猪熊弘子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
保育園選びの参考に手に取った
・早期教育の危うさ
鼓笛隊などの楽器の演奏、読み書き計算、英語、フラッシュカードなど
→先取りして、早く覚えても一年生で同列になることが研究で示されている
むしろ全員が一斉に先取り教育をしている園と、自由遊びの園とで語彙力を比較した研究では後者の方が高いという結果。(自分の興味のあることに集中して遊べるので、それに関する語彙が増える。一斉教育型は時間割をこなすのでひとつのことに対する興味関心が育たない)
・運動遊び
運動指導を行う園とそうでない園を比較すると、後者の子供の方が運動能力は高く、運動指導を行う回数が多ければ多いほど能力が低くなるという皮肉な結果に。
子供同士で遊びを決めている園が、格段に高いと言う結果
→大人が特定の運動をさせるより、すきな遊びをする方が運動能力が高まる
・安全性
後半の実際の事故の話は目を瞑りたくなるものばかりだった。そんなことありえるのか、、と思う悲惨なものばかりだった。安全性は大前提チェックしていかなければ。
●自由遊びの時間がしっかり確保されている園、それを実現するための保育士の人数が確保されている園がいいなと感じた
●「遊び」(その中でも主体的に選んだ自由な遊び)というものが、大人が思う以上に幼児期にとって大切なものだと理解できた
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Posted by ブクログ
特に待機児童に関連した、政治的な施策と絡めた、現実の家庭で起きている問題について議論している。
政策自体の目指すところはよいものであり、行政自体も非はないとしても、実際の状況の中では目的とした振る舞いはせず、時に不幸な事故につながってしまうことを、実例を用いて示している。
本来的には子の健全な育成を目的としても、家庭や自治体を主軸に据えると、結果的に子の不利益につながってしまう問題を提起している。
待機児童問題自体は出版時点から遡って昔からあると書いてあり、そもそもこの本自体が10年近く昔の本で、いかに難しい問題なのかと考えさせられる。
子育てに限らず、政策を考える際には、それがどのような力学で、どのような結果になるか、考えることの重要性がよく分かり、勉強になる。 -
Posted by ブクログ
最貧国バングラデシュで男尊女卑の伝統下で虐げられ苦しむ貧困層の女性に少額無担保ローンを提供するグラミン銀行を創設し驚異の返済率98%を誇る大銀行に育てた天才の自伝。「元手を借り、小商売を成立させ返済し、信用を得て事業を拡大、資金調達へ」
このサイクルをカースト制度と男尊女卑の二重差別下で社会的な無能扱いされ続けてた女性自身の力で回す。
自力で社会に働きかけ生活の糧を得る事で千年踏み潰された魂を再生し自信と誇りの火を灯す。
ただ貸すだけで無く徹底的に借り手に寄り添い、仕組み作りに叱咤激励にと悪戦苦闘する現代の聖者の独白録。
しょぼい富裕層のライトな自己啓発書より、かなり高カロリーな書です。 -
Posted by ブクログ
日本の保育園とイギリスの保育園を比較しながら、日本の保育の問題を対談形式で掘り下げていく本。
保育園の理念とニーズがずれてしまっているという点について警笛を鳴らしている。
子供の人格が形成される大切な時期に、いかに生活環境を整えて接するかが重要であるが、待機児童問題の対策として、基準の緩和、子供一人当たりの面積の縮小、保育士の見る児童の数の増加が解消策になってしまっている。
政治家たちがきちんと保育の理念と現実を理解できていない。イギリスには国で統一された保育へのチェック制度があるが、日本はそれぞれの基準で運営できてしまう。という問題点を明確に指摘する。
自分の体験からも、保育園と一言にいっても、色々な保育園があり、保育士たちが疲れ切ってギスギスしている保育園もあり、ビジネスとして考え割り切っている保育園には非常に危機感を覚えたことがあるので、この本に書かれていることは実感として得られるところがある。
ただ、一方で、なんとか保育園に預けて仕事を継続することを重視する自分もいて、良い保育園に当たったからよかったものの、芯の部分では、保育とは育児とは何が大切なのかということをしっかり考えて対応しなければいけないのだなと感じた。
