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どうして私はこんなに生きづらいんだろう。母から、男から、世間から受けてきた抑圧。苦しみから解放されたくて、闘いつづけているうちに、人生の半分が終わっていた。自分がラクになるために、腹の底からしぼりだしたもの――それが“私のフェミニズム”。自らの体験を語り、この社会を覆い尽くしている“構造としての女性差別”を解き明かす。すべての女性に勇気と希望を与える先駆的名著。(解説・山内マリコ)
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Posted by ブクログ
学術書でないからこそ伝わってくるものがありました 顔と名前しか知らず著書を初めて読みましたが、自分の頭の中にあるイメージのようなものを、どうしてそう認識しているのかを立ち止まって考えてみる必要性をあらためて感じました
30年近い時の流れがあった筈なのに、まったく古さを感じないどころか、まさに今の世ではないのか、、?日本は前に進んでいないのか?と愕然とした。 著者が心身を削られ続けた実体験から苦しみもがいて深く考察し、様々な人間関係や経験を経て、あまりにも身近過ぎる母娘の問題を俯瞰できた時、フェミニズムの普遍的か...続きを読むつ根源的な考えと社会の構造の問題に至ったのは、驚きと共に感慨深い。 家族からの精神的な支配は、苦しく切なく絶望的だ。 子供はそこから逃げられないのだから。 この問題は、今も昔も、我々の足元にもあり、広く世界中にある。 虐待や暴力や差別は連鎖していくのか。 断ち切るには。 ガレー船の例えはとても秀逸だ。 音頭をとって洗脳してくる人、いる。 三倍働いて、何倍もの成果を上げたならと、やっとの思いで甲板によじ登って、やっと同じスタートラインに立てる、かに見えるそんな世の中で、その後も手を踏まれたり頭を押さえ付けられたり引き摺り下ろされたりする。 土俵に上がりさえすれば、同じ扱いをされるなんてのは幻想だ。スタートラインなぞ存在しない。 疲れ果てて、擦り減って、絶望する。 戦い続けるのは中々にしんどい。 もう同じ土俵で戦わず、船を降りるか、船を壊すか、全員でボイコットか、漕いで前に進む(資本を拡大させ続ける)以外のルールを、、、いい方策がないものかと現実逃避で夢想する。 (いや、船を降りて自由に泳ぐのは悪くないのだけど、問題解決はしていない。船のような環境が至る所にある限り逃がれられない。あと、他者が船の上で虐げられているのを遠目に見て見ぬフリをするのは無理なのだ。いつでもどこでも自分も同じ目に遭う可能性がありふれているから。) 退出するしかないのか。 しかし、それでも、何度でも甲板に上がって、数を増やして、声を上げ続けなければ。 ルールを変える為には、まずは現状のルールを超えていかねばならないのだろう。 独立国家を樹立せずに、共生する限りは。 疲れるし、疲れた、もう嫌だ、、、、 それでも、やっぱり自立して、戦おう。何度でも。 世の中を変えたい。次の世代のために。 多くの先人が勝ち取ってきてくれたものをもっと良くしたい。 私は好きな方角へ進みたい。 皆が好きな方角に進んでほしい。 そういう世にするために、まずは力を合わせたい。 そう、全員が同じ方角を目指さなくてよい。 と思えた読後。 優しく鼓舞してくれる大先輩の愛に触れられる本だった。 また、後半に語られる、これまでの日本のフェミニズムは別の思想に組み込まれて語られてきてしまったという指摘は興味深かった。 私もフェミニズムはシンプルな人権思想でよいと思う。 他の問題が合わさると、問題の本質がぼやけてしまう。 著者のあとがきで、タイトルをどちらにするか迷われたという、もう一方のタイトル案は、まさしくこの世に蔓延る呪いであり、明確な支配だ。 ゾッとするし、耳から離れない。 力強く払い退けられる腕力と、軽々と逃げられる脚力と、流されてしまわずに「世の中を変えるのだ」という強い意志を持ち続けたい。 「小さく小さく女になあれ」
フェミニズム入門にぴったりの一冊。フェミニズムに合わせて窮屈に生きるのではなく、自由に生きる術としてフェミニズムを使いなさい、と書いてあり、心強い。 30年ほど前に書かれたものなのに全く古びてない。それだけ文化の中にある差別が変わってないということなのだけど、これから自分由来でないしんどさに出合っ...続きを読むたとき、お守りとしてくり返し読みたい。
