ロバート・クレイスのレビュー一覧
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ネタバレ傷ついた元海兵隊のK9と、やはり傷ついたLAPDの警察官。その二人が一緒に活躍する物語。
・・・とか言うと、なにかお涙頂戴的な感じなのかと思うかもしれませんが、そうでもありません。確かに、傷ついた者同士、心通じ合わせていると言う事もあるのかもしれませんが、お涙頂戴の話ではありません。むしろ、犬と人が協力して事件を解決していく物語だと思います。そういう意味では、物語の終盤に、二人とも再び傷つく事になるという展開は、ちょっと珍しいかも。
話の色添えとして、女性刑事との交流もちょっとあるんですが、この作品の中では話は進展しませんでした。もし続編があるのならば、進展するのかもしれませんが。 -
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「容疑者」から続いているロバート・クレイスブーム。まだまだ面白いよ。章ごとに話者を変えて多視点で物語を展開する手法は、安易かもしれないが物語にスピードと映画的(テレビ的)な立体感を与えてくれている。
単なるゲームオタクが何で強盗一味に加わったのか、あたりがちょっと曖昧だし、ママに溺愛されてるタイソンがここまで大胆な犯行を繰り返すか、などの疑問は残るが相変わらず物語は一級品。
共犯者の中の女王様アンバーに入れあげて、自分たちに迫る危機(ハーヴェイとステムズは本当に怖い)を全く認識しないタイソン&アンバーには腹が立ち、「アンバー絶対殺されるな」と思ったけど、最後に本当にヒロインになってた。これがリ -
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とっても魅力的だった前作「容疑者」。ロス市警K9のスコット・ジェイムズ巡査と相棒の警察犬マギーが帰ってきてくれた!こんかいは著者ロバート・クレイスの代表作でおなじみの探偵エルビス・コールとのコラボだよ。
探偵コールの軽さとジェイムズ巡査の青臭い一途さが、ちょうど良い塩梅で組み合わさっている。
かわいいマギーの話をもっとじっくり読みたい気もするけど、ここは(コナリーの)ボッシュ刑事とリンカーン弁護士的な豪華コラボを楽しむべきなんだろう。
ストーリー自体はとても楽しめるし、ラストに向けての盛り上がりも上々。しばらくロバート・クレイスを読み続けよう。4.2
"「エルビス・コール探偵事務所、雨天決行 -
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犬が登場する小説は多分にあれど、犬の心を描く小説というのはそう多くはない。西村寿行や稲見一良、日本のシートンと言われた戸川幸夫の名作『牙王物語』などなど。アメリカ探偵小説では、ロバート・B・パーカーやアンドリュー・ヴァクスのどちらも家から一歩も出ない巨犬がいるが、犬の心は描写されない。
心や感情の描写をしないのがハードボイルド、であるけれど、本書は犬の感覚での喜怒哀楽まで含めた描写が最初から際立っている。犬と日頃ともに生活しているわけではないぼくのような人間でも、愛着を覚えたくなるような、それは優しく、かつ特殊能力を備えた危険な犬でもある。
さて、本作はLAを舞台にした警察ミステリ。 -
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ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。
ロバート・クレイスの作品を読むのは、「天使の護衛」以来だと思う。私立探偵エルヴィス・コールのシリーズは何冊か読んだし、「破壊天使」というノンシリーズものも読んだな。それはともかく、これはなかなかよい。私は犬好きでもなんでもないが、それでも読ませます。 -
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『指名手配』に続くコール&パイクシリーズ
今回の主役はパイク。
今回、商売としての「依頼人」はいない。
銀行員と顧客の、偶然のめぐりあわせから大活劇が始まる。
コールの一人称の語りはなくなり、かといってパイクも三人称で物語は進む。
もっともパイクが一人称じゃ、心の声で「寡黙」なイメージが壊れちゃうかも……。
相変わらずの「お仕事小説」で、読者は“プロ”としての主人公たちの活躍を楽しむことになる。
でも、今回の見どころは、その二人に追い詰められる「悪党」たちの“すったもんだ”が楽しい。
悪いやつらがスーパーヒーローに追い詰められる様子は、ミステリーとは違った楽しさがある。
「ドロンジョ様」