三島芳治のレビュー一覧

  • 児玉まりあ文学集成 (1)

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    職業柄、この漫画はとても興味深かった。
    言葉の役割、なにより文学とはなんなのかをシュールに、可愛らしく、ときに鋭く描いた作品。
    比喩表現は、新しい言葉と概念とイメージを作り出す。
    疑問符は無数の疑問をこの世に生み出し、文末表現は人の性格を支配する。

    文学が私たちにもたらすさまざまな影響を、児玉さんが、笛田くんを指導することを通して、可愛く説教してくれる感覚になる。

    文学的やり取りのなかで、児玉さんと笛田くんがただイチャイチャしているようにも見える、それも面白い。

    私たちがどうやって気持ちを表すのか…。どんなことをではなく、どうやって、というのがポイント。
    言葉と内容の関係を、器とその中身

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    2025年12月11日
  • 児玉まりあ文学集成 (4)

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     2人の関係を既存の言葉で表すのは難しいけれど、2人の世界を作り2人だけに伝わる共通の認識を持っている様はとても尊いものだと思います。お互い触れ合わないし、文学を通じてのみ繋がる関係ではありますが、お互いへの好意の高さが折々で感じられました。今巻は児玉さんの内面の描写も多く、児玉さんが笛田くんを好きな気持ちがより克明になった気がします。

     2人の今の関係が崩れてほしくはありませんが、進展もしてほしくもありもどかしく感じますね。

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    2025年11月05日
  • 衒学始終相談 3巻

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     心のあり方で世界の法則や物質的な事まで変わってしまう。先生の影響力もありますが、世界自体も影響を受けやすい様に思います。

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    2025年11月05日
  • 衒学始終相談 3巻

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    哲学なのか真理なのか嘘八百なのか、意味があるのか無いのか境界のよく分からない先生と助手の不思議な会話劇が今回も面白かったです。今日もどこかでプラトン爆弾が起爆する…

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    2025年08月22日
  • 衒学始終相談 2巻

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     今巻は前巻以上に世界の忘れられている部分に踏み込んだ様な気がします。記憶を掘り起こしたり忘れたりと、この世界の核心と呼べる部分は見えない部分が多くあって不可思議に満ちていると思いました。

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    2025年07月03日
  • 児玉まりあ文学集成 (3)

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    ネタバレ

    第十五話「たまえサーキット」はまさしく黒沢清「キュア」や伊藤計劃「虐殺器官」やJ・G・バラード「コカイン・ナイト」ではないか。

    また第十八話「エンド オブ 文学」の

    好きという
    言葉の持つ
    全部の意味で
    児玉さんが
    好きです
    交際して
    ください

    という104pの台詞はまあいいのだが、105pの黒髪少女の後ろ姿の唐突さよ!
    こえーよ! 謎すぎるよ!

    そして「第二十話 いとこエクソシスム」……ぜんっぜん関係ないかもしれないが「青春ブタ野郎」の牧之原翔子を連想したり、この話の不思議さって思い出すものがあるけれどなんだろうと考えてみた結果、この漫画の1,2巻を読んだあとの不思議さだと気づいて呆

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    2021年08月10日
  • 児玉まりあ文学集成 (3)

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     WEBでも更新される度に一つ前から読み直してるし、なんならそうでなくとも読みに行くことがあるから、特に真新しい読書経験ではなかった。が、その分本作の素晴らしさを再確認した気がする。
     今回はざっくり言えば、事物の認識(の歪み)に関するお話が多かったのかな。詭弁と言えなくもないが、どの話も読んでいて価値観を揺らされるというか、そういう考え方もできるな、と唸ってしまう。各話の最後に関連する文献が一冊ずつ挙げられているのも嬉しい。

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    2021年08月01日
  • 児玉まりあ文学集成 (2)

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     今回は、殊更読み替えることが主題になっていたように思う。
     物凄く好きな漫画なんだけど、一読しただけでは内容が掴みきれた気もせず、どうにも感想がまとまらない。
     エピソード一つ一つで、異なったギミックを題材として語りが行われるのが凄く好き。関係性が進展すればもっと好みなんだけど、なんだか唐突に終わりを迎えそうな、凄く危うい関係なような気もする。

