ロバート・クレイスのレビュー一覧
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「容疑者」「約束」に続く第3弾だというので、シェパードのマギーが出て来るのだと思ったら、無関係だった。
探偵エルヴィス・コールは、デヴォン・コナーから、高校生の息子タイソンが高価な物や多額の現金を持っていて怪しいから調べてくれと依頼される。タイソンの持っていたロレックスの番号から盗品だと分かる。しかも連続して金持ちの家から盗む事件があって、もしかするとタイソンはその犯人グループの一員なのだろうか。盗まれた物を追いかける悪党二人組は残忍に人殺しを続けていく・・・
マギーが出てこないという意味では東京創元社はサギじゃないかー、と文句を言いたいところだけれど、面白かったのでまあ良しとする。
コ -
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この作家は女性の描き方がうまい。訳者もあとがきでそう言っている。そう。実に巧いのだ。主要登場人物のみならず、ワンシーンのみ登場するだけの脇役に至るまで、こと女性に関しては個性が際立っている。作者はよほど女性から痛い目に遭っているのかもしれない。あるいはとても優しくて女性にもてる作者の人間観察力がそうさせるのかもしれない。
さて、ともかく。スコット&マージという捜査犬シリーズを離れ、いよいよエルヴィス・コール&ジョー・パイクという作者のメイン・シリーズである。ぼくには初読である。しかも新作。二人の単独シリーズとしては何と19年ぶりとなるらしい。何故? Why? 無論、『容疑者』『約束』と、 -
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最近、ぼくの最もお気に入りのハードボイルド・シリーズがこれだ。
前作『容疑者』は作家を復活させるほどの人気を得たらしい。ぼく自身を含め相当の新しい読者を獲得したに違いない。スコット&愛犬マギーというハンドラーと警察犬コンビがたまらない。共に、相棒を銃火で失い、心と体に深い傷を負った同士の、復活と愛情の、感涙ものの傑作であった。
だから、本作で、ロバート・クレイスの本家シリーズのレギュラー・コンビ、エルヴィス・コール&ジョー・パイクが、一人と一匹のシリーズに合流するという趣向の作品が早くも登場したのも、自然な流れだと思う。何せ、コールは17年ぶり、パイクは7年ぶりの復活作品。彼らにとっ -
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以前は同じ著者の作品を立て続けに読むということをよくしていましたが、最近はいろんな著者の作品を満遍なく読むようにしようと、同じ月に同じ著者の本はできるだけ読まないようにしています。しかし今月初めに読んだ『容疑者』がめちゃめちゃよくて、続編があると知ったら読まずにはいられず。それがこの『約束』。
ロバート・クレイスの作品を読むのは『容疑者』が初めてだったので、今回も刑事ひとりとジャーマンシェパード1匹が主人公だと思ったら、同著者に“コール&パイク”というシリーズもあるそうな。今回は『容疑者』のコンビと、コール&パイクのコンビの、いわばコラボ作品。ファンにとってはたまらん豪華キャストかと。
探 -
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字ぃちっちゃいのよ、創元推理文庫。同程度の厚さでも、講談社文庫と比べたら文字数は倍くらいちゃうか。というのは言い過ぎか。老眼が来るとついつい創元推理に及び腰になってしまいます。この文字の小ささで400頁超やけど、読むのに何日かかるやろと思ったら。こんなん反則、プロローグから涙がこぼれる。
パトロール中に事件に巻き込まれ、相棒女性を亡くしたロス市警の刑事スコット。アフガニスタンで狙撃され、ハンドラー(指導手)を亡くした雌のジャーマンシェパードの軍用犬マギー。心身ともに深い傷を負った一人と一匹が出会うとき。事件から9カ月経つも挙げられない犯人を見つけようと、スコットはマギーと組み、捜査を開始する -
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今年は翻訳小説に挑戦するぞ、といくつか読んできて「私はアメリカよりイギリスの作家さんのほうが合うのかな」と思っていたところに「そうでもないみたいだ」と思わせてもらいました。
思うにテレビドラマの脚本家もされていた方は読んでいて場面が浮かびやすいし、読みやすい気がします。
今回の作品はお互い相棒を失ってトラウマを抱えた人間と犬のお話でそれがとてもよかったです。マギー視点が特によかったですね。ちょうどドッグトレーナーさんのショート動画をよく見るようになって、トレーナーさんの相棒のシェパードの女の子が賢いなぁと思っていたところで重なるところもあり、何はともあれマギーがスコットを気に入ってくれて本当に -
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残念ながらスコット&マギーは登場しない。
でも、章ごとに視点が変わる面白さは、前作同様でキレキレ。
主人公の探偵エルヴィス・コールの一人称視点を中心に、依頼人で逃亡中の少年の母デヴォンや、逃亡中の少年タイソン、コールの相棒ジョー・パイクなどの三人称視点で、読者を飽きさせない。
今回特に、冒頭の「登場人物」欄ですでに「悪党」と紹介されているステムズとハーヴェイ、通称「でかい男とばかでかい男」のパーツが良い。
二人の描写は多く、その「悪党」ぶりも半端なく描かれている、が、この二人のやり取りを読んでいるうちに、なんだか愛着が生まれてくる。
この不思議さは、いい。
「訳者あとがき」でも「このコンビ -
