松浦俊輔のレビュー一覧
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再読。
宇宙という空間における様々な「常識はずれ」を面白おかしく紹介した本です。
我々が地球の大きさを直感的に掴めないうちから、この本は「恒星」の非常識さから、イレギュラーな天体の異常さについて、詳らかに説明してくれます。
中でも「星雲」と「ボイド」の異常さは桁外れで、我々が天体の写真を見た時、星雲は煌びやかに写り、恒星の卵があちらこちらでキラキラし始めている訳だが、重力分布が「一つの天体から放出された質量にしては明らかに多い」そうなのだ。
また「ボイド」については、原子すら漂っていない真空の空間と言われており、未知の重力さえもないと言われている。そこまで何もない空間が、何のためにあるんだ、 -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
700ページの本は、久しぶりだ。しかし、一気に読めた。
ナンニチカカカッテイルケド
「数学的思考」、「統計的思考」という授業を作ろうとしていて、どんな授業にするのがいいか、学生達にとって面白く、為になる、そういう授業を考案するのに役立つのじゃないかと思って読んだ本だ。
たとえば、戦闘機に付いた砲弾の跡を統計処理し、もっとも弾痕が多かった先端部を保護するという判断。間違いじゃないが、もっとも有効ではない。もっとも有効だと判断されたのは、もっとも弾痕が少なかった部位だ。
...冒頭を飾るこの逸話は、データ収集範囲を意識することの重要性を物語っている。
グラフの一部を切り取る危険については、砲 -
Posted by ブクログ
宇宙本というとついつい買ってしまうのだが、これもまたその例に漏れな
い。ただ買った時には「いつもの宇宙進化の歴史本か」と勝手に思い込んでいたことから随分と積読期間が長引いてしまっていた。
が、それは大間違い!読んで実に楽しい、久しぶりにエンンタテインメン
トに溢れる宇宙本だ。とにかく堅苦しい宇宙の構造やら理論はさておき、
今までに発見されている数々の星のなかから「一番」を探し出すというのが本書の趣旨であり、言うならば宇宙のギネスブックのようなものだ。
曰く、一番大きい星は、一番重い星は、一番高い電圧を持つのは、自転速度の早いものは、宇宙に響く音とは、などなどだ。それも決して単純に一番のもの -
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Posted by ブクログ
「ゲームばっかりやって」とは怒られるが「数学ばっかりやって」とは怒られない、どちらもImaginaryを扱ったものなのに。ゲームをやる諸君は叱られた際に『「ゼータ関数の自明でない零点の実数部はすべて1/2である」についてどう思う?』と言ってやればいい。
正直、本書を読んでもリーマン予想が何なのか理解できない自分がいるが内容はとにかく面白い。史学解説と数学解説が交互の章立てされているが、数学のおさらいをしつつリーマン予想の数学的位置付け・重要性を理解でき、リーマン予想に対する数学者たちの取組み(リーマン含む)の扱いが紐解かれ、サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』のような知的好奇心が満たされ -
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ネタバレメモ:7つの法則
1. 隣接可能性
2. 液体ネットワーク
3. ゆっくりとした直感
4. セレンディプティ
5. 間違い
6. 外適応
7. プラットフォーム
+
序章:珊瑚礁
終章:第4区画(非市場/ネットワーク)
やはりイノベーションを起こすためには、一人で考えいるより、多くの人と接触を持って、その協議から発想を得ることのほうが確率的に高そうだ。
その点で、いなかより都会のほうが、何倍もイノベーション発生率(とでも言うか)が高くなっている、とのこと。
言っていることは目新しくないがもっともなことで、整理されているため、納得できた。
ただ、同じ主張の繰り返しが多いので、もっとコンパクトに -
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Posted by ブクログ
今なお未解決の素数の重要問題「リーマン予想」の数学的解説と、
その問題の歴史及び、問題に取り組んで来た数学者のエピソードから
構成される本書。
数学的解説と、歴史やエピソードの紹介とが
章毎に分かれているので、例え数学が苦手でも
最後まである程度楽しめることもできます。
歴史部分を読むだけでもそれなりに楽しめるので。
僕はわりと序盤の「ゼータ関数」が出て来たくらいで
すでに雲行きは怪しかったですが、
数学的解説はとても丁寧だったと思います。
こういう本を書けるということ自体に
作者の読ませる力を感じました。
サイモン・シンの著作などの、理系ノンフィクションが好きな人、
または、「リーマン -