの探偵が出てくる探偵ものとは違った面白さがあって、ミステリーは飽きたという方に是非読んでいただきたい一冊です。これがおもしろいと思った方は鮎川哲也の「黒いトランク」もお勧めです。
  • 樽

     荷揚げ中に破損した樽から金貨と女性の腕が見つかる。運送会社の社員が警察とともに樽のもとに戻ると、樽はすでに引き取られた後だった。樽の行方、そしてその中身をめぐるミステリー。

    タイトルからして「なんだか地味そうだな」と思って、名前こそ知っていたもののなかなか手を出さなかった一冊です。古書で半額で売...続きを読む
  • フレンチ警部と漂う死体
    フレンチ警部シリーズ

    会社経営者キャリントンが身体を壊し後継者に指名したのはかつてオーストラリアで袂を分かった兄の息子マント。もともとイギリスで彼の下で働いていた甥のジムとの対立。家族そろっての食事中に起きた事件。ヒ素が混入された食事。全員の命は取り留めたが犯人は謎のまま。休養のために計画された船...続きを読む
  • フレンチ警部と漂う死体
    地中海を舞台にした殺人事件。

    なんやかんやで企業の社長一家に訪れた男が社長の跡取りになりそうで、社長の息子にやっかまれる。そして、食中毒事件が起こったが誰も死なず、その後社長家族+αで客船旅行の途中で跡取りになりそうな男が殺される。

    推論の立て方が面白く、犯人当てとして教科書になり得る。フレンチ...続きを読む
  • 少年探偵ロビンの冒険
    クロフツ唯一のジュブナイル。
    そしてイラストつきミステリー。
    子供向けだからといってあなどっちゃあいけません。
    結構本格的なんですから。

    ロビンがとにかくすごいなと思いました。
    勇気のある少年です。
  • フレンチ警部と漂う死体
    訳がなぜかとても心地よく感じました。
    それは出版社が違うせいも若干は
    あるのかもしれませんが…

    ちなみに事件そのものは
    いつものクロフツの作品とは異なっていて
    犯人も珍しいことに単数ですし、
    おまけに殺される人も一人だけ。

    しかしながらこのスケールの小ささで侮ってはいけません。
    裏には細かいなが...続きを読む
  • クロイドン発12時30分
    チャールズは工場の経営に行き詰まり、求婚相手のユナはお金のない男は相手にしない。頼みの綱の叔父は全くお金を貸してくれない。チャールズは従業員と叔父の命を秤にかけ、叔父の殺害を決意する。

    フランシス・アイルズの「殺意」、リチャード・ハルの「伯母殺人事件」と並んで3大倒叙ミステリーと言われる作品。

    ...続きを読む
  • 樽

    謎を追っていくとまた新たな謎が出てきて、展開が非常にスリリングで面白い。
    ただし、最後まで犯人にやられっぱなし(自殺してしまう)なのが気に入らない。
  • 樽

    クロフツの『樽』、読んだことなかったのですよね…新訳が出て買ってあったのですが、それ以降も読まずに積んでおいて数年…ようやく読まました。
    『樽』という地味な題名と、「頭がこんがらがるような複雑なパズル的トリック」が用いられているのかと勝手にイメージを持って後回しにしていたのですが、読んでみたら…おそ...続きを読む
  • 樽

    新訳ではなく前ので読んだけどなかたので。
    ドキドかハラハラのサスペンス。
    30年も前に読んだときとはだいぶ違う感じ。
  • クロイドン発12時30分
    【ミステリーの古典名作を今さら読む】
    このところ連続で観ている刑事コロンボ、コロンボといえば倒叙物…犯人が初めから分かっており、犯人がいかに追い込まれていき、犯行を見破られるか…という形式のミステリー。
    そして、倒叙物の古典名作といえば、こちら、クロフツの『クロイドン発12時30分』ということは知っ...続きを読む
  • 樽

    リハビリ?用の読書。
    芥川賞の予想を盛大に外したことにより、いじけてしまい、読書なんて当分するものかと思っていた。
    だが、かと言ってゲームや映像作品に時間を使おうとしても、早々に飽きてしまう。何とか本を読む楽しさを思い出そうと、純文学作品ではなく、しばらくは力を抜いて読めるミステリや時代小説に癒しを...続きを読む
  • 樽

    1920年に書かれた作品
    名探偵でなく警察もののように
    状況を緻密に組み立て穴一か所から解決に及ぶ話
    警視総監が一事件を監督したりするようなところはあるが
    現在に通じる古典
    犯人の樽を使った謎を
    とても上手く意図してそうした様でなく難解に描いているのが大きな得点だが
    むしろ終盤がやや冗長かもしれない...続きを読む
  • 樽

    最初は樽の行方を追っかけていたのだが、中身が判明した後は、その謎を追いかけることに。アリバイを追跡していく作業は、やや単調だし、樽の動きが複雑でわからなくなってしまう。
    しかし、ラストで分かりやすく、謎は判明する。ミステリの名作。これが100年も前の作品だとは。
  • 樽

    古典的名作として誉れの高い作品。

    海外の古典ミステリーは
    カバーしきれていないので
    ふと手に取ってみた。

    だが、読み進めるのがけっこう骨だった
    というのが正直な感想。

    つまらなくはないのだが、
    現代の小説に慣れている身には
    必要性を感じない細かい描写が多く
    展開が遅いし、地名の馴染みがないので...続きを読む
  • 樽

    展開がゆっくりで、人が足を使って調べていく時間経過がリアルに感じ取れる。それだけに創作話にも関わらずノンフィクションっぽい印象を受ける。丹念なというか緻密なというかこういう推理ものは良いなぁ。