白石朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレスティーブン・キング編の飛行機を題材にした恐怖小説アンソロジー。
当たり外れが大きいように感じたけど、訳文の読みにくさのせいかもしれない。
中村融訳の作品は読んでて意味がとれないような箇所が結構多くて難儀したので、正直途中から雰囲気で読んだ。
以下個別感想
「貨物」★★★
カルト宗教により毒殺された大量の子どもの死体を運ぶ貨物機の話。怖いというより物悲しい話。あまり面白くはないけど、最後の「あの子たちを外で遊ばせてやったんですか?」って台詞は良かった。
「大空の恐怖」★
コナン・ドイルの恐怖小説。まだ飛行機が登場して間もない頃の作品で、流石に時代を感じてピンとこない描写が多い。ダラダラしている。
「高度二万フィートの悪夢」★★
旅客機の翼にグレムリンを発見した男性が、何とか他の人に伝えようとするも信じてもらえず孤立していく。あらすじ通りの話で、想像通りに終わる。いまいち印象に残らない。
「飛行機械」★
航空産業を皮肉ったショートショートなんだけど、小説としての面白さも皮肉としての面白さもあまり感じず。
「ルシファー!」★★★
時間を戻せる指輪を拾った邪悪な男の顛末。オチよりも指輪の力で、殺人や暴行をしては無かったことにする主人公の邪悪さが怖い。
「第五のカテゴリー」★★
米政府の法律顧問として、拷問を正当化するための覚書を作成した法学者が航空機内で異常な事態に遭遇する。
一番楽しみにしてたけど、とにかく読みにくくて苦労した。
「二分四十五秒」★
シンプルな話のはずなんだけど、これも読みにくい。あんまり印象にない。
「仮面の悪魔」★★★★
呪いの仮面による機上の惨劇。シンプルでおどろおどろしいホラーらしいホラー。
「誘拐作戦」★★★
未来人による飛行機事故で死ぬ予定の乗客らを対象にした誘拐作戦。SFらしいSFで普通に楽しい。オチが嫌な感じなのも好み。
「解放」★★★★★
飛行中に核戦争が勃発した旅客機の混乱の様子を描いた群像劇。本アンソロで一番好き。段々状況の最悪さが判明していく様子はスリリング。誰かにとっては悪質なレイシストの男性が他の誰かにとっては人生の救世主だったり、そういう多面性を描いていたのもよかった。
ここまで書いて疲れちゃった。気が向いたら残りを書くかも。 -
Posted by ブクログ
原著2015年刊。収録作のそれぞれの初出は2009-2015年。『わるい夢たちのバザール』という原著を、邦訳では2巻に分けたようで、そのうちの1冊目に当たる。
スティーヴン・キングの短編集だが必ずしもホラーではない、普通小説っぽいものも結構あるし、何と詩も入っている。どのジャンルにおいてもキングの語り口は健在で、本当にそれは比類無い「読ませる」マジックなのである。
とはいえ、やはり私にとってはホラーっぽいもの、ないしスーパーナチュラルなものが良かった。本巻のなかでは「マイル81」「悪ガキ」「UR」が好きだ。
各編の冒頭にキングのコメントが入っていて、これもなかなか興味深い。 -
ネタバレ
各短編へひとこと感想
マイル81、それまでの描写に比べて終わり方があっさりし過ぎていて拍子抜けした。
プレミアム・ハーモニー、ホラー要素なしと思っていなかったのでこちらもあれっと思いました。カーヴァーにインスパイアされたらしい。
バットマンとロビン、激論を交わす、認知症の描写がリアルで、読後感がとても爽やか。好き。
砂丘、オチのひねりが好きな人は好きかも。
悪ガキ、キングらしい不滅の悪。アウトサイダーに繋がるテーマを感じた。
死、もっと長いバージョンも読みたい。
モラリティー、面白かったです。キング作品にたまに出てくる、勇気を持てなかった側の人間の哀れさが染みる。歳をとってこういう利用される側の悲哀も理解できるようになった。こっちの方がカーヴァーっぽさを感じるような。
アフターライフ、どっちにも転びそうな終わり方がミストみたい。匙加減が絶妙。
UR、11/22/63みたいな恋情と、メルセデスシリーズみたいなバディ感を楽しめる作品。黄色いコートの男たちはアトランティスのこころか何かに出てこなかった? -
Posted by ブクログ
ある夜、サンフランシスコの活気あふれるジャパンタウン近くで、一家全員が射殺される事件が起きた。
サンフランシスコ市警は、現場に残された唯一の手がかりの解読をジム・ブローディに依頼する。
それは血にまみれた紙片に記された一文字の漢字であった。
ブローディもその手がかりを読み解くことができない。だが、同じものを以前にも見た覚えがあった
──4年前に妻が住宅火災で亡くなった現場で。
アジアに広がる人脈と堪能な日本語を携えて、ブローディはあたかも完全犯罪のような事件の解決に乗り出す。
それと同時に、妻の悲惨な死は、本当に単なる事故に過ぎなかったのかどうか探っていく。
彼の捜査は、愛着のあるサンフランシスコを離れ、日本の権力の館がひしめく東京、そして日本の片田舎にまで及ぶ。
数世紀に遡る陰謀と秘密が絡み合った謎を解き明かした時、ジャパンタウンの殺人鬼は新たなターゲット ──ブローディの娘──を選んで報復に出る。
現代のアメリカと日本を舞台にしているが、時空の歪みが生じているような描写が多数。なかなかの珍品でありました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ邦訳タイトルは「怪奇日和」だが、収録4作品はどれもホラーと呼ぶ類のものではなく、ファンタジー、サスペンス、SFにミステリーといった趣き。
「こめられた銃弾」はアメリカならではの銃問題が題材とされており、映像作品を観ているような気分で読み進めることができるが、あまりにも胸糞悪い結末になかなかの衝撃を受けた。
不思議な雲を舞台に、1人の青年が来し方を振り返って見つめ直し、呪縛から卒業して再生を遂げていく物語である「雲島」は、爽やかな成長譚として気持ちの良い読後感を得ることができた。
収録順(特に頭に持ってくる作品)については、これで良かったのかどうか、ちょっと微妙な気がしないでもない…。