ジョージ・フリードマンのレビュー一覧
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ネタバレ全体に非常に示唆に富む。
想像的であり、かつリアルである。
時間、空間の軸に対する理解が多層的。
P107
次の地政学的大地震が起こる場所はどこか?
①環太平洋地域
②ソ連崩壊後のユーラシア
③ヨーロッパの枠組み
④イスラム世界
⑤アメリカとメキシコ
2020年
中国、ロシアの分裂
↓
アメリカの一国強国体制は続く
→アメリカに脅威を与える国は限られている。
日本、トルコ、メキシコである。P232まとめ
日本はシーレーンの確保のため、海軍力(宇宙含む)を強化する。
トルコは経済成長に伴い、拡張的になる。
もともと地理的要衝に位置し、ロシアの弱体化、イスラムの混乱に乗じて、指導的イスラム強国として勢力拡大。
それに対するプレーヤーとしてポーランドがある。
ポーランドはロシアの弱体化に伴い東方に緩衝地帯を求め進出する。(ドイツ、ロシアの双方から攻められるという積年の懸念を解消するため)
しかし、南からは不安定なバルカン地域に影響力を拡大したトルコが迫る。
アメリカはトルコの勢力拡大を好ましく思わず、対抗馬としてのポーランドを支援。
また、お決まりの自決主義と民主主義的価値観の原則を持ち出して、日本とトルコを国家主権を脅かし人権を侵害する存在に仕立てあげるだろう。P251
その他気になる考察
①20世紀の世界大戦は大量の銃器、自動車、戦車、戦艦、戦闘機を使用し、生産能力勝負の総力戦だった。
しかし、21世紀は核兵器の登場と、精度の向上で、一撃で強烈なダメージを与えられるようになった。
これは、アメリカが進める衛星と超音速ミサイルを活用した攻撃体制でさらに高まる。
その点で、軍事攻撃に必要な労働力は少なくなり、むしろ科学者、技術者が重要になる。
しかし、領土の占領はいまだに多大な労働力を必要とする。これは軍ではなく警察の仕事に近い。敵と良民を区別する文化的理解が必要とされる。この仕事は今より簡単になることはなく、今後も大国の弱点となるだろう。P270
②技術が雇用を奪うという予測は、これまでも繰り返し立てられてきた。だが、そのたびに正反対のことが起こっている。
2060年頃からは失業率の上昇が見られる。
気になるキーワード
P275 ラグランジュ点
2つの天体からの重力が安定する場所。地球と月のラグランジュ点は宇宙ステーションの候補地とされ、宇宙の地政学的に重要。 -
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ネタバレこういう国際情勢分析・予測の類は好きなので、面白く読みました。
分析は鋭く、中国・ロシアにおいては見事に的中しているケースを実際に目の当たりにしています。
これらから先 20、30年の予測については完全に将来予測ですが、一見して信じがたい分析が行われています。曰く、トルコと日本がユーラシアの支配権を強め、アメリカと対立し、最終的には米日、米土戦争が起こるというもの。この分析についてはいろいろと抜け落ちている要素を感じて突っ込みたくなりますが、分析自体は論理的で非常に面白い。
それ以降は戦争計画から実際の戦争に至る予測が続きますが、かなりSF小説的内容になっており、私は興味を失いました。(国際情勢分析を知りたいのであってSF小説が読みたいわけではないので) -
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今年(2016)になって、フリードマン氏の書かれた「予測本」の三部作を読みつづけて、この本で読破しました。どの本にも一作目の「100年予測」というタイトルが入っていますが、実際の長期予測をしている本は一冊目のみで、それ以降の二作は、私達の生活に密接する近未来の予測をしています。
100年後の長期予測についても、それに至るまでの変化を解説してくれているので面白いのですが、私の社会人としての興味は、今後20年以内に起こり得ることにあります。
この本は欧州に限定して解説していますが、かつて覇権を取った欧州の国が一つにまとまる難しさ、しかし、その必要性も理解できました。
以下は気になったポイントです。