イギリスの理念は良いと思うが、階級社会の中で富裕層がより良い保育園を選べるという現状があり、色々な総が一つの保育園に通っている日本の状況も悪くはないのではないかと感じた。
本にも書いてあったが単純に日本とイギリスを比較できないので、社会背景も含めて良いところを取り入れるべきだと感じた。 -
Posted by ブクログ
保育園が教育産業であることを英国の保育事業にも詳しい方を招いての座談会。改めて保育園が重要な役割を担っており、それがここ10数年の趨勢であることを痛感する。日本では単なる就労支援の手段!と考えていることにその遅れの原因があるように思われる。したがってこの問題を考えるとき、預ける母親の視点に立った検討が多いが、子どもの立場、視点を考えるという観点が抜けているとの指摘は全く同感。幼児であっても一人の人格として尊敬するという姿勢が大切である。小規模保育所(市町村認可)が2015年からスタートしたことも知らなかった。日本はあらゆることがギリギリで進められ、保育の世界も例外でないことが、ブレイディ氏の言葉から痛感する。戦後まもなくできた基準が今でも残っていることに、日本のこの分野での遅れ、理解のなさによるものであると良く分かった。ブレイディ氏は「自分の考えを伝えることができる」教育プログラムの必要性を主張しており、また引用しているノルウェー幼稚園法の文言は教えられるところが大きい。「子どもは、彼ら自身の権利において主体的国民あるいは代理人とみなされ、表現方法はさまざまであっても、尊敬されるべき存在である。」「大人は、子どもたちが幼稚園での研究に完全に参加できるように、また、民主的社会における活動に参加できるような子どもを育てることができるようにしていかなければならない。」
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Posted by ブクログ
ネタバレ小論文の役に立つかなと思って読みました。
いそいで読んじゃったから、細かいデータとかは飛ばして読んだりしてたけど
前日に『 フィンランド 豊かさのメソッド』を四でたので、あまりの差に愕然とした。
田舎育ちで待機児童がそんなに深刻な問題とは知らなかった。
わたしもデモ運動とか選挙活動してる人見ると
「うるせえ、やめて」と思ってしまう質だったけど
これからは見方が変わるかなぁと思った。ママさんたちは戦ってて、北欧でも国会に赤ちゃん連れ込んで講義した母親たちのおかげで、今のような教育の充実した国になった、という記述を見たからだ。
わたしも子供生むときが来るとしたら全く他人事ではないなと思った。保育所にあずけて自分の子供が亡くなってしまった母親の思いを考えただけで……。
小論文の勉強のために沢山本を読むけど、高校生活のなかで最も自分のためになってると思う(笑) -
Posted by ブクログ
少子化なのにどうして待機児童が生まれるのか。これは定員と希望者のバランスの問題。ただそのバランスを解消するためにはカネも時間も必要である。
本書には、そのバランスを欠いたあまりに起きたひどい事例が多数紹介されている。弱者の現状というのはオーバーな例なのかそれが標準なのか、全貌はわからないが、オーバーな例であっても起こるべきではないものである。
認可外保育所を「地獄の預かり箱」と評した例もある。親が諦めれば受け入れる側も低い方に流れていくので、とにかく諦めないことだ、と。とはいえ、受け入れ側も貧困にあえいでいる。
横浜の待機児童ゼロという数字のマジックをあげつつも、しかしそれを掲げて当選した市長の取り組みも一定に評価している。マニフェストから動いていく例もある。
気になるのは「3党合意」と「消費税10%」を人質にした新制度で、10%にする前提でもなお、財源がどうも消え去ってしまっていたようだ。「念の為解散」では、女性の活躍とかも併せてまとめてリセットスイッチ、そして増税だけが残った、というオチが見えかくれする。僕は、本書でいうような子育てを概ね終えた世代だが、今度は自分の子たちに降り掛かってくる問題だ。
あまりいい気分になる本ではないが、それで火種を持っておく、という性質のものだろう。当事者は政治にもっと口を出してよいが…。