猪熊弘子のレビュー一覧

  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    保育園に勤めている保育士も是非読むといいと思った。預かる保育士側は、こんな小さな子どもが親から離れて朝から晩まで頑張らなければならない、そんなにしてまで働かなきゃいけないのか!?という目で保護者を見ていることは結構ある。しかし、保護者側も簡単に子どもを預けているのではないこと、保育園に入る入らない以前にこの時代の子育てがどんなに大変なのか…ということまで考えなければならない。
    今の日本の子育てがこどもにとってよりよいものになるようにしていきたいと思う。

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    2014年07月29日
  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    子供を持つことが怖くなるような、現代の子育てをめぐる内容の一冊。色んな問題があまりに複雑に絡み合っていて、どこから手をつけていいかわからなくなる。「待機児童」の定義、保育園の数、保育士の数、保育園の質、親の知識、シングルマザー・ファザー、親の貧困。そして本書ではあまり触れられなかった印象もあるが、そこに使うためのカネの問題。

    財源をどっかから回すしかない、そのためには声を挙げるしかない、ということにもなるのかな。

    親の便利は子供の不便、という言葉も重い、怒りの一冊。子供は社会の宝物であるはずなんだけど。

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    2014年07月29日
  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    特に待機児童に関連した、政治的な施策と絡めた、現実の家庭で起きている問題について議論している。
    政策自体の目指すところはよいものであり、行政自体も非はないとしても、実際の状況の中では目的とした振る舞いはせず、時に不幸な事故につながってしまうことを、実例を用いて示している。
    本来的には子の健全な育成を目的としても、家庭や自治体を主軸に据えると、結果的に子の不利益につながってしまう問題を提起している。
    待機児童問題自体は出版時点から遡って昔からあると書いてあり、そもそもこの本自体が10年近く昔の本で、いかに難しい問題なのかと考えさせられる。
    子育てに限らず、政策を考える際には、それがどのような力学

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    2025年01月09日
  • ムハマド・ユヌス自伝(上)

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    最貧国バングラデシュで男尊女卑の伝統下で虐げられ苦しむ貧困層の女性に少額無担保ローンを提供するグラミン銀行を創設し驚異の返済率98%を誇る大銀行に育てた天才の自伝。「元手を借り、小商売を成立させ返済し、信用を得て事業を拡大、資金調達へ」
    このサイクルをカースト制度と男尊女卑の二重差別下で社会的な無能扱いされ続けてた女性自身の力で回す。
    自力で社会に働きかけ生活の糧を得る事で千年踏み潰された魂を再生し自信と誇りの火を灯す。
    ただ貸すだけで無く徹底的に借り手に寄り添い、仕組み作りに叱咤激励にと悪戦苦闘する現代の聖者の独白録。
    しょぼい富裕層のライトな自己啓発書より、かなり高カロリーな書です。

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    2021年12月05日
  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    ◯保育施策を自身の体験も踏まえながら批判的に展開している。
    ◯1つ1つの思いは最もであり、印象的な個別ケースも多いのだが、根本的な解決を示しているわけではない。
    ◯政治によって解決される部分は大であるが、表題の内容が、結局のところ選挙で首長を選ぶ点だとすると、場合によっては四年がかりであり、待機児童対策に必要と主張された即効性という意味ではもう少し説得力が欲しい。

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    2020年01月26日
  • ムハマド・ユヌス自伝(上)

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    ユヌス氏の真摯で行動的な人物像、常識にとらわれず、自らが直面した問題を切り拓こうとする情熱が伝わってくる。貧困層を対象とした融資の仕組みを築くのはさまざまな困難や試行錯誤があっただろう。保守的な社会において、主に女性を対象とした支援を進めたことがすばらしい。

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    2019年06月05日
  • 保育園を呼ぶ声が聞こえる

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    日本の保育園とイギリスの保育園を比較しながら、日本の保育の問題を対談形式で掘り下げていく本。

    保育園の理念とニーズがずれてしまっているという点について警笛を鳴らしている。

    子供の人格が形成される大切な時期に、いかに生活環境を整えて接するかが重要であるが、待機児童問題の対策として、基準の緩和、子供一人当たりの面積の縮小、保育士の見る児童の数の増加が解消策になってしまっている。

    政治家たちがきちんと保育の理念と現実を理解できていない。イギリスには国で統一された保育へのチェック制度があるが、日本はそれぞれの基準で運営できてしまう。という問題点を明確に指摘する。

    自分の体験からも、保育園と一言

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    2018年02月27日
  • 保育園を呼ぶ声が聞こえる

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    保育園が教育産業であることを英国の保育事業にも詳しい方を招いての座談会。改めて保育園が重要な役割を担っており、それがここ10数年の趨勢であることを痛感する。日本では単なる就労支援の手段!と考えていることにその遅れの原因があるように思われる。したがってこの問題を考えるとき、預ける母親の視点に立った検討が多いが、子どもの立場、視点を考えるという観点が抜けているとの指摘は全く同感。幼児であっても一人の人格として尊敬するという姿勢が大切である。小規模保育所(市町村認可)が2015年からスタートしたことも知らなかった。日本はあらゆることがギリギリで進められ、保育の世界も例外でないことが、ブレイディ氏の言

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    2017年10月04日
  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    ネタバレ

    小論文の役に立つかなと思って読みました。
    いそいで読んじゃったから、細かいデータとかは飛ばして読んだりしてたけど
    前日に『 フィンランド 豊かさのメソッド』を四でたので、あまりの差に愕然とした。
    田舎育ちで待機児童がそんなに深刻な問題とは知らなかった。
    わたしもデモ運動とか選挙活動してる人見ると
    「うるせえ、やめて」と思ってしまう質だったけど
    これからは見方が変わるかなぁと思った。ママさんたちは戦ってて、北欧でも国会に赤ちゃん連れ込んで講義した母親たちのおかげで、今のような教育の充実した国になった、という記述を見たからだ。
    わたしも子供生むときが来るとしたら全く他人事ではないなと思った。保育所

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    2016年02月26日
  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    「なぜ小学校にはみんな入れるのに、保育園にはどうして全員が入れないの?」というシンプルな視点をもとに、保育園の現状がだいたいわかる本。これまでの国の動きなども絡めて、今に至る経緯がわかりやすい。
    ただし、タイトルは不親切。名は体を表していない。「政治」はあまり語られていない、あるいはかなりの突っ込み不足。また、「子ども・子育て支援新制度」についての記載は薄いので、新制度そのものを勉強したい人には不向き。

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    2015年11月08日
  • 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?

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    少子化なのにどうして待機児童が生まれるのか。これは定員と希望者のバランスの問題。ただそのバランスを解消するためにはカネも時間も必要である。



    本書には、そのバランスを欠いたあまりに起きたひどい事例が多数紹介されている。弱者の現状というのはオーバーな例なのかそれが標準なのか、全貌はわからないが、オーバーな例であっても起こるべきではないものである。



    認可外保育所を「地獄の預かり箱」と評した例もある。親が諦めれば受け入れる側も低い方に流れていくので、とにかく諦めないことだ、と。とはいえ、受け入れ側も貧困にあえいでいる。



    横浜の待機児童ゼロという数字のマジックをあげつつも、しかしそれを

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    2022年06月01日