堀本裕樹のレビュー一覧
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五七五の十七音の調べ。それは世界で一番短い詩・俳句。句を読んだ時の背景や作者について、季語や技法を知ることでより趣深く俳句が鑑賞出来るはず。わかりやすい解説で近代から現代俳人の幅広い作品をやさしく読み解く初心者におすすめの一冊。
昔から短文詩が苦手だったのですがそれでもきちんと俳句について教養を深めたいなあと思っていた昨今、偶然本屋さんでこの文庫本が目につき購入。一句につき2ページでの解説でさくさくと読めるのもいいですし、文学に触れること自体も初めてだよという方向けに本当にわかりやすくやさしく書かれているのも印象よかったです。せいぜい子規や虚子や山頭火と授業で知った俳人くらいしか知らなかった -
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様々な年代・職業の方々50人からお題をいただき、穂村さんが短歌で、堀本さんが俳句で、それに答えてゆく。
それぞれの短歌と俳句にはエッセイも添えられているという楽しい企画。
なんだけど、実はあまり面白くなかった。
どうしてなのかは自分でもよく分からない。
堀本さんの文章の中に「この2015年の…」とある。
そうか、この作品たちは大体十年前のものなのだね。
このところ益々熱を帯びてきている短歌界隈、流行り廃りの流れもあるだろうし、十年前の作品たちを、どこか古く感じてしまったのだろうか。
出されたお題に対しての歌や句に、あまりぶっ飛んだものがなくて正直少し退屈に感じてしまったのもある。
勿論、い -
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ネタバレタイトルに引用された句がよいね。
ゲスト審査員の角田光代選の一句だ。
去年今年猫は髭から眠るもの もふもふ
子猫、猫の恋、さらには竈猫と、猫は季語にもなっている。犬が「猟犬」くらいしかないのよりは、あるほうか? 近頃は、家の中で飼うのが当たり前となってきているので、その行動も、じっくり観察もしやすく、句も浮かぶというもの。
猫の可愛さを詠んだ句よりも、亡き猫や、亡き人と猫の想い出を詠んだ句に、じんわりくる。年取ったなあ。
亡き猫と遊びし部屋の障子貼り 小宮太郎
亡き母の衣服枕に猫眠る 大野貴子
他にも、「亡き夫の~」とか数句。
ちょいと「亡きxx」という発句が多いのが気にな -
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新潮社のPR誌「波」の連載。
お友達からお題を募って、ふたりで題詠したもの(本来すべてがいいわけではないので、玉石混淆はやむなし)を、エッセイ風に自作解説した上で、二度にわたって対談で褒めそやす。
なんという企画。
でも本来歌界や句会ってそんなもんだろうし、作品性の違いというか世界の捉え方の違いみたいなものが見えて、結構面白い。
穂村さんはファンタジーや架空の夏を設定。
堀本さんは自身の体験や季語から発展。
もちろんそれぞれ幅はあるけど。
短歌と俳句の違い、それぞれにフィットした味方なんだろうな、とも。
出題者ー作者ーもうひとりの作者ー読者という関係の中で生まれる・立ち上がる場。
おおっと思っ -
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連句繋がりで今度は俳句小説。
奇しくも?ほしおさん作品と雰囲気が似てるような。
句会の流れや、何より季語の勉強になった。
でもやはり私は、同じ17音でも、個人プレーの俳句より、チームプレーの連句をやってみたいな。
自分の句がとられる喜びもわかる気がするけど、
それぞれが詠んだ景色が一つになるのって、とても素敵そう。
タイトルの句は、
きつかけはハンカチ、言葉放すこと、愛鷹が露払いして、が良かったかな。
作中の句だと、
号外を、板前の、星月夜、点滅は、冬銀河、湯豆腐、初春や…あたりが好きかな。
しかし杏ちゃんよ、想いの丈詠み過ぎじゃない?笑
ちなみに最後のバス待ちの句は、昴さんが以前詠んだ -
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俳人の堀本さんが一般から俳句を募集し、その句をもとに田丸さんが、ショートショートを作った、という一冊です。
なかなか面白いですよ。もともと俳句って、詠む人の想像力を刺激するものなので物語を引き出しやすいのかもしれませんね。そして田丸さんのスタイルと俳句の相性も良さそうな気がします。ショートショートというと星新一さん、江坂遊さん、筒井康隆さん、阿刀田高さん、あたりの作品が有名ですが、この4人の作品は面白いのは当然ですが、ブラックでビターな部分がかなり強いんですね。皮肉が強い、というか。
対して田丸さんというのはゼロとはいいませんが、ブラックな要素は薄いですね。読後感さわやか、という作品がほとんど -
購入済み
俳句入門としては
俳句がよくわからない人にとっては初歩の初歩が書かれていて勉強になりつつ楽しめました。素人の私でもいいなぁと思える句もありましたし。
でもラブストーリーは余計というか。なぜ二人がそこまで思いあうようになったかがまったく不明。主人公がイケメンに一目惚れするのはいいが、結局、声もステキ、眠そうなところもかわいい、など外見に触れるのみ。カレの方もなぜ主人公に惹かれたのかがさっぱりわからない。せめて、カレも主人公に一目惚れでした、くらいないと唐突過ぎてラストにまったく共感出来ず。俳句のように多くを語らず、読む側の想像にお任せします、ってことなのでしょうか?
下手なラブストーリーより、句会のメンバー一人一