・1942年ころ、ソ連の石油のほとんどはバクーで産出されていたので、ヒトラーは是が非でもバクーを奪い取りたかった。スターリングラード、ドン川とボルガ川の間の土地、バクーを自分達のものにすれば、戦争は終わると知っていた(p27)
・共産主義者は保守主義者よりも、社会主義者を憎んでいた。両者は支持層が同じ労働者階級だから(p35)
・ウィーンは、第二次世界大戦後、欧州の縮図のようだった。ベルリン同様に、ソ連・アメリカ・イギリス・フランスの4か国によって分割統治されていた。実質はアメリカとソ連の二分割(p46)
・ソ連がスパイを雇う時にとった手段は家族を人質に取る方法、アメリカは市民権証明書とグリーンカードを提供した(p50)
・732年にカールマルテル(フランス)が、トゥール・ポアティエの戦いに勝利したことで、イスラム教徒はピレネー山脈の西に押し戻された。もし敗れていたら、欧州は今と違った場所になっていただろう(p63)
・オスマン帝国がコンスタンティノープルを制圧することで、欧州では、シルクロードと地中海が閉じられて海上貿易が崩壊した(p66)
・南向きの航路を支配していたポルトガルはコロンブスの申し出(西回り)を断ったが、スペインは違った。インドへ行く経路を必要としていたので(p70)
・欧州には、エンリケのような上品で洗練された顔と、コルテスのような冷酷な悪党の顔があり、二人には共通点もあった(p74)
・マヤ人は近い将来にアステカに征服されると恐れていて、その恐怖から、スペイン人に味方した(p77)
・インカ帝国は複数の部族が合同で政権を支えていたが、その部族の多くはインカ帝国から恩恵を被っていたわけではなく、むしろ被害者と思っていた。ピサロは、帝国支配者の圧政を利用して、帝国に不満を持つ者を味方につけた。欧州人がなぜ世界を征服できたのかを理解するうえで、非常に重要な事実である(p78)
・アステカに虐げられていた人々が立ち上がったことが大きい、スペイン人やキリスト教が滅ぼしたアステカも、わずか数世紀前に権力を掌握したばかり、それまでの神に代り自分達の神を信仰するように人民に強いた(p81)
・ポルトガル、スペインが世界征服に乗り出した大きな理由として、1)外洋を航海できる帆船を製造する技術、2)インド・中国との交易路の開発、である。1492年に欧州で最初の世界的大国が誕生、1992年に最後の大国が崩壊した(p83)
・欧州の民衆の大きな確信とは、1)自分達の生きている世界が宇宙の中心、2)欧州が世界の中心、3)欧州の中心は教会(p88)
・ルターの究極の主張は、ローマ司教は神と特別な関係にあるのではない、聖書は一人で読める。そして、カトリックは欧州内のそれまで支配してきた地域における優位を失った。司祭の権威を下げることにもなった(p89、91)
・ルター主義の論理を敷衍していくと、聖書だけ読んでいても不十分、自然について知るには、聖書を読む以外のことも必要となる、それが科学であった(p94)
・人間の思考を、自然を理解するための機械とみなした、理性を使えばいずれ自然界を完全に理解できると考えた。科学の敵は迷信である。迷信とは、証拠ではなく権威に基づく信念のこと(p97)
・啓蒙主義は、理性を重んじることで、欧州の体制に革命を起こしてしまったことにある(p100)
・第一次世界大戦の西部戦線で起きていたこと、1)科学技術の進歩による新しい武器の考案・開発、2)工業の発達による大量生産、3)国家意識の浸透による軍隊統制の維持のしやすさが向上(p118)
・ナチス、共産党を支持した人の多くは、第一次世界大戦に従軍した人々、戦争中と同様の原理で行動した(p125)
・1930年代には、ウクライナ等の地域で、計画的な飢餓によって死んだ人は2000万人にもなった。スターリンは、小作農から穀物を取り上げ、西ヨーロッパから技術を買った(p129)
・ロシアでは革命を支配したのは軍人ではなく知識人、ドイツでは元軍人が革命を主導したが、軍の内部で高い地位にあった者ではない(p130)
・元々が貧困であればすべてを失っても大した変化はない、中流階級が全てを失えば生活は激変する。ドイツでは一次世界大戦後に、普通の人が代償を払った(p133)
・1939-45年までのたった6年間に欧州の10分の1(5000万人以上)が戦争で死んだ計算となる。1914-45年だと7100万人、スターリン下での餓死者2000万人を加えると9100万人となる(p143、147)
