田嶋陽子のレビュー一覧
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1992年に書かれた本、今でも全然話が通じちゃうから、いかに社会がジェンダーの観点で変わってないかよくわかる。読んでて新しい発見もあったりして、私もこの社会のよくわからん価値観に染まってるんだなぁと改めて思ったり。
読んでて、出てくる内容と、私の家の典型的な家父長制、家事労働をやらされる奴隷として存在する母、がぴったり当てはまっちゃうもんだから、深くうなずきながらページをめくりました。今はできないけど、いずれ自分の足かせを外すためにも、ちゃんとそんな家族にも向き合わなくちゃいけないんだろうなと考えました。
まぁとりあえず、私は私の人生を生きるし、母にもちゃんと自分の人生を生きてほしいと思うので -
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ネタバレ文庫の初版が平成元年みたい(多分)だから、だいぶ古い本です。この頃現代作家のフェミニズム文学や、男性が書いた新しいフェミニズム系エッセイをだいぶ読んだので、これを読むことでフェミニズムの原点みたいなものを理解できました。
田嶋陽子さんが訴えたのは、私の母親くらいの、団塊世代の主婦たちが、夫や社会の男たちにそうとは自覚せぬままに支配され、女だからという理由で手足をもぎとられ、家内ドレイになっていることに気づくべきだ、ということ。私はその子どもの世代なので、団塊世代の女性たちがいかに家事育児といった家庭内の無償労働を強制されてきたかよくわかる。時代が変わっていく中で、彼女たちは「本当は私も社会で活 -
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― 子どものころ耳にした、「どうしてお母さんだけが、朝昼晩、茶碗のおしり、なでていなきゃならないの」とか、「ハンコひとつで殺される」とか、そういった母のことばは私の心にグサーッと突きささっていて、それはそのまま、私が成長するにしたがって痛みを実感させられることになる世界につながっていきました。
直感的に田島陽子を毛嫌いする人は性格の悪い人であるという、人間観察のバロメーターみたいに考えていた時期があった。私だけわかっているという勘違いした自己特別視である事は否定しないが、価値観の転換に対する拒絶やキャラクターとしての田島陽子のディスり易さに乗っかった「浅い奴」として感じていたからだ。
その -
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田嶋さんは、私たち女性たちを1人で背負い、私たちの前に立って守ってくれているような気がしていた。結構強い風を1人で受け、あるときは笑われ、馬鹿にされて、それでもなお田嶋さんは、私たちの前に立っていてくれるような気がしていた。
そんな田嶋さんを若い作家たちが再評価して、田嶋さんがまたこういう形で注目される。なんと嬉しいことではないかと思う。
女性たちの多くが、自分の家族との関係性に悩んでいる。田嶋さんもまた「早く結婚してほしい」と思う抑圧的な母親との関係性にずっと悩んでいたことが書かれている。
最後にお母さんとの関係が修復された後、お母さんが植木鉢に書いたメモ
「私は水が好きなのです。水がいな -
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今の世界は男社会でそのルールからはみ出す人間を排除する世界。現代という世界に生きている自分も、知らずに性差別、人種差別をしてきたかもしれない。
そんな世界の女性の厳しい現状を映画を通して、テレビでも活躍していた田嶋陽子がとき解く。
世界は昔から男尊女卑が続いているが、特にキリスト教、イスラム教の一神教が席巻した中世以降、顕著になる。考えてみると日本は古来、アマテラや卑弥呼のように神、象徴として女性を敬ってきた。それが男は戦いに外へ、女は家庭の中へ。いつのまにか女性の自己主張ははしたないとなった。この本でも、そんな凝り固まった社会観に女性も染まってしまい、尖った女性を攻撃するのも女性がする。そ -
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田嶋陽子再評価はうれしい。
健気で真っ直ぐ、泥を被ってくれて、ずるくない。
