あらすじ
“他人の物差し”から自由になるための人生論
ずっと生きづらさを抱えてきた私の人生は、
ある“気づき”をきっかけに46歳でリセットされた――。
それからはテレビや国政、次々と新しいことに挑戦。
60歳以降は書アートとシャンソンに夢中になり、
82歳でシニアハウスという「理想の死に場所」を見つけた。
第二の人生は何歳からだって遅くない。
老若男女すべての人を自由にする、
本当の自分を取り戻すための田嶋流人生論!
【本書の主な内容】
第1章 テレビは戦場だった
●初めて『笑っていいとも!』に出た日
●『ビートたけしのTVタックル』での戦い
●『そこまで言って委員会』での20年
第2章 46歳での解放――母との葛藤と和解
●恋と研究と私
●過去の自分と向き合えた
●母が抱えていた苦しみ
第3章 60歳から何でもできる
●歌手として認められたい
●書アートとの出会い
●お金は評価と捉える
●何歳からでも人生は輝く
第4章 シニアハウスという現在地
●「死に場所」を見つけた
●死も自分でデザインしたい
●お墓はカンベン
●自立すれば孤独を感じない
第5章 「自分」を生きるためのフェミニズム
●モヤモヤした気持ちを大切に
●男嫌いにはならなかった
●親も子も自立して生きる
●「自分らしく」もやめよう
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
田嶋陽子さんをテレビで見ていたのは2003年ぐらいだったのか。テレビをあまり見ないこともあり、なんだか騒いでいるな、、、という印象はあるけれど、あまりよくは覚えていない。この本を読んで、もちろん共感できない部分もあるけれど、なんだか励まされる気分になった。
たしかに昔は、女だから、、と活躍できないような空気感もあったな。たしかに「女だから」というのことは今までもあったし、今でもあるのだと思う。いろいろなことが確かにあるけど、独りで引きこもってメンタルを整えるというのはすごく分かるなあ、、、
Posted by ブクログ
新聞の連載記事を読んで興味を持った。連載で読んだことと重なるエピソードも多かったが、筆者がなぜ彼女なりのフェミニズムの考え方に至ったのかが、幼少期からの人生経験によることがよくわかり、読んでみて納得できた。
論理的で無いと言う意見もあるが、私は共感できる所が多々あった。
Posted by ブクログ
頑固なフェミニストなのかと思っていたけれど全く違った。夫婦別姓を賛成しているけれど、法律が変わったとして実行してもいいし、しなくてもいい。大事なのは自由に自分の意思で選択できること。
それは田嶋さんが自分を確立することが出来たから。孤独も感じないし、とことん自分を信じているから他者のことにも寛容なのかしらと思った。何歳からでも挑戦できる。その自由も権利も私たちにはあると、田嶋陽子として教えてくれている。
Posted by ブクログ
田嶋さんは、私たち女性たちを1人で背負い、私たちの前に立って守ってくれているような気がしていた。結構強い風を1人で受け、あるときは笑われ、馬鹿にされて、それでもなお田嶋さんは、私たちの前に立っていてくれるような気がしていた。
そんな田嶋さんを若い作家たちが再評価して、田嶋さんがまたこういう形で注目される。なんと嬉しいことではないかと思う。
女性たちの多くが、自分の家族との関係性に悩んでいる。田嶋さんもまた「早く結婚してほしい」と思う抑圧的な母親との関係性にずっと悩んでいたことが書かれている。
最後にお母さんとの関係が修復された後、お母さんが植木鉢に書いたメモ
「私は水が好きなのです。水がいないと留守番ができないのです。」それを見たとき
「私は声を上げて泣きました。母が詩のような文章を書いた。それが私にとって感動的なことでした。」
泣いている田嶋さんが目に浮かぶようだ。優しい田嶋さんは、それゆえにお母さんとの関係にずっと苦しんできただろう。愛のある束縛は逃れることは難しい。田嶋さんも何十年もかかった。
この本の中で印象に残った事
「文学には普遍性があると思われていますが、文学が女性差別を強化することもあります。そこに描かれた差別的な女の状況が文学固有の力で美化され正当化されるからです。そして読者の無意識の中で再生産されていく」
文学のもつ諸刃の剣的な側面が、私たちに与える影響を改めて感じた。
それからもう一つ。
田嶋さんは、SNSを一切見ないと言う。SNSの中傷に判断するのにも途方もない労力がかかるからだ。
「もし説得しようとすれば、相手の論理の組み立て方を学び直さなければできません。ときには論文1本書かなければいけないほど大変です。」
確かにそんなことに時間を使っている暇は無い。
田嶋さんはいつもたった一人で戦ってきた。多くのフェミニストたちも田嶋さんとは距離を置いた。ピエロ的な立場に田嶋さんを置いてけぼりにして。
そらでも田嶋さんは発言をやめなかった。なんと今も続けている。
この本を読んで(年下の私が言うのもおこがましいが)田島さんを抱きしめたくなった読者は多いのではないだろうか