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「約束」という言葉の重さは、その人が引きずってきた人生の重さにも通じる。
前作『容疑者』で愛犬家にはたまらない物語を見せた作者の続編で、警察官スコットと警察犬マギーが心を通わせる描写は相変わらずこまやか。
ただ、今回の主役は妙な依頼から事件に巻き込まれた探偵エルヴィス・コール。
どうやら以前に作者が出版していた<探偵コール&パイク>シリーズの新作でもあるらしい(以前のシリーズは未読)。
探偵コールとその相棒のジョー・パイク、友人の民間軍事請負業者ジョン・ストーンが事件を解決していく様子は、プロフェッショナルの仕事ぶりを感じさせる痛快活劇。
会話も軽快でテンポよくストーリーが進んでいくが、 -
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徐々に心を通わしていくふたりの様子は、愛犬家にはたまらない物語。
突然の銃撃戦に巻き込まれ、良き相棒を死なせてしまったロサンゼルス市警のスコット。
アフガニスタンで軍用犬として従軍していた時に唯一無二の相棒を死なせてしまったジャーマン・シェパードのマギー。
ともにPTSDを背負ったふたりがバディとして徐々に変化していく。
相棒の死の責任からかガムシャラに真相に近づこうとするスコット……遭遇した銃撃戦の真相を、ひとりで突き止めていこうとする。
最初は他人だった主人公スコットに対し、徐々に“守るべき仲間”として認識していくマギー……次第に、本来の優れた能力を発揮していく。
徐々にマギーが“ -
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ネタバレロスの探偵エルヴィス・コールのシリーズ。
残念ながら警察犬マギーは出てこない。
コールは、息子が大金を持っていたので調べてほしい母親からの依頼を受ける。
息子は仲間たちと金持ちの家に盗みに入っていたが、仲間が殺される。
行方不明になった息子を探すコールだが、
盗みの仲間だけでなく、息子の行方を知る者が次々と殺されていく。
息子の情報を得ては、その証言者を殺してしまう二人組、
ひどい男たちなのだが、
なぜかだんだん親近感?感情移入?してしまう自分がいる。
とくに、昔フィドルという楽器を、酒場で見知らぬ若者と演奏した場面とか。
著者に乗せられているだけだと思うが、
映画を作るならそっちが主人 -
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ネタバレロスの探偵エルヴィス・コールと同じ作者だったので。
海兵隊の一員として、アフガニスタンに出征し、
相棒を亡くしたジェーマン・シェパードのマギー。
自分も撃たれたのに、撃たれた相棒を守ろうとそばを離ないとは、
最初から泣かせる気でまんまん。
一方、刑事のスコットもパトロール中に銃撃に巻き込まれ、負傷し相棒を失う。
だが、最後に武器を求めて相棒のそばを離れたことを後悔している。
騒音に弱くなってしまい、
警察犬になるには不適格と言われてしまったマギーと、
いまだに痛みと闘うスコットは共に復帰を目指すことになる。
もちろん、山あり谷ありで、スコットと相棒が撃たれた事件の謎を追っていく。
マギー -
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ネタバレジョー・パイクシリーズ第二弾。
きっかけはどうあれ、
またもや女性を守るために闘うジョー・パイク。
平凡な銀行テラーの彼女は、
証人保護プラグラムを受けた両親の娘だった。
一度は誘拐されかけたところをパイクに助けられたが、
再び誘拐される。
エルヴィス・コールとジョン・チェンの助けで、
彼女の居所をつきとめることができるのか。
市警の科学捜査官ジョン・チェン。
日本のオタクとは違って、生身の女の子に興味があるギークだし、
そのためにお金にも昇進にも執着していて、
決してカッコいい男ではないのだが、だんだん気になってきた。
パイクのために命がけではないにしろ、
職をかけて調べものをして頼り -
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タイムラインで見つけて気になっていた本。
犬好きにはたまらないとのことでしたが、本当にたまらなかった…冒頭、軍用犬だったマギーがアフガニスタンで最初のパートナーを失うシーンからすでに号泣。
ストーリーとしては、銃撃事件に巻き込まれ、パートナーを失った警察官のスコットが、同じくパートナーを失ったマギーと出会い、警察官と警察犬としてバディを組み、スコットが巻き込まれた銃撃事件の容疑者を探す…というものですが、犬好きとしてはとにかく犬と人間の絆描写が素晴らしくて、本編のストーリーがかすむ(笑)
最初はスコットへ警戒心を抱いていたマギーが、徐々にスコットを信頼するようになり、最後は自分の愛するパートナ -
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ネタバレ爆弾検知犬として戦場で任務中、パートナーを失ったシェパードのマギーと同じくパトロール中に突如車両の衝突事故から始まった銃撃事件でパートナーを失ったジェイムズの絆再生物語。
事件を機にK9という警察犬組織で働くことを願い出たジェイムズ。
そこで出会ったマギーは精神的ストレス障害と断定され、警察犬としては不合格扱いされるところだったが、同じ境遇に惹かれるものを感じ、マギーを自分のパートナーにさせて欲しいと訴える。
ジェイムズがパートナーを失うことになった未解決事件の捜査担当刑事が変わり、新たな展開が見込まれる中、試験的にパートナーとして生活を送るマギーと共に独自の捜査で新たな手掛かりを追い始め