ハルノ宵子のレビュー一覧

  • 隆明だもの

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    ネタバレ

    あの時代の物書きはそれなりに誠実さを持て余していたし、家族が受け皿になることが当然の時代だった。今だとこういう家族はなくていい。懐かしむ気持ちは全くないが。

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    2024年07月18日
  • 隆明だもの

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    吉本ばななと姉のハルノ宵子の対談を読んで、吉本家、本当に大変だったんだなと思いました。
    でも、父隆明が病弱な妻に替わって娘たちにご飯やお弁当を作ってあげたりと、子育てに関してはやるべきことはちゃんとやっている。
    娘たちも介護が必要になった両親のために最善のことはしている。
    苦しみながらも、緊張を抱えつつも、家族であろうとした父母と二人の娘たちにあっぱれ!と言いたいです。

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    2024年04月27日
  • 猫だましい

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    大好きなハルノ宵子さん。
    「それでも猫は出かけていく」を読んで以来、誰の視線も気にもとめず、言いたいことをストレートに時には皮肉をこめて言ってしまうハルノさんの大ファンになってしまいました。
    「猫だましい」は、自分の病気をとおして誰にも訪れる死との距離を、猫たちとの別れやご両親の看取りをからめながら淡々と語っておられます。
    ハルノさんの周りには、濃いつながりの人や猫がいて、お人柄どおりの濃い深い社会に生きてらっしゃるのだと思いました。
    挿し絵の猫のイラストはとても魅力的で、ハルノさん自身のようだとますます大好きになりましたよ。

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    2024年03月27日
  • それでも猫はでかけていく

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    このタイトル、じわじわきます。
    猫だって色々あるんです。でも、それでも、出かけていくんです。雑誌に連載されていたものをまとめて本として出版したとの事で、毎ページに可愛い (時に凶暴そうな )猫のイラストもあるし、小噺も満載で、分かる分かる、って感じです。

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    2021年03月28日
  • 開店休業

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    単行本の時から読みたくて仕方がなかった本。文庫になったので、購入。楽しく読めました。吉本隆明さんという方はもっと難しいことをたくさん書くようなイメージがあったのですが、エッセイという形だからか、読みやすくて驚きでした。ハルノ宵子さんの文章も非常に読みやすくて、他の作品も読みたくなってしまいました。

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    2016年01月08日
  • 隆明だもの

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    この本を年老いた両親の介護をした娘の話として読むことしかできなかった。

    偉大な父親と怖かった母親と暮らした日常と葛藤。
    家族や父親の親しかった人たちとの交流。
    一番活気があった頃の家庭。
    それほどの父親(母親)であったのに、晩年は介護を必要とする。老いる。ボケる。
    支える娘。

    長生きするということは全盛期の頃との差がものすごく大きくなるということだと思う。目の前の現実に追われながら、昔のイメージもしっかり残っていて、その落差をどう処理していくのか。

    吉本隆明を父親に持つ娘は唯一(ニ?)の存在だが、大きく広げてみるとどこの家庭にもある問題だ。
    一般化して読んでしまうのは失礼なのかもしれない

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    2025年03月30日
  • 猫屋台日乗

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    いつも通り、すごく緻密な絵から受ける印象とは真逆の、いろいろツッコミどころの多いエッセイ。
    ご本人は自覚がなさそうだけど、東京の都心で育ったお嬢様だな~と改めて(毎回思うことを)思う。
    ・・・と言うと、下町だしお金持ちでもないしとか何とかそういう反論がご本人からきそうだけど、東京の山手線沿線に小さいころから住むってやっぱり特殊よねと思う。(つい最近まで住んでいたからとみにそう思う)
    別に山手線だけじゃなくて首都圏で生まれ育つというのは、地方とはあらゆる意味でイージーさが違っていて、ものごとに対する要求水準が高くなりがちじゃないかと思ったりする。どっちが特殊か、というのは意見が分かれそうだけど。

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    2025年03月23日
  • 隆明だもの

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    父母を看取った長女ハルノさんが全集に寄せ月報を中心に、在りし日の吉本一家の実像を描く。世界を疑い抜いた父がボケルトどうなったか、悪妻で知られた母の晩年、妹ばななさんとの対談、猫の逸話、小さく添えられた清々しいイラスト。いいっ。壊れていても自分に忠実な吉本家の面々の魅力よ!

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    2025年01月17日
  • 隆明だもの

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    吉本隆明、有名人だけれど読んだことない
    ただただ家族にこんな父とそんな母がいて
    姉も妹も大変だっただろうなと
    けれど普通じゃない家族なんてあるかな?
    ばななさんとの対談では
    わかわかるにてるにてるの連続だったし

    死ぬことが、あまり怖くなくなったり
    自由な供養のやりかたにもおおいに勇気づけられた
    それはとても感謝!