・アメリカは参戦の条件として、1)イギリスに対する駆逐艦50隻の貸し出し、2)ハリファックス基地を除く西半球の全海軍基地(バミューダ、ニューファンドランド、東バハマ、ジャマイカ、セントルシア等)の貸し出し、であった。これにより、カリブ海の島々がアメリカの支配下となった(p168、390)
・イギリスはECに加盟する代わりに、1960年にEFTAを設立したが失敗に終わった。アメリカの支持が得られなかった。その後、イギリス自身も含めて多くはEFTAを離れた。現在は、ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒテンシュタインで存続している(p188)
・EUの問題として、1)2008.8に、ロシアとジョージア(クルジア)で戦争勃発、2)同年にリーマン・ブラザーズ破綻(p198)
・銀行は、貸出による利子から、債権取引からの利益を多くあげるようになった。(p203)
・若者の失業率の高さは現体制を脅かす影響力をもたないが、より高齢の中流階級の失業者が彼らと結びついたとき、現体制を脅かす影響力とエネルギーを持ちえる(p213)
・ソ連崩壊後、マーストリヒト条約締結後に生じた戦争の特徴として、1)小集団は消えることなく生き続けた、2)キリスト教とイスラム教が交じり合う教会の地域で起きている(p214)
・バルカンは3つの強大な力に違う方向から引っ張られることで、分裂してきた。南東のトルコ、東・北東のロシア、北西のゲルマン国家である(p227)
・バルカンの民族同士で激しい戦闘が繰り広げられるのは、大国からの圧力が弱まった時に限られる(p228)
・19世紀にロシアが得たものは、1)大コーカサスの支配権を失うことはないという保証、2)小コーカサスを通り抜ける道の確保、3)バクー油田(p241)
・ドイツは二つの決断を下す必要がある、1)フランスとの関係、2)ロシアとの関係(p265)
・イギリスはミシシッピ川流域から大量に流れてくる食糧を利用して本国の国民の食糧費を大幅に下げて、農民に都市の工場労働者になるように促した、フランスは農民を保護してアメリカ食糧をあまり利用しなかった(p322)
・フランスにとって重要な地域は、1)欧州平野(ドイツ)、2)英仏海峡(イギリス)、3)地中海とアフリカ(p329)
・欧州の差別は、その人のふるまいではなく、どの民族に生まれたかが重要で、よそ者は何をしても、いつまでもよそ者(p342)
・欧州のかつての植民地の人達には、独立後、かつての宗主国へと移住する権利が与えられている(p344)
・欧州人は、トルコ人を異邦人とみている、1)多くがキリスト教徒ではなく、イスラム教徒、2)東ローマ帝国を滅ぼしたのがオスマン帝国であること(p359)
・クルドは国土を持たない国家ようになっている、イラク・イラン・シリア・トルコに跨って住んでいる(p371)
・イギリスは1066年にノルマン人に征服された。ノルマン人とは、スカンジナビア半島から、フランス北西部へ移住した人(p381)
・欧州が統合されなかった理由の一つとして、北海の存在や英仏海峡がある。寒冷湿潤、風も強く天気が変わりやすく航海は容易ではない。16世紀以降は、スペイン人、19世紀にナポレオン、20世紀にヒトラーからの侵攻に耐えられた(p383)
・利害の対立が大きくなり、戦った場合に生じる結果の方が、戦わなかった場合に生じる結果よりもましだと判断したときに、人間は戦争をする(p401)
2016年3月12日作成 -
Posted by ブクログ
このような本があることを知ってはいたのですが、ある本を読んでいて初めて題名を知りました。あの有名なフリードマン氏が書かれた本の訳本が、2009年に単行本で発行されたものが文庫化されたものです。
私が興味を持っている「地政学」を駆使して、全世界の今後100年間にわたる予測を行っています。気になった所に付箋を貼りながら読むのですが、本が付箋で一杯になりました。凄い本でした。
21世紀もアメリカが世界一であり続けるのが結論ですが、それに挑戦する国として、日本がトルコと同盟を組んで挑み敗北するというストーリーが印象的でした。
