野本響子のレビュー一覧
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ネタバレ【今後必要な能力】
「批判的思考・コミュニケーション・協働・創造性。なかでも最も重要なのは、変化に対処し、新しいことを学び、馴染みのない状況下でも心の安定を保つ能力になるだろう。」
今後どのようなスキル・能力が必要になるかは分からないが、絶えず学習する力があれば、変化した状況に合わせて学ぶことができるはず。子どもたちの個性・適性に合わせて、学習方法・学校を選択することが大事だし、そのためには多様な選択肢があることが望ましい。これは、「塾歴社会」で述べられていることと同じである。
…そこで、我が家に当てはめて考えてみる。この著書で述べられているように、どの学習方法を選択するか、全てを子供に委ねるのは正直難しいことではある。が、子供が自ら自分を顧み、個性・適性について考える時期として、中学というのが妥当なのではないかと考えている。だから、親として小学校は子供の様々な可能性を潰さない、そのような選択が必要だという結論に達した。
私自身は思考力・コミュニケーション力が大事だと思うし、子供にはそうあってほしいと思うが、やはり向き不向きはある。この本の中で述べられているように、いろんなタイプの人を活かしつつ、協力してプロジェクトを進めることが大事。そういう考え方、大事。
【英語の必要性】
将来自動翻訳が普及するとは言え、当面英語ができることにより様々な学習リソースにアクセスでき、学びの範囲が広がるということは確かだろう。また、やはり自動翻訳ではなく、直にコミュニケーションを必要となる時もあるのではないか。
【PISAランキング】
「PISAランキングで上位に入る国と、起業の盛んな国とは反比例である。」PISAでは知識だけでなく、思考力・応用力を問う問題も出題されると言うが、ここで測定される能力が社会に出て必要なものと乖離があるのではないかという問題提起である。「日本の教育はダメじゃない」の中で、日本の教育がダメじゃない根拠として、PISAランキングが引用されているが、その根底を揺るがす問題提起である。また、PISAランキングと自殺率との関係についても言及されている。 -
Posted by ブクログ
マレーシアで主に子育てをする筆者の方が、長男の経験をもとにしながら、いろいろな学校等を取材して書いていると思われる。
学校、とひとくちに言っても世界の学びはさまざまで、世界が急速に変化しているのと同様、子供も急速に変化していて、学校というシステムの難しさを改めて感じる。
答えのないことを議論し、興味のあることを突き詰めていくことが、世界の教育でも当たり前になっていることが、著書内でも何度も書かれ、説得力を持って迫ってくる。
一方で、筆者の長男の方が理系だったこともあってか、歴史の重要性みたいなものが書かれていないのが少し気になった。歴史は詰め込み型教育になりやすい教科だけれど、今の世界の情勢だって、大きな歴史の末にあるもので、過去を振り返り、技術の大元を辿り、技術の使われ方がどういう経緯に基づいたものかを知らなければ、間違った使われ方をする危険性がある。答えのない問も、必ず過去に議論された歴史があり、過去の答えはその時その時の環境によって作られている。そして、それを知っているのと知らないのとで、下された最終的な「判断」は大きな違いを生む。答えがなくても、私たちは自分にその問いが降りかかって来れば、ない答えの中から一つを選ばなければならない時がある。そういう部分に、もっと言及があっても良かったのではないかと思った。 -
Posted by ブクログ
日本からマレーシアへ移住した筆者の郷に行っては郷に従えという本。日本社会は何事もやめることを想定しておらず、続けることが美徳。マレーシアでは、多民族国家をうまくまとめるためにも、いろんな経験をすること、他者の考えを尊重することが推奨されるので、やめることが容易。人目は気にしない。日本で何かをやめたいけど、世間体が気になったりでやめられない人には、他にもいろんな世界があるのだから、やめても良いのだと優しく語りかける。
ただ、様々な理由から今この場所から他の世界に移れない人にとっては、絵に描いた餅で、やはり、やめることは難しいんじゃないかなと思った。 -
Posted by ブクログ
子供の教育のために、ふとしたきっかけでマレーシアに住むことになった筆者が、日本にいた頃との価値観の変化を自覚し、「外から見た日本人」を語る。まず前置きで、マレーシアに行くことになるまでの筆者の人生や、それからの生活ぶりが長めに語られる。それはそのまま本のタイトルへと繋がっている。「嫌ならそこから離れて、好きなところへ移れば良いだけのこと。ただし自己判断と自己責任で」というもの。
筆者にとっては、マレーシアの「おおらかな」習慣がかなり肌に合ったようだ。そのマレーシアにも多様な価値観の人たちがおり、日本の習慣を完全否定してはいない。しかし、かなりのマレーシアびいきで文章は進んでいく。
時折、かなり的を得た指摘があって面白い。日本人が決まり通りに考え行動したがるのは、島国ゆえに「言わなくても察してよ」というのが根底にあり、多様な価値観のマレーシアでは「人はわかり合えないのが当たり前」なので、シンプルに、相手に分かりやすく伝え、聞き返す習慣ができていると。
結局のところ、民族や宗教の違いだけでなく、家族の中ですら価値観は人によって変わるもの。自分の思い通りにならなくて当然、という気持ちが必要だということだ。