田嶋氏の思い出を通してこの国の女性の在り方について綴られた所では、気持ちが憂鬱になり過ぎてどうしようかと思いました。でも後半の部分で色々な選択が可能な社会に、この国も少しずつ変わって来ているとのメッセージがあり少し救われた気持ちになりました。家事は家族全員でやっていきたいと思います。
これ、ほんとに30年前に書かれたの?? 冒頭から、この話最近の〇〇さんの本人にもあった!のオンパレードで、言葉はわかりやすく辛辣で、読んでいてゾゾ〜っとなった。この社会の構造はあまりにも根深い。
とてもいびつなイメージのあった田嶋陽子先生だったが、 これを読んで、う~んと唸ってしまった。 書いてあることが、いちいち思い当たる。 一番頷いたのが次の部分。 「抑圧されていると、 自分が腹の底でなにを感じているのか わからなくなってしまいます。 自分の気持ちがつかめません。」 そうなんだよね~...続きを読む 私もずっと何が好きなのか、全然わからなかった。 優等生にはなれても、好きな事が分からない不幸。 って、不幸だったことも分からなかったけれど。 親の影響とか、社会の暗黙の了解とか そんなもので、無意識に自分が自分を縛っている 分かっても、なかなかほどけないのが辛い。
素晴らしいですね。愛情という美しい言葉で束縛されるということ。誰も他人を支配していい理由なんてないのに。
去年だったかVogueで田嶋さんのインタビューを読み、遅まきながら著書を読んでみました。元は1992年出版なので、メインとして語られているのは自分の母あたりの「主婦ドレイ」の話なのだが、女性の不払い労働を基本に成り立っているという社会への批判は引き続き有効だなあと思わざるを得ない。 そんな中で、家...続きを読む事や子育てをしている自分が嫌になり、ちょっと暗い気持ちになってくる。「女性が輝く」だの「少子化を食い止める」のも、結局は男性に都合のいい社会を作るためのスローガンじゃないかと思えてくるし、そんな社会を長続きさせるためなら、いっそこのまま少子化が進んで人間なんて絶滅してもいいんじゃないかと。そんなラディカルに考えなくてもと言われそうだが。 ちなみにこの文庫本には2019年現在の山内マリコさんという方の後書きがあるのだが、私が田嶋さんに抱いていたイメージ(タケシの番組で男性陣と対等に議論するも、なんだか悪役キャラで終わる)をずばり言い当ててくれている。また今回著書を読んで、やっと田嶋さんの生い立ちや主張を知れてすっかりファンになった点も同じ。
首の鎖が長いか短いかの自由しか女には許されていない。 男らしさにあって女らしさにないもの、それは自分らしさ。 この本は、フェミニズムという言葉に引いてしまう人や、 田嶋陽子を男相手に怒ってるおばさんという誤ったイメージを持っている人、 自己啓発中の人、 そしてとにかく男女問わず若い人に読んでほしい...続きを読む!! 田嶋陽子さんがこの本を書いたのは30年前だけど、 今も日本はたいして変わっていない。残念ながら。 自分らしさと女らしさの狭間で嫌になったり 女だからと我慢したり、言えなかったりやれなかったりしたこと、やりたくないのにやったことがたくさんある。 なのでこの本は読んでいて辛くもあり、そうなんだよって納得しまくったり、やり場のない怒りを感じたり、すごく忙しかったけど、読んで良かった。 何なら20年前に出会いたかった。 私ができることはわずかなので、 自分らしく生きる(そうしてるつもりだけど)。 女らしさとか母親だから~とかに惑わされない! そして自分の家庭には軍隊構造を持ち込ませない!! 娘にも息子にも、自分らしく楽しく生きる姿を見せたい!! 読んでいて書きたいことが溢れて収拾がつかないのでこの辺で終わり。 男性はこの本を読んで何を思うんだろう?そもそも手にとるのかな?
1992年に書かれた本、今でも全然話が通じちゃうから、いかに社会がジェンダーの観点で変わってないかよくわかる。読んでて新しい発見もあったりして、私もこの社会のよくわからん価値観に染まってるんだなぁと改めて思ったり。 読んでて、出てくる内容と、私の家の典型的な家父長制、家事労働をやらされる奴隷として存...続きを読む在する母、がぴったり当てはまっちゃうもんだから、深くうなずきながらページをめくりました。今はできないけど、いずれ自分の足かせを外すためにも、ちゃんとそんな家族にも向き合わなくちゃいけないんだろうなと考えました。 まぁとりあえず、私は私の人生を生きるし、母にもちゃんと自分の人生を生きてほしいと思うのでした。
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