つい数年前までは大国化すると騒がれていた、中国、インド、ブラジル、ロシアは難しいようですね。ロシアの衰退に代わって欧州で成長するのは、現時点で一人勝ちしているドイツではなく、ポーランドというのが驚きでした。
また、メキシコが経済大国化して、アメリカとの事実上の国境が北上して、かつてのメキシコ領土に迫る、という考え方も面白かったです。この本は、すでに続編が二冊も出されているようです。これからそれらを読むのが楽しみです。
以下は気になったポイントです。
・アメリカへの次なる挑戦者は中国とは言い難い、理由として、1)孤立した国であり領土を拡大できない、2)海軍国ではない、3)本質的に不安定、内陸部の国民は貧困のまま(p21)
・世紀半ばに他の強国が台頭する、日本、トルコ、ポーランドである(p22)
・宇宙で発電した電力をマイクロ波に変換して地上に送信するという、戦争前に開発された構想が、来たる世界大戦中に試作から実用化へ移行する(p23)
・統一ヨーロッパが実現しなかった理由は、英仏海峡である。最初はスペイン、続いてフランス、最後にドイツが大陸の支配に成功したが、統一できなかった。(p43)
・イスラム教徒が多数派を占める旧ソ連共和国(アゼルバイジャン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギスタン、カザフスタン)は、ソ連が崩壊するといきなり独立した。(p63)
・出生率の低下と平均余命の延びの鈍化により、人口増加は終わらざるとえない(p93)
・ロシアにとって冷戦後の世界が本当の意味で終焉を迎えたのは、2004年12-1月にかけて、ウクライナでオレンジ革命が起きた時)p115)
・インドネシアとパキスタン以外に、主要イスラム系国民国家は3つある、人口8000万人のエジプト、7100万のトルコ、6500万人のエジプト(p126)
・過去50年で約4倍に増えたメキシコの人口は、今後50年間で安定する、人口減少に悩まされることなく労働力が確保できるのが強味(p132)
・中国を地政学的に見た場合、島国である、他の地域から事実上隔離されている(p141)
・中国政府が拠り所にしているのは、1)国家を運営する巨大な官僚機構、2)共産党の意思を執行する軍事安全保障機構(p152)
・ロシアは2000年ころに戦略を転換した、1世紀に渡って取り組んできた工業開発に見切りをつけて、エネルギー資源を中心とする資源輸出国となった(p163)
・アメリカで220周年前から続いている周期の信頼性が高いとすると、現在は1980年のレーガン選出に始まった第五期の真っただ中、このパターンは2030年頃まで存続する、2032年の選挙で決定的な転換がなされるだろう(p195)
・社会保障制度が退職年齢を65歳と設定したとき、平均余命は61歳だった。その平均年齢の延長が年金制度の収支計算を変えてしまった(p201)
・2040年代までに、アメリカは、日本・トルコ・ポーランドと同盟を組んでいるが、日米間には著しい利害の不一致が生じている、アメリカは韓国(統一朝鮮)および中国の政府と手を組んでいる(p220)
・アメリカは金のかかる非効率的な従来の戦略を放棄して、その代りに、極超音速無人機のシステムを構築する(p253)
・20世紀に戦争を戦うには、何千人もの爆撃手と何百万丁ものライフル銃が必要だった、21世紀には、この数分の1で戦えるようになり、総力戦の終わりを告げる(p268)
・21世紀の制海権は、外航艦隊よりも敵艦を識別し、狙う事のできる宇宙システムに依存するようになる(p275)
・21世紀の戦争にとっての電力は、20世紀の戦争にとっての石油に相当する(p303)
・2050年代の戦争中に、新しいシステムの本格利用が始まるだろう、2060年代の宇宙発電計画を通じて、宇宙発電は日常生活の一部分となる(p327)
・貧しい国から富める方への人口移動は起こるが逆は無い。メキシコとの政治的境界は変化していないが、文化的境界は北方に移動している(p336)
・社会的、政治的危機が起きる2030年ころまでにロボット技術の実用化に向けた試験が行われて商業化の準備が整うだろう、2030年のロボットは、1975年ころのコンピュータだろう(p338)
2016年2月20日作成 -
Posted by ブクログ