たまにテレビで見かける田嶋さんが、相変わらず頑張ってる姿を見て、痛々しくてテレビを消したことが何度かあった。きっと私も田嶋さんを一人荒野に残した卑怯者だ。打たれても打たれても変わらない姿勢でおじさんたちの毒を浴び続けてきた田嶋さんが、再評価!再評価してくれた人たちにありがとうと言いたい。そしてごめんなさい。田嶋さん。
田島さんが一人ぼっちになったのは、イデオロギーでなくて、自分のためのフェミニズムを語ったからだ。だから、学問領域の隠れ蓑が無くて、ある意味一貫性が無いと非難される。それから、テレビに敢えて出てヘイシストた -
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評価:3と4の間くらい
今でこそフェミニズムの流れになってきているもののまだまだだな発展途上だなと感じる今日この頃。
田嶋陽子さんの時代なんて、今よりも
女はこうあるべき論が振りかざされてた時代だったはずなのに、その世に良い意味で流されず逆行して自分らしさを確立してる姿はかっこいい。
特に、女性は差別されてることすら気づいていない
っていう文面があって、そうかも…とも思った。
もはや当たり前すぎて遺伝子レベルで組み込まれてるんじゃないかくらいで、でも恐ろしいなと思った。そういう潜在意識がある限り、男性が牛耳る世の中からは変えれない。
あと、母と子の目線でも共感できる部分が多かった。
例え -
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諭し、語りかけてくれるような文体なのに内容はズバズバとしかしわかりすぎて、最近の本かと思ったら1992年刊行の本で、エッ日本…時計壊れてんな…というそのネジを回していくのは間違いなくわたしたちの世代なのでしょうね。
結びのエールに田嶋先生の優しさが全て詰まっていた。
わたしも少女時代は田嶋さんのことを声の大きい人だな…なんでそんな言わなくてもいいことをわざわざ言うんだろう…と苦手意識を持っていたものだけど、この本を読んでその誤解というか過去のイメージが雲が晴れるがごとく変わった。
この人は「そんなの聞きたくない人」のためにずっと語っていたんだ。
この本のいいところはあくまで田嶋さんの経験か -
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田嶋陽子さんというと、どうしても「ビートたけしのTVタックル」でのお姿が浮かぶ。フェミニストでいらっしゃるけど「モテない女のヒガミだ(プロローグより)」という、たたかれ役をコミカルに受けているタレントさんだと。
本屋でこの新潮文庫を見つけたとき、失礼ながら「本もお書きになっているんだ」
ま、大学教授でいらしたし、著書のあるのは当然なのですけど。30年前初発行の本なのに古びていない「ヒガミ」なもんですか!ほんとにまじめな本でございました。
わたくし『愛という名の支配』のタイトルに惹かれました。いま「介護のタダ働き」になりかかっていて「どうしたらいいのか」と悩んでおりますので、つまり「夫婦と -
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「そこまで言って委員会」でおじさま達に噛みついていた強い女性の印象しかなかった田嶋陽子さん。
確かにこの本を読むと、彼女の強い主張に圧倒される。そこまで?極端すぎない?って思いながら読み進めたが読み終える頃には、なるほどなと感じた。
第四章ペニスなしでどこまで人を愛せるかで述べられた恋愛論には共感した。
この本は1992年に書かれた本で、読んでいて古いと感じるところもあったが、充分、現在にもそうであるべきと感じるところが大部分である。1992年には「このオバさん何言ってるんだ!」って思う人が多かったかもしれない。でも現在は共感する人の方が多いかも。それだけ時代は進んだのかな?まだまだか。
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Posted by ブクログ
田嶋先生とアルテイシアさんが明るく軽いノリでフェミニズムを語る対談本。「フェミニズムの過去と現在」を知るのにいい本でした。
田嶋先生、元気そうでよかったなー。
両親を亡くしたアルテイシアさん。フェミニズムを学ぶことによって、彼らがジェンダーの呪いにかかっていることを知り、親の死の意味を理解できて救われたという言葉が印象的でした。
「まだまだ根強い女性差別は、世間に笑い飛ばしながら伝えていくしかない」テレビを拡声器にしてフェミニズムを世間に少しづつ広めていった田嶋先生、素晴らしいな。アルテイシアさんも確かに軽すぎだけど、重いと見てもらえないし、見てもらえないと前に進まないという。戦略的にフェ