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    2025年01月13日
  • 隆明だもの

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    普通(何が普通かは置いといて)ではない親に付き合っていくのは大変だよね。
    私は兄弟では2番目の子だったけど、宵子さんみたいな1番目の子は親の縛りもきついし、良い子できた子が多いのかな。

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    2025年01月01日
  • 隆明だもの

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    戦後日本最高峰の知性、最期まで在野でボケが来るまで苦闘した、その裏の姿。
    左翼知識人の代表格であるが共産党嫌いだったり、身体の弱い妻に代わり家事も8割こなしていたり、娘2人をして「言行一致」の塊と言わしめる知行同一の人。
    うちの母も学生時代に一面識も無い隆明さん宅に電話して字解をしていただいたそうなのですが、そんなことが日々溢れていた偉大な方であったようです。

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    2024年07月28日
  • 隆明だもの

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    吉本隆明もハルノ宵子も吉本ばななも読んだことはない。井上ひさしのような家庭なのかと心配したけど、そうではなかったので安心した。本当のところはよく分からないけれど、吉本家はそれぞれの個性が凄すぎるということだけは伝わってきた。

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    2024年07月27日
  • 隆明だもの

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    ネタバレ

    家族の入院やお別れに際しての感想や経験則を、みーんな猫たちとの付き合いに基づいて書いていて、読みながらニヤニヤしてしまう。本当に猫って人生の師だよねぇ。

    老親との付き合い方については、読みながら自分を省みて反省することしきり…。そだね、自分もいつかは老いるのだということを、そして老いるとは今まで出来ていたことが出来なくなっていくことなのだということを忘れずに、もっといたわらなくちゃいけないね…

    お父様の吉本隆明の本は読んだことがないけど、ハルノさんが書かれていた猫エッセイは何冊か読んでいて、そこに出てくる娘たちが聞いてきた吉本隆明の言葉のひとつひとつにはなんだかすごく納得してた。
    オウム事

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    2024年05月25日
  • 隆明だもの

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    あの戦後思想界の巨人吉本隆明の娘による、吉本家の家族(父、母、姉妹)や関係者、特に老いてからの隆明氏の言動などを赤裸々に綴った実に興味深い内容だった。
    父だけでなく、母も強烈な方だった様で、その両親のもと育った著者自身も両親の影響を大きく受けながら資質も受け継いでいるからか、表現は軽やか乍ら本質を突いていると感じる。自らを"稀代の鬼娘"と言い往年の吉本ファンの怒りを買うであろう事を心配しながらも、ボケはじめた言動やオムツ使用の実態まで明かし辛辣にこき下ろす面もありながら、その根底にはやはり父を愛する娘の優しさが感じられ微笑ましくもある。
    それはあとがきの「しかし何を言おうと

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    2024年05月11日
  • 隆明だもの

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    (他人事なので)すごく面白かった。宵子さんの文章がうますぎる。隆明さんやばななさんとも違う、天を突き破ったような面白さ。やっぱり吉本家は才能が濃縮還元された一家だったのだろう。

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    2024年04月01日
  • 開店休業

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    ハルノさんの容赦ない、そして愛に満ちた文章が胸を打つ。平松洋子さんの解説もいつにもましてキレッキレ。隆明さんの文章は、病気と老いを抱えている時期とあって、少し息切れしている感じだった(それもまたファンにとっては新たな一面という意味でたまらないのでは)。

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    2024年02月13日
  • 猫だましい

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    自分の大腸がんをこんなに俯瞰して語れるってすごいなと思った。がん宣告の衝撃もなく、お一人ですか?から始まり、10日間の入院中の人間模様、病院のコンビニ、お見舞い、食事、退院後の大変さを軽妙な語り口で重さを感じさせなかった。
    たくさんの猫の病気と両親の病気、介護に付き合って、自分も病気を抱えて、とても大変そうなのにそんな感じがしない。自分の直感と経験で医師のいいなりにはならないところとか、見極め方とか。
    がんはストレスに深く起因しているのでは。自分は大丈夫、うまく乗りきれていると思うときが危険。精神の水面下でのストレス、がんは緩慢な自殺なのだ。というのは一理あると思った。
    がんの受け止め方として

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    2023年06月24日
  • 隆明だもの

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    年代が違うせいか当然として書いてることに?となる部分もあった

    好きな物をどうぞと広げた形見分けで「そんな物を持っていくのかと唖然とした」とか「まさかコレを選ぶとは」とか、なんだかよく分からないけどこの人の正解を選ぶ自信ないなと思った

    介護の部分はあっけらかんと書いているけど自宅介護を思って恐怖した

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    2025年11月25日
  • 猫屋台日乗

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    つい先日読んだ山田詠美姉さんを思い出した
    やっぱりテキトーを装ってすごいちゃんとしてる
    この本はまるまるコロナ期と被っていて
    料理レシピと父の隆明先生や家族のエピソードを織り込みつつ、お上のコロナ対策に怒る気持ちを爆発させているハルノさん
    本当に、死ななくてもいい人がどれだけ殺されたのか…
    初めてのパニックに仕方がなかった部分もあるかもしれない
    でも、学習が、なさすぎる
    くしくも選挙中
    選挙に行かない若者を、中高年を、
    避難する気になれないよなぁ

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    2024年10月24日
  • 隆明だもの

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    漫画家ハルノ宵子は、詩人、文芸批評家、思想家だった吉本隆明の長女。妹はかの吉本バナナ。
    本書は吉本家にまつわるエピソードを満載したエッセイ集。

    この中で隆明さんのはちゃめちゃな一面が読み取れるし、その影響をもろに遺伝している二人の娘の考え方や生活感も理解出来た。
    随所に、吉本隆明の根底にあった思想が二人から顔を出す。
    「何か善いことをしているときは、ちょっと悪いことをしている、と思うくらいがちょうどいいんだぜ」という父の教えから、娘たちは、
    「群れるな。ひとりが一番強い」という思想を受け継いだようだ。
    隆明さんは幾多の戦後思想の果実を残したが、その中心にあった自立の思想は、2人の娘の中に見事

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    2024年07月05日