「影のCIA」と言われる情報機関の創始者が、今後100年の世界情勢の変化を地政学的見地から予測したものである。2009年に単行本で発刊され、今般文庫化された。
単行本発刊後まもなく本書を読んだときに最も印象に残ったのは、2020年代以降トルコとポーランドが存在感を大きく高め、2060年代にはメキシコが世界有数の大国になるということであった。因みに、米国は今後100年間覇権国であり続けるが、中国とロシアの影響力は大きく低下するという。いずれも、地政学的見地から論理的に予測した結論である。
単行本発刊後5年が経っており、本書の内容と現在の世界情勢を比較してみると、ロシアのウクライナへの介入は予測された通りであるが、nation stateの枠組みを超えるIslamic Stateの出現などのイスラム世界の混乱は予測の範囲を超えている。
しかし、本書の重要性は、予測が実際に的中するか否かというより、欧米の最先端の専門家が国際情勢を分析・予測するにあたり、どのようなアプローチをとり、どのような思考プロセスを辿るかを知ることである。
国際社会において主要プレーヤーとして戦うためには、相手の思考・作戦を読むことは不可欠であり、そのためにこそ価値ある書と思う。
(2010年1月単行本了) -
Posted by ブクログ
思ったより面白かった。
21世紀の100年間がどのようになるのかを
地政学的見地(これがよくわかりませんでしたが)
から予測する内容。
21世紀はアメリカの時代。第2次世界大戦やEUまでは
ヨーロッパの時代で、アメリカはまだ若くて粗暴な国。
そのアメリカに挑戦する国。挑戦させられる国が
かわるがわるでてくる。
まずはイスラム、まとまりがなく自壊していく。
その次はロシアと中国。現状の経済や技術に固執し
アメリカの技術にまけてしまう。また民族問題や
それを統制している機能が弱体しロシアと中国は
分裂する。
その分裂した中国とロシアの周辺を力に変えていく
日本とトルコとポーランドがアメリカとの関係の
なかで日本とトルコと(ドイツ)がまたアメリカと
戦争をおこす。その開戦の仕方や結末は第2次世界大戦
とほぼ同じ流れが起こっていて。。
最後には、アメリカのひざ元であるメキシコと
アメリカの対決になる。 -
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ネタバレ<目次>
プロローグ人類の未来は明るいか
1ブライアン・レヴィン アジア人への暴力と憎悪の民主化
2カート・アンダーセン ファンタジーランドと化すアメリカ
3ジョージ・フリードマン 北朝鮮の核攻撃に弱い国はどこか
4イワン・クラステフ 自由主義的覇権は幻想だった
5アダム・トウーズ パンデミックが加速させた米欧の分断
6ヴァレリー・ハンセン 外国貿易反対派の抗議の歴史
7ジョージ・エストライク 健常者優位主義を乗り越えられるか
8デイビット・ファリアー 地球の大都市が化石になる日
エピローグ パンデミックがもたらした壮大な実験
秩序なき世界の現実
P138グルーバリゼーションの起源を大航海時代とするのは
遅すぎる
15C半ばではなくて、1000年代(中国なら宋代)
雑誌VOICEの連載記事のまとめ本 -
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数年前に買ったまま、途中で投げ出して暫く積んでいたが、タリバンが勝利してしまったアフガニスタンのことを考えながら2021年09月に手早く読み終えた。
トルコとポーランドの扱われ方が現在時点からみるとfunnyに思われる。日中関係は、あり得ないことではない一方で、中共がそこまで簡単に弱体化するか、あまり信じることができない。生きている間のニュースで、ポーランドかトルコ、あるいはその両方が重要な地政学的プレーヤーとして語られ出した時、改めてこの本の中盤以降を読み直すことになるかもしれない。しかしまだその時ではない。
2040-60sに世界戦争が宇宙を舞台にするだろう、と書かれている下りで、これが早川書房において翻訳されたことに少しだけ納得した。 -
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地政学的に予測した21世紀。
地理的な条件が国際関係や経済、軍事に影響を与えるという発想は納得できるが、「歴史は繰り返す」だけなのだろうか?
アメリカが大戦の主戦場から離れた位置にいることから、第三次世界大戦後も、第二次世界大戦後と同じような経済の黄金期を迎える―。
う~ん。
半分はそうかも、と思うけれど。
そうしてやってくる戦後の世界がいいものとはとても思えないのだ。
第三次世界大戦は、日本・トルコ連合国と、ポーランド・アメリカ(中国、韓国なども)の図式だそうだ。
まず前提として、中国やロシアが二〇年代には崩壊するらしいんだけれど、中国やロシアはそんなに簡単に崩壊するだろうか?
その隙をついて資源を求めてアジアに進出した日本とアメリカがぶつかる、ということらしい。
それより少子高齢化に苦しむ日本が、戦争をするような経済力が保てているのか?
主戦場が宇宙になっているというのは、ありうべきことだが、現在の日本の状況から考えても、とても太刀打ちできるとも思えない。
本自体はとても読みやすいのだが、一度本を置くとしばらく手に取る気がしなくて、ズルズル一か月もかかってしまった。
何か、読むと暗澹たる気持ちにさせられるから。 -
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地政学。
こういう大きい視点で見ると小さい争いにあくせくするのがバカバカしくなる。カウフマンが言っていたような歴史上の出来事に関する法則を探す学問、プリゴジンの言っていた意思決定の理論化の話、コンフリクトの原因が時間の感覚の違いであることなどを思い出す..
アメリカが地政学的有利にも関わらず憂鬱な心理状況である理由。
1 この乖離がアメリカの力がまだ発達しきっていないことを示している。
2 これがアメリカの途轍もない強さを露わにする。アメリカは不安を感じていたからこそ冷戦に途轍もない労力とエネルギーを傾けた。
政治指導者から技術者、軍人、インテリジェンスの幹部に至るまでアメリカ人の冷戦との戦い方は決して気軽でもなければ自信にも満ちていない。だからこそ冷戦に勝って驚いた。(恐るべき謙虚w)
アメリカは心理的に自信過剰と不安が奇妙に入り混じった状態、青年期の虚勢と絶望。アメリカはまだ16世紀ヨーロッパのような未開状態にある。文化はまだ形を形成しておらず意志力は強い。そして感情によって相矛盾する方向に突き動かされがち。
文化の三つの状態
未開:未開人は自分の村の慣行が自然法であり、異なる生活習慣を持つ人たちは取るに足らない状態で、救済するか破壊するかしかないと思っている。
退廃:この世に絶対的なものはないと皮肉っぽく考える。彼らが蔑むのは何かを信じる人。彼らには戦う価値のあるものなどない。
文明は文化の最も稀な状態。
文明人は頭の中で矛盾する二つの思想のバランスをとることができる。真実は確かに存在し、自分たちの文化がその真実に近いと信じている。だが同時に自分たちが誤っている可能性を留保している。確信と懐疑の組み合わせは本質的に不安定である。
文化は未開状態から文明状態を経たのち懐疑によって自己革新が揺らぐと退廃状態に陥る。文明人は相手を選ぶが効果的に戦う。
ヨーロッパはすでに退廃に入っておりアメリカは未だ未開。あらゆる未開文化がそうであるようにアメリカ人は自分たちだけに通用する道理のために戦う。
(発展経路は果たして一つだろうか)
アメリカの戦略目標および基本戦略は恐怖心。ローマ帝国も世界制覇を目指していたわけではなく、国の防衛を目指してその目標に取り組むうちに帝国になった。
恐怖心は和らぐたびに別の弱さと別の恐怖を生み出す。国家は持っているものを失う恐怖によって突き動かされる。恐怖という観点。
現在の国際システムはひどくバランスを崩した状態...アメリカが元来強力になりすぎたため、それ以外の諸国がアメリカの行動を制することができなくなった。国際システムは自ずと均衡に向かう傾向にある。バランスが失われた世界では絶対的な力を持つ大国の脅威にさらされた弱小国が、大国の力に対抗するため同盟を形成することが多い。アメリカがベトナムで敗北後に中国と手を組んだのも当時強力になりすぎていたソ連を制御するため。
だが現在は強力になりすぎたアメリカに対して反米同盟を組織することは難しい。アメリカと折り合いをつける方がずっと楽だ。(巨大アトラクタ的だ!)反米同盟は失敗すればアメリカの容赦ない行動にさらされるだろう。
矛盾:アメリカは一方で深い恨みを買い、恐れられてもいる。しかしその一方でここの国はアメリカとうまく付き合っていく方法を模索している。
この不均衡とアメリカを封じ込めようとする取り組みとが21世紀の世界のトレンド。アメリカ以外の国にとって危険な世紀。
地政学、誤りの許容範囲と呼ばれる重要指標。それぞれの国に誤りを犯す余地がどれほどあるか占う指標。国が直面する危機の種類、国がもつ近いの大きさ。
誤りの許容範囲が非常に小さい国-些細な失策が命取りになるという認識から外交政策の事細かな点までこだわる傾向にある。(イスラエル、パレスチナ)これに対して小国だが周りを敵に囲まれていないアイスランドには誤りを犯す余地がかなりある。アメリカも。
アメリカは世界に対して不用意に力を行使することが多い。愚かだからではなく、注意を払う必要がないから。注意を払っていると効率を落とす。無謀が許されるアメリカはときに他国に苦痛や破壊的被害をもたらす。それでも前進し、繁栄を続ける。
アメリカは常に過剰反応する。ある瞬間とてつもなく壊滅的に思われたことをバネに、果敢に問題を解決する。一般に新興国は過剰反応する。成熟した大国はうまくバランスをとることができる。衰退に向かう大国は一度失ったバランスを回復できない。
アメリカにとってはどの一つの関与も決定的に重要ではないが過剰反応する。だが相手国にとっては国を一変させるほどの力をもつ一大事。相手国はアメリカの行動の前に無気力を感じ、その無気力はどんな状況にあっても怒りをもたらす。怒りの矛先が向かう国、つまりアメリカが無敵でありしかも無関心であることがなおさら怒りを駆り立てる。
21世紀は自らの行動が招く結果に無頓着なアメリカと、そのアメリカに抵抗して怒りを向けるその諸国という構図。
アメリカの対テロ対策が終局に向かうにつれて、イスラム国家そのものがイスラム過激派に対する防御の最前線に。イスラム国家はアルカイダの究極のターゲット。アルカイダがイスラム教や西洋に対してどのような考え方を持っていようともイスラム国家はアルカイダに政治権力を引き渡すつもりは毛頭ない。むしろ国をあげて、つまり諜報、安全保障、軍事面での能力を結集して、アルカイダを潰しにかかるだろう。
アルカイダが破れさえすればアメリカは勝つ。イスラム世界が混迷して結束できなくなればアメリカは戦略目標を達成したことになる。
イスラム世界はかつてないほど分裂しておりそのことがこの時代に終止符をうつ。
トルコはイスラム世界における大国、再び対等しつつある。トルコの台頭はソ連崩壊による混乱ではなく、新しい力学の所産。怒りは歴史をつくらない。歴史を作るのは力。力は怒りによって強められることはあるが、地理、人口動態、科学技術、文化といったより根本に関わる現実的条件を拠り所とする。こうした条件の一つがアメリカの力を規定すると同時にアメリカの力が21世紀を規定する。
まとめ:20年前のソ連崩壊で冷戦時代は動きを抑えられていたイスラム地域が急激に不安定になった。アメリカの基本戦略(イスラム世界を混乱に陥れ、アメリカへの敵意を生み出す)