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    2020年07月17日
  • 児玉まりあ文学集成 (1)

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     版画のような独特なタッチで、思弁的な会話に彩られて綴られる、ラブコメディ(…なのか?)。言葉遊びを通じて展開していくストーリーには、SFにも通ずるものがあると感じた。
     漫画という媒体でしかできないような表現に挑戦しているか、というと分からない。ただまあ、絵を交えて綴られるからこそ、この味わい深さがあるのだろうとは思う。
     ウェブ漫画だからか、漫画として読むと大ゴマの多い印象を受ける。

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    2020年07月17日
  • 児玉まりあ文学集成 (2)

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    ネタバレ

    いやー……すごいよこの漫画(溜息)。
    文芸を漫画に、という作品数あれど、文学をそのまま生きる高校生、を。
    つまり血肉化しているんだと思う。
    長篇→断章→それはこの世界がそのように出来ているから→めまいが僕をおそった→ものの見方の変化→妹?
    西洋文明はすべてアルファベットでできている→レゴ=言葉→欠点の合体……。
    言葉の断片→詩。
    笛田君は貸し出せない、だから他の文学少女は私が殺す、文学少女になる前に。

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    2020年06月27日
  • レストー夫人

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    独特な空気と、版画のような絵のタッチが印象的。
    風変わりな登場人物が次々に出てくるが、作中の淡々とした雰囲気に押されてか、嫌悪感は起こらず、特定の人物に思い入れを持つこともなく。
    自分じゃない誰かの頭のなかを覗かせてもらったような気分になった。

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    2014年11月18日
  • レストー夫人

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    レストー婦人は多感で感情が地滑りしやすい少女ではなく聡明で気丈かつ優美、絵に描いたような絶対少女です。
    彼女を取り巻く人々のアレコレを洒脱なセリフ回しで描いています。
    最後にレストー婦人の本質が分かるくだりは少しばかりのカタルシスがあります。それが非常に心地よい。

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    2014年07月30日
  • 児玉まりあ文学集成 (4)

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    漫画だけど言葉を取り扱い、その世界を描いてる。今回はそれが加速してる印象。

    絵柄がやけに可愛いコマが増えた気がする。

    SFマガジン寄稿分の小冊子がオマケに付いてた。嬉しい。

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    2025年08月10日
  • 衒学始終相談 2巻

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     テーマというか、内容にある程度一貫性があり、前巻より連作短編風味が強くて、より好みだった。引きもスマートで格好いいし。
     思索と詭弁、論理と飛躍と日常とを往還するのがやっぱり魅力。記憶力ガムの話が好きだった。

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    2024年05月20日
  • 衒学始終相談 1巻

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    ・「児玉まりあ」の三島さんが!
    ・「衒学始終相談」←「弦楽四重奏(団)」。
    ・漫画に移し替えられた文学。期待。

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    2024年02月19日
  • 衒学始終相談 1巻

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     現実の不確かさを教えてくれる様な気になります。

     女の子からCGを作ったり、人間から心を分離したりと不可思議な事を成す先生が何者なのか気になりました。

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    2023年07月26日
  • 児玉まりあ文学集成 (2)

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    独特の筆致、筆っぽい柔らかい無駄がない絵で文学しちゃってる少年少女の話。
    笛田くんもまりあちゃんも変なんだけど尊い。

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    2023年05月14日
  • 児玉まりあ文学集成 (3)

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    まさかもう付き合うことになるとは!
    不思議な関係のカップルで、いいなーと思います。文学って素敵なものですね。

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    2022年09月22日
  • 児玉まりあ文学集成 (2)

    匿名

    購入済み

    すてきなワードセンスに毎回驚かされます。
    こういう独特な作品に出会えると嬉しい気持ちでいっぱいになりますね。

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    2022年09月22日
  • 児玉まりあ文学集成 (1)

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    全3巻。文芸部部長の児玉まりあと入部志願の笛田君。「文学とは何か」試験をクリアしなければ入部はかなわず、答えを探しながら二人は彷徨する。笛田君に見えている児玉さんは、実体からデフォルメされているらしい。文学×ラブコメの振幅が大きすぎて、どこへつれていかれるのかわからないのが魅力。おかしいのは誰?

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    2022年04月24日