ロバート・クレイスのレビュー一覧
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ネタバレ爆弾検知犬として戦場で任務中、パートナーを失ったシェパードのマギーと同じくパトロール中に突如車両の衝突事故から始まった銃撃事件でパートナーを失ったジェイムズの絆再生物語。
事件を機にK9という警察犬組織で働くことを願い出たジェイムズ。
そこで出会ったマギーは精神的ストレス障害と断定され、警察犬としては不合格扱いされるところだったが、同じ境遇に惹かれるものを感じ、マギーを自分のパートナーにさせて欲しいと訴える。
ジェイムズがパートナーを失うことになった未解決事件の捜査担当刑事が変わり、新たな展開が見込まれる中、試験的にパートナーとして生活を送るマギーと共に独自の捜査で新たな手掛かりを追い始める。
犬好きには堪らないのかな。
ミステリ度は低く、事件の真相や黒幕の正体に至る過程よりも独自捜査を進める中での一人と一匹の信頼関係構築過程が読みどころ。
K9の上司リーランドの人情にはうるっとさせられる部分はあるものの、さほど捻りはないストレートな物語。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傷ついた元海兵隊のK9と、やはり傷ついたLAPDの警察官。その二人が一緒に活躍する物語。
・・・とか言うと、なにかお涙頂戴的な感じなのかと思うかもしれませんが、そうでもありません。確かに、傷ついた者同士、心通じ合わせていると言う事もあるのかもしれませんが、お涙頂戴の話ではありません。むしろ、犬と人が協力して事件を解決していく物語だと思います。そういう意味では、物語の終盤に、二人とも再び傷つく事になるという展開は、ちょっと珍しいかも。
話の色添えとして、女性刑事との交流もちょっとあるんですが、この作品の中では話は進展しませんでした。もし続編があるのならば、進展するのかもしれませんが。 -
Posted by ブクログ
「容疑者」から続いているロバート・クレイスブーム。まだまだ面白いよ。章ごとに話者を変えて多視点で物語を展開する手法は、安易かもしれないが物語にスピードと映画的(テレビ的)な立体感を与えてくれている。
単なるゲームオタクが何で強盗一味に加わったのか、あたりがちょっと曖昧だし、ママに溺愛されてるタイソンがここまで大胆な犯行を繰り返すか、などの疑問は残るが相変わらず物語は一級品。
共犯者の中の女王様アンバーに入れあげて、自分たちに迫る危機(ハーヴェイとステムズは本当に怖い)を全く認識しないタイソン&アンバーには腹が立ち、「アンバー絶対殺されるな」と思ったけど、最後に本当にヒロインになってた。これがリアルなのかもね。
ハーヴェイ&ステムズのメキシコの酒場でのエピソード(ステムズがフィドルで流しの天才ギター青年と対決する)が秀逸というか不思議。ここまで書き込むところがまたオフビートな魅力かな。
4.2
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とっても魅力的だった前作「容疑者」。ロス市警K9のスコット・ジェイムズ巡査と相棒の警察犬マギーが帰ってきてくれた!こんかいは著者ロバート・クレイスの代表作でおなじみの探偵エルビス・コールとのコラボだよ。
探偵コールの軽さとジェイムズ巡査の青臭い一途さが、ちょうど良い塩梅で組み合わさっている。
かわいいマギーの話をもっとじっくり読みたい気もするけど、ここは(コナリーの)ボッシュ刑事とリンカーン弁護士的な豪華コラボを楽しむべきなんだろう。
ストーリー自体はとても楽しめるし、ラストに向けての盛り上がりも上々。しばらくロバート・クレイスを読み続けよう。4.2
"「エルビス・コール探偵事務所、雨天決行がモットーです」
ユーモア。最高の観客はわたしだ。"
ジェイムズ巡査の上司、リーランド指導官
「この素晴らしい生き物と一緒に過ごす時間の1分1秒が、てんのめぐみなんだ。犬たちはその尊い心をありのままにおまえにさらけ出し、自分からはなにひとつ隠し事をしない。おまえの情けない人生の中で、同じことを言える人間がいるか?」 -
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犬が登場する小説は多分にあれど、犬の心を描く小説というのはそう多くはない。西村寿行や稲見一良、日本のシートンと言われた戸川幸夫の名作『牙王物語』などなど。アメリカ探偵小説では、ロバート・B・パーカーやアンドリュー・ヴァクスのどちらも家から一歩も出ない巨犬がいるが、犬の心は描写されない。
心や感情の描写をしないのがハードボイルド、であるけれど、本書は犬の感覚での喜怒哀楽まで含めた描写が最初から際立っている。犬と日頃ともに生活しているわけではないぼくのような人間でも、愛着を覚えたくなるような、それは優しく、かつ特殊能力を備えた危険な犬でもある。
さて、本作はLAを舞台にした警察ミステリ。私立探偵エルビス・コールのシリーズでお馴染みの作家ロバート・クレイスは、2010年にアメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞。巨匠の仲間入りを果たしたこの作家、ぼくは恥ずかしながら全くノーマークだったのだが、本作品はシリーズ外の比較的新しい作品ということもあり、これを機会にと手に取ってみた次第。
物語は、いきなりアフガンの戦場で幕を開ける。哨戒および爆発探知チーム所属のミリタリー・ワーク・ドッグであるジャーマン・シェパードのマギーが、自殺的なゲリラ攻撃によってパートナーである兵士ピートを失うシーンが痛々しい。自らも彼を庇いつつ被弾する。パートナーを守るために。
舞台は移り、深夜のパトロール中に、銃撃事件に巻き込まれた警察官スコットは、相棒のステファニーを失い、自ら被弾し意識を失う。
訓練され被弾し主を失った犬と、負傷しパートナーを失った警察官との、運命的な出会いにより、銃撃事件を探り始めるという内容の、至ってわかりやすく、かつ胸の熱くなるような再生のドラマが展開されるのだ。
素晴らしいのは、やはりストーリーテリングである。前述の通り勲章を受けた作家は、それに値する言葉と文章を駆使し、読者を惹きつける。決して急ぐことなく、一人と一匹が、徐々にPTSDから互いを救い出し合って、チームとして再起してゆく痛みさえ伝わるような日々を、事件以上に殊更丹念に描くからこそ、ことの真相や、悪党たちの正体を暴き出してゆく過程に、無償のエールを送りたくなってくるのだ。
そして敵どもが決してやわな存在ではなく、一筋縄ではゆかない危うい気配を漂わせるからこそ、展開はスリリングで、ラストに待ち受ける対決もまたタフ極まりないものとなる。
次作『約束』で、この一人と一匹コンビは再登場するらしいが、続編と言うより、本来のエルビス・コール・シリーズでのゲスト出演といった役割になるようだ。ゲストというばかりでなく、再びこの傷だらけの名コンビが復活して元気な笑顔を見せてくれる日を期待してやまない。 -
Posted by ブクログ
ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。
ロバート・クレイスの作品を読むのは、「天使の護衛」以来だと思う。私立探偵エルヴィス・コールのシリーズは何冊か読んだし、「破壊天使」というノンシリーズものも読んだな。それはともかく、これはなかなかよい。私は犬好きでもなんでもないが、それでも読ませます。