森美夏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3巻と4巻の刊行ペースが今までと違い過ぎてびっくり。また、しばらく空くのかな?雑誌連載では読んでいないので、どんなペースなのかは把握できないので、本屋さん行ってびっくりなわけです。
八甲田山でコロボックル捜索と、甲賀三郎と松岡の前日譚。
急激に富国強兵を目指し近代化を推し進める明治の日本。その流れの中、宗教・信仰の分野での近代化を進める松岡の若かりし頃の話。
近代化=神殺しとなる理由がよくわからないですが、理論で説明できないものを解明し系統立てる、という意味が神殺しというのであれば、理解可能かなと。
それを30年でやるというのは無理がある話ですが。 -
Posted by ブクログ
戦国時代の大名、丹羽長秀とその子長重の2代に渡って仕えた家臣・江口正吉。「うつろ屋」と呼ばれ、空論で理想を描くばかりだが、その空論を貫き通すことで、滅封させられた丹羽家を再興させる。
誰もが謀略に謀略を重ねる戦国の世の中で、実に爽やかな生き方をする御仁たちの生き様を読むことができた。恩を仇で返すような豊臣秀吉の仕打ちに対し、主人公の正吉は無論のこと、長秀・長重親子の清廉過ぎる姿には大いに惹きつけられた。空論や理想を貫き通した結果、一時は滅亡にまで追いやられた丹羽家であっても、その後、復活できたのはやはりそれらを貫き通したから。老獪な秀吉、家康を相手に見事としか言いようがない。堕ちるところまで -
Posted by ブクログ
4巻発売が2017年なので、4年ぶりの5巻です。そして最終巻。
南方熊楠に連れて行かれた岩の扉を通って出会ったアンネッタとの日々?が悲しい。
足りないものを埋めるための日常を旅してきたのだとしたら、八雲の人生は悲しいなぁ。
明治という旧い日本を放り投げて、新しい日本へと急速に変容していった時代に、自分の足りないものを重ねていたのかなぁ、と思います。
「北神伝綺」「木島日記」に連なる物語の「八雲百怪」。
通読すると、新たな物語が生まれて来るのかな。民俗学を下敷きに己の心の中の何かを探し続けた人間の物語、ということなのかな。
何度